備えあれば前進あるのみ
弓の練習を木に向かって行っていると、どうも長く狙いを定めていると三段階にわけて威力が変化する事に気づいた。
これは感覚的な話で、最初は勘違いだと思うようにしていた。
しかし、飛距離や速度、木にどの程度刺さるかなど検証を重ね、その感覚は確信に変わる。
初段の威力上昇に3秒、さらに2秒足して5秒で二段階。そして7秒溜める事で威力は最大になる。
7秒というのは存外に長く、戦闘中に溜めるのは現実的でない。しかし、初段のチャージであれば十分溜められるし、これはかなり使える技能だ。
と、何度も検証をしているうちに、この技、仮に「チャージ」と名付けるが、それを使えば使う程に、疲労感に似た怠さがある事に気づく。
ふと、この世界にステータスのようなものがある事を思い出し、ならば、ゲームでいう所の「スタミナゲージ」のようなものがあるのでは、という推測に辿り着いた。
ならば、チャージを使う度に襲う怠さはスタミナゲージの減少を感覚化したもの?
だとすれば、その種類を特定しなければならない。
例えば走る事で失うタイプのスタミナであれば、少し休めばすぐに回復するはず。
だがそれがスタミナ“ゲージ”ではなくスタミナ“ポイント”であるのなら、何かしらのアクションを起こさない限り回復しない可能性がある。
この世界がどういったゲームに近しいシステムを採用しているのか、それを紐解く必要があった。
という事で、今度は身体の内側に意識を集中した、より感覚的な検証を行った。
結果、恐らくこの世界はポイント制である、という結論に至る。
一度スタミナ消費で沸き起こった怠さは、凡そ二時間程度の時間がなければ回復しない。
つまり、戦闘中にスタミナが息切れすれば、その戦闘内では回復する見込みは薄い。
これで、女が持っていたポーションの必要性というのも理解できる。
そこで俺は女が使っていた魔法の存在を思い出し、スタミナがあるのなら「魔力」の概念もあるはず、と思い至る。
俺にも何か使える魔法はないのか、と思索を練り、俺はスタミナを全て消費した後に手のオーラを木に向かって使用してみた。
すると、スタミナは全て使ったはずにも関わらずオーラは使う事が出来た。
こちらもスタミナとはまた違う何かを消費している感覚があり、それが「魔力」であると定義した。
どうやらあの手のオーラは、魔法だったらしい。
これらの検証を経て、俺は魔力とスタミナを完全に把握し、その上限も理解できるようになった。
狼を狩る。
ただそれだけを胸に準備を始めて、既に10日が経とうとしていた。
明日、狼を殺す。
そう決めた夜、俺は最後の晩餐と言わんばかりに肉を焼き、スープを作り、この世界に来てから初めての「豪遊」をして過ごした。
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Race:ブレスト・ゴブリン
Name:無し
Level:17
Status:
HP(36/36) MP(12/12) (SP24/24)
Attack(12) Defense(12) Speed(19)
Critical(23) Luck(3) Skill(10)
《種族スキル》
〈旱魃魔法Lv.3〉〈被呪術師Lv.1〉〈休眠Lv.6〉〈弓術Lv.8〉〈チャージ:弓Lv.6〉
《通常スキル》
〈被虐体質Lv.2〉〈毒耐性Lv.1〉〈潜伏Lv.5〉〈道具作成Lv.9〉
《固有スキル》
〈軍靴の足音E⁺⁺〉
《Extraスキル》
〈危機感知B〉〈幸運C〉〈戦闘続行A〉〈十悪五逆A⁺〉
《称号》
〈腐食のエキスパート〉〈ウェンカムイ〉〈死の畔に立つ者〉〈疾く駆ける〉〈人喰い〉




