『黙する』-ことのはのうら-
『黙する』-ことのはのうら-
人がいなくなった
嫌なやつだった
人に配慮せず
人を追い落として
自らの正義と言い訳の声は
とても大きかった
相手の非を責め
自らの非を認めず
楽をして過ごし
好き勝手に生きていた
その恥をさらすこと
うしろゆびを指されること
そのことに気づかなかった
そこから目を背けていた
だからそれが起きたのは
きっと自業自得なだけのこと
ただ今までしたことが
巡り還ってきただけのこと
けれどもたぶん
むこうには晴天の霹靂で
それが自らの招いた結果だと
そう気づいてはいないだろう
自らの苦境を呪いはしても
相手をことを恨みはしても
おそらくは自分のしたことを
自らの責任の結果だと
理解するには至らない
そうしたやつだったと
振り返りつつおもう
居なくなり感じたこと
幾分かの澱みが無くなったこと
空気の流れ方が変わったこと
周りの雰囲気が違ってきたこと
やわらかな気配の訪れを
ゆるやかに感じつつあるようにもおもう
けれども清々としている自分のなかに
いなくなったこと
もういないことに
僅かながらも衝撃を受ける自分がいる
周りに迷惑かけ
嫌われている相手
決して好きではないものに
そうした妙な気持ちを受けている
仕方のないことなのだろう
自分が持つ性質はそうなのだ
何かが欠けてゆくこと
居なくなるということへの
さざなみのような波紋を
受け取ってゆくということが
そうして受けたもの
残るものはここに記そう
綴りそして忘れよう
歩く重荷を減らすように
忘れないでおくこと
あれは道を違えたときの自分
過去の醜さを感じる自分の影
そう戒めたことだけ覚えておこう
いまはその気持ちだけあればいい
お返事遅くなるかもしれません。
読んでいただきまして、どうもありがとうございましたm(_ _)m