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ペギーちゃんの郵便局

作者: 兎田愛美

ペギーちゃんの郵便局


子ブタのペギーちゃんの郵便局にお手紙が届きました。

春の妖精さんからでした。

もうそろそろ、季節の管理人さんに春をお知らせしたいというお手紙でした。

ペギーちゃんは春の妖精さんからのお手紙を持って、

赤い郵便車に乗りました。

季節の管理人さんは山の中に住んでいます。

ペギーちゃんはゆっくりと山の中を郵便車で走りました。

「まだ、寒いですね」

ペギーちゃんがつぶやきました。

まだ、山の中は寒くて枯れ木ばかり。

春のように草や花は咲いていません。まるで眠ったようです。

「早く、春になって綺麗な景色がみたいですね」

ペギーちゃんはそう言うと郵便車をまた走らせました。

ぐんぐんと郵便車は山の中を進みます。

びっくり谷、虹の川、お化け森……

そこを通ると季節の管理人さんの山小屋がありました。

ペギーちゃんは郵便車から降りて、春の妖精さんからの手紙を取り出して山小屋のドアをノックしました。

「やあ、ペギーちゃん」

季節の管理人さんはひげだらけのメガネをかけた顔をペギーちゃんに見せました。

「こんにちは。お手紙を届けに来ました」

「おや?もう、そんな季節かい?」

季節の管理人さんはメガネをはずしたり、つけたりして春の妖精さんからのお手紙を読みました。

「すっかり春を忘れていたよ。お手紙ありがとう」

「どういたしまして。管理人さん、山の中はとても寒かったです。早く、春にならないと寒くて困ってしまいます」

「そうだね。それ!」

季節の管理人さんが春の妖精さんからの手紙を開けると、ふわりと温かい風が吹いてきました。

そして地面から草がはえてきて、山の中はうっすらと桜色になっていきました。

桜が咲いたのです。

あの山の中の枯れ木は桜でした。

ペギーちゃんは綺麗な桜をみて、にっこりと微笑みました。


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