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魔法の練習

自らの魔力を呼び水にして大気中の魔力を反応させ火を起こす。このイメージで練習すること数時間、指先に火を起こすくらいなら安定してできるようになった。

そろそろ火を大きくしたり飛ばせるようにする練習をしてみようか…


「……ガさん、フウガさん」


服を引っ張られて声に気づく。エルさんだ。集中しすぎて声ををかけられていたようだが気付かなかった。


「あぁ、すみません。気付きませんでした」


「いえ、集中するのは良いことです。それだけ真剣に取り組めているということですから。しかし根を詰めすぎるのもよくありませんし、お昼ご飯を持ってきたので食べましょうか」


と言ってギルドの外の屋台で買ったのであろう肉と野菜が入ったパンを渡された。


「ありがとうございます。買ってきてもらっちゃって」


「どういたしまして、です。どうですか?魔法の練習は」


「おかげさまで指先に火を起こすのはのは安定してできるようになりました。そろそろ攻撃とかに使えるように大きくしたり飛ばせるようにできるようになりたいなと」


「そうですか。なら食べ終わったら何回か手本をお見せしましょう」


「助かります!」


昼食を食べ終わった後また練習を再開する。だがその前に、お手本を見せてもらおう。


「火を大きくする方法は呼び水である自分の魔力の量を多くする事で大気中から集める魔力を増やすことで大きくなります。飛ばすコツは…そうですね…自分の魔力を中核としてその中核に大気中の魔力を纏わせたまま投げる感じですかね」


そう言って指先に火を出したときよりも二回りほど大きい炎の玉を手のひらから出して見せてくれる。


「慣れると両手で出すことだってできるようになりますよ」


と両手に炎の玉を出し、そのまま投げるようにして壁に投げる。炎の玉は壁に当たった後四散した。

とりあえずエルさんと同じようにやってみよう。

まず指先に火を付けたときと同じように火を付ける。手のひらに練習通りに火がついた。

次に少しずつ中核となる自分の魔力を大きくする。すると火の勢いが強くなった。

次は投げてみよう。手のひらにある炎の玉をボールを投げる感覚で投げるするとエルさんより一回り以上小さいものの飛んでいき壁に当たって消えた。


「基本はできてるみたいですね。投げる方は大丈夫そうなので後は慣れと炎の玉の大きさです。

こればかりは練習あるのみですのでまた練習してみてください。私は午後の仕事がありますので失礼します。後でまた来ますね」


「また教えてもらってありがとうございます」


とお礼をする。


「どういたしましてです」


エルさんは薄く笑うと階段を上っていった。

エルさん再度感謝しつつ魔法の練習をする。



練習を始めて数時間。まだエルさんには及ばないものの、炎の玉を大きくできるようになってきた。

そろそろウルフのような弱い魔物くらいであれば倒せるくらいにはなっただろうかと思いふと気付く。


「変身してる間は魔法は使えるのか…?」


もし変身した状態でも魔法を使えるなら戦闘中にかかわらず他の多くの場合でもできることが増えるだろう。


「よし、やってみるか」


誰も居ないことはわかっているが一応周囲を確認する([特技]のことは他の人にバレても問題は無いが滅茶苦茶恥ずかしいので一応)。

変身、狼娘!声には出さないが攻撃を受ける以外で変身するのは初めてなので頭の中だけでの中で念じてみる。

すると変化はすぐに始まった。昨日は傷口からだった魔力が全身を覆う感覚が今度は心臓の付近を中心に溢れ出し全身を覆っていき視界も白く覆われていく。全身を覆ったと思った瞬間に視界が回復し、全身の感覚も元に戻った。


「昨日より早い…もしかして初めて変身するときは少し時間が長い…とか?」


高くなった声にまたしてもドキッとしながら思ったことを口に出してみる。決して声を聞きたいからと言うわけでは無い。

一応体を確認すると、身体的特徴も来ているワンピースも同じだった。変身直後の服装はワンピースで固定なのでろうか。


「やっぱり…恥ずかしい…」


この姿はやはり慣れない。しかし昨日は考えることが多すぎて思いつかなかったがこの体は元の姿の体格とは根本から違うのに体を自由に動かせるのは[特技]の能力の内なのだろう。

気を取り直して魔法をこの姿で使えるかどうかを検証する。

まず指先に火をともす。……できた。

次に炎の玉にして壁に飛ばす。……できた!

どうやら変身後の体でも魔法は問題なく使えるようだ。

強いて言えば、この体の違和感で集中力が少し乱れるくらいだろう。

今は魔法が使えるとわかっただけでも一つの進歩だ。

時間が経たないと元の姿に戻れないのでこの姿のまま練習を再開する。

……もうこの姿で魔法を使ういい練習になるだろうと思うことにした。

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