表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/35

スライム変身!

翌朝いつものように目が覚める。この部屋も幾分か見慣れてきた。

身嗜みを整え酒場で今日はサンドイッチを食べ、地下練習場で素振りを行なってから受付へ向かう。

今日の受付はリラさんのようだ。


「あ!フウガさん!今日は依頼をお受けになります?」


「うん。スライムの討伐を受けようと思って」


「スライムの討伐ですね!わかりました、エルから聞いているとは思いますが、スライムには物理攻撃はほぼ効きません。よほど強力な物理攻撃なら話は別ですが、基本的には魔法で倒してください!」


「わかりました。じゃ、行ってきますね」


「えぇ、お気を付けて!」


見送られ受付から背を向け歩き出すがその前にリラさんに声をかけられた。


「あっ!そういえば少し前にヘルミネさんがフウガさんと同じくスライムを討伐しに行きましたよ。でもヘルミネさん魔法使えませんよね…一応聞いてみたんですが軽く笑って「この大剣の一撃なら大丈夫だろう。」って言って行っちゃったんですよ。本人はああ言っても苦戦している可能性もあるのでもし危ない場面に出くわしたら助けてあげてください。お願いします」


「了解しました。少し探してみますね。それじゃ今度こそ行ってきます」


そういってギルドを出て南の大門へ向かう。

今日も門番はカインのようだ。


「お!フウガか今日は依頼だな?気を付けてな」


挨拶も早々に王都の外に出る。スライムがいるのは前回と逆の東南の森だ。



小一時間歩くと森に着いたので奥に入る。

奥に入りしばらくすると横幅60cm、縦幅20cmくらいの青いが向こう側が透けて見える物体が見えた。

もぞもぞと蠢いているのでこれがスライムなのだろう。

気付かれないうちに昨日散々練習した炎のもうファイヤーボールでいいやを飛ばす。

狙いは完璧で、スライムに当たるとジュッという音を立ててスライムの大部分が消失した。

スライムはその後元に戻ることなく魔石を落として消滅した。

スライムが落とした魔石を拾う。ウルフのと比べると幾分か小さいそれをポーチに入れると今度は背後の草むらから物音がする。振り返るとさっきと同じようなスライムがいた。今度は見つかっているなので少し距離を取って魔法を撃とうとする。すると、突然スライムが縦に伸びた。嫌な予感がしたので咄嗟に後ろに飛び退く。飛び退いた数秒後、スライムが自分の体色と同じような色の液体を塊吐いた。液体が着弾をした地面を見てみると、その地面に生えていた草が黒く変色し、徐々に形を失っていくのがわかった。


「溶けてる…?酸か、当たらない方が良さそうだな」


更に後ろに下がり魔法を放つ。放ったファイアーボールはスライムに当たり大部分を消し去った。

今度は周りに他のスライムが居ないか確認し魔石を拾う。



こまめに休憩を取りながらスライムを狩ること数時間、そろそろポーチに入らなくなりそうなのでそろそろ帰ろう。

今日は道を憶えているし、所々の木に目印として切り傷うをつけておいたので帰りに自分の匂いを辿って帰ることにはならなそうだ。

記憶と目印に従って帰り道を行く。森の外まではそう遠くは無い。十分ほど歩いたところで少し遠くの方から何かを叩きつけるような鈍い音が聞こえた。


「ヘルミネかな?」


と一応確認のため音のする方へ近づく。音の正体はやはりヘルミネが大剣を振って攻撃をしている音だった。

ヘルミネは地面ごとその大剣の重量をもってスライムを叩き切っているのが見える。さすがに一撃というわけではないようで1回斬った後に更にまた斬ることで倒している。……いや2回でも十分凄まじい。

ヘルミネはまたスライムを見つけたようで地面に刺さった大剣を軽々と抜いて斬り付けに行く。

ふと違和感を感じてヘルミネの近くの木の上を見るとそこにはもう一体スライムが居た。ヘルミネは気付いていないようだ。

スライムが木の上にも居ることを伝えようと声をかけようとしてスライムが縦長になっていることに気付いた。


「ッ…!」


あれは酸を吐く前の動作だ。そう思ったときにはもう足が走り出していた。


「ヘルミネ危ない!」


急に声をかけられたのに驚いたヘルミネがはっとこちらを向く。何が危ないんだという顔をしているが説明している時間はない。頭上のスライムを見ると酸をもう吐き出し始めていた。

咄嗟にファイアーボールをスライムに当てたが吐かれた酸は止められない。

二人とも助かることはできそうにない。なら自分にかかった方がまだましだ。

困惑するヘルミネに向かって渾身の体当たりを敢行する。ヘルミネを突き飛ばすことに成功した瞬間、頭と背中と腕に液体がかかるのがわかった。幸い酸はそれほど強くはなかったようでそれほど溶けていないようだがさすがにじくじくと痛い。ヘルミネが焦ったように口を開く。


「お前、なんでっ」


「いや、さすがに、危ないと、思った、からな」


「じっとしてろ今ポーションをかける!」


ヘルミネが自分のポーチを探る。その時酸をかけられた場所に温かい感触がした。

これは…魔力か、いやまてまさかスライムの攻撃にも[変身]は反応するのか!?

そう考えているうちに酸をかけられ傷を負った場所を中心に体全体を魔力が全身を覆った。

ウルフの時と同じく周りが全く見えないので待つしかない。側からは光を見たヘルミネが驚きの声を上げ、


「ッ!まさか君の[特技]が反応しているのか!」


と聞こえる。というか変身しているところみられちゃうのかなんだかとてもはずかしいなぁ…

んぇ?なんかあたまにふわふわする…

10秒くらいして目のまえが見えるようになった。今度はどこがかわったんだろ?


「お前本当にフウガか!?」


「んー?そうだよー?なんでー?」


「いや、その、狼の時と違って人型って事以外スライムじゃないか!」


自分のからだを見る。おぉ~なんかからだが青いしすけてる~背の高さは元と同じくらいかなー

オオカミの時といっしょでワンピースだ!でも今回の色は水色みたい。かみもからだと同じ色なんだ~今度は背中までのびてる~


「すごいな!まさか間近で見られるとは!いやそれより傷は大丈夫なのか?」


「うんーはじめて変身するときに受けちゃった傷は変身したときにぜんぶなおるんだって」


「そうか、傷はないのか、良かった…さっきは助けてくれてありがとうな」


「だいじょうぶー気にしないで~!」


「というか口調まで変わっているがそれは大丈夫なのか?」


「ん~?なんともないよー?ちょっとあたまの中がふわふわしてるだけ~」


「ふわふわって……大丈夫って言えるのか?それ…」


「なんともないからだいじょぶ~」


「そ、そうか。しかしその姿じゃもう狩りは続けられないな。帰るか。フウガもそれでいいか?」


「うん。ヘルミネを見つける前はかえるとちゅうだったから~」


「よし、帰ろうか。…まった、その姿じゃ王都に入れなくないか?」


「そうかも~」


そういえばこのすがたは何ができるんだろう?んーと…[とくぎ]は酸…?あとは、あ!小さくなれるみたいだ。


「ちょっとまっててーんんん~!」


からだを小さくするイメージをする。するとどんどん見えるけしきが大きくなっていった。


「なっ!?小さくなれるのか…でもこれなら ポケットに入りそうだな」


ヘルミネが小さくなったボクを拾い上げて胸ポケットに入れる。


「それじゃあ今度こそ帰ろう」


「かえろ~!」


歩くのはヘルミネだけど、王とに向かって歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ