ここはどこだ?
初投稿!
不意に吹いた風で目が覚めた。しばらくすると頭が冴えてきて木漏れ日や風の音が知覚できてくる。
どうやら木の下に寝ていたようだ。
………木?
家の近くには公園はあっても堂々と寝ていられるほど広い場所は無いはずだ。
辺りを見回すと今自分が背を預けている木の存在の他にも木がまばらに有り、目の前には舗装されていない土が丸だしの道らしきものが見える。
待てよ?
「舗装されていない?」
現代日本でそれほど都会では無いながら住宅街に住んでいて今までこんな場所に来たことがあっただろうか?
「そもそも大学からの帰りの途中だったはず」
仕方なく大学からの帰りの記憶を探る。
たしか4時限目が終わり、明日は5時限目まであるなぁだるいなぁなどと思いながらいつものように
キャンパスから出て電車の最寄り駅から家の最寄り駅まで乗ったのはいつも通りだ。
その後は駅前の少し大きな道を渡った先にある次の信号をーーー
「あっ」
思い出した…思い出して、しまった。
渡ろうとしたとき(そのとき横断歩道を渡ろうとしていた)前方から走ってきた車に、左から走ってきた信号無視の車が衝突したのが見え、その瞬間に二台ともに自分の方に向かって……
突然のことで動きもできず勢いそのままこっちに突っ込んできた車は僕を巻き込んで横断歩道の後ろにあった建物に激突した。吹き飛ばされ意識を失う直前、最後に感じたのは肩から地面に激突した痛みと
ゴキッっという自分の体から鳴ったとは思えない音を聞き、これは…死んだな…と妙にはっきりとした
思考だけだった。
「そうか…事故に巻き込まれて轢かれたのか…」
全て思い出した。だが交通事故に巻き込まれたなら自分はなぜこんな場所にいるのだろうか?
「肩に傷もないし、どこも痛くないから怪我もみあたらないし」
今着ている服は普段出かけるときに着ているものであり、交通事故に巻き込まれる前に着ていた服そのままだ
だがあれだけの勢いで地面に接触したのに破れているわけでも汚れているわけでも無い。
考えるも答えは出ない。だが見たところまだ太陽は真上だが夜になるまでにはせめて人にあわねばなるまい。
目の前の道を辿って行けば町か何かにたどり着けるだろうか?
せめて意思疎通ができる人と出会えることを願い道を歩き始めた。
誤字脱字などがあれば知らせていただけると助かります。