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最初の過ち



 よし、段々気持ちの整理もついてきた事だし、ここから頑張っていきましょう。



 どうやって?



 いや、とりあえずこの致命的なまでに俺の身体を貫いている矢をどうにかしないと。


 俺は小枝みたいな両手でケツに刺さっている矢を掴む。


「フギィ!?」


 いてぇ!!

 矢を掴むだけで振動が傷を抉り、猛烈な激痛が走る。

 しかし、汚いとは言っても一応ここは池だし、傷を洗う事が出来るという意味でもここでやるのが現状最善なはず。


 覚悟を決め、俺は息を止めてから思いっきり矢を抜いた。


「アッガァァ…!」


 なんだってんだよ。俺が何をした?目を覚まして起き上がっただけだぜ?なんでそれだけで矢を撃たれなきゃいけないんだよ?


 痛みで再び理不尽への怒りがこみ上げてくるが、まだもう一本、肩にも刺さっている。

 そっちは片手で握りしめ、一気に引き抜いた。


「アププ…」


 なんだアププって。

 どういう声帯してるんだよ俺の喉。


 なんとか刺さっていたものを抜き終え、俺は汚い池の水の上澄みをくみ取って傷口を少し洗う。

 洗い終えると、そこら辺に生えている大きめの葉っぱを千切って傷口に当てた。

 さらに木に巻き付いている蔓を千切って自身に巻き付けて葉っぱを固定すると、素人にできる最低限の応急処置を終わらせた。



 正直あまり意味があるとは思えないし、何なら抜く時に矢尻が傷口を広げたせいで、刺さっていた時よりも痛い。

 破傷風になりそうで非常に恐ろしいが、そこは流石にゴブリンだし、少しくらい丈夫であって欲しいところ。


 もうこれ以上はどうしようもないし、次は休めそうな場所か、食事を探すか。


 人里にいく、なんて選択肢はありえない。

 どうせいってもまた問答無用で矢を撃たれるに違いない。


 とにかく、もう死にたくない。

 死にそうになるのもごめんだ。


 探すんだ、安全に過ごせる場所を!


 一刻も早く、ここから離れたい。

 なんせまだ殺されかけたあの場所からそれほど離れていない。

 最低限水が確保できるこの池は捨てがたいが、ここに固執すれば最悪の場合、さっきみたいに人間に殺されてしまう。


 俺はここから離れる決意を固めると、その前に一度池の水を飲んでおく。


 よし、こっからが俺の異世界スローライフの始まりや!




────────────

Race:ロー・ゴブリン

Name:無し

Level:1

Status:

HP(3/10) MP(1/1) SP(2/2)

Attack(1) Defense(1) Speed(3)

Critical(10) Luck(2) Skill(1)


《種族スキル》

──

《通常スキル》

〈悪食Lv.1〉

《固有スキル》

──

《Extraスキル》

──

《称号》

──


〈悪食〉

取得スキル概要

汚染された水や食料を摂取する事で獲得できる。一時的に胃腸にダメージが入るが、スキルレベルの上昇によって様々なものから栄養を摂取できるようになる。

通常スキルのため、あらゆる種族が獲得可能。

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