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人生初の乙女ゲームがリアルなやつってどういう事なの?

 どんなに悩んでも、朝は来る。

 どんなに嫌でも、時間は過ぎていく。

  それでも、地球はまわっている。

 あれ、ここは、地球じゃないんだっけ。


 届いたばかりの制服と靴、靴下を眺めながらため息をつく。

事細かに採寸されて作られた、オーダーメイドの超一級品だ。

お金があるって、凄い事なんだなぁ。

 2年間もこんな高級品に囲まれて、贅沢に暮らして、私はどうなっちゃうんだろ。 

 勘違い女にならないようにしないとダメだと自分を戒める。

その事もノートに書いておこう。

 お金に関する言葉を思いつく限り、書いてみる。

 贅沢は敵だ

 金の光は七光り

 金は天下の回りもの

 猫に小判


なんか、関係ないのもあるけどいいや。

もう、思いつかないな。これぐらいでいいか。

あっ、良いことわざを思い出した。

 金持ち喧嘩せず

そうだと良いなという願いを込めて、これも書いておこう。


 1週間後には、学校が始まる。

学園に入る前の貴重な春休みだけど、友達と遊ぶ気にもなれずに家に引きこもってピアノを弾きまくる日々。 

 能天気な家族達は、特別賞を貰ってからピアノの練習、張り切ってるわね。音に深みが出てきたわ。 

 遙香は天才だぁ。だけど、頑張りすぎには気をつけて。

 お姉ちゃん、制服着させてー。いいなぁ、里奈も星蘭学園に入学したい。イケメン御曹司を紹介してよー。


 と、私の不安をよそに浮かれまくっている。

家族全員で暗くなっても仕方ないから、良いんだけどね。


 そんな悶々とした日々を送る私に、またもや青天の霹靂の事件が起こる。

 なんと、星蘭学園の先輩である公爵家のお嬢様からお呼び出しを受けたのだ。


 こ、公爵家?日本の華族制度は、戦後に廃止されたはずでは?

 なーんて、常識は乙女ゲーム世界ではナンセンスですよね。

 うん。分かりたくないけど、分かります。

今更そんな事を気にしても始まらないもんね。

 現実的な問題としては、服装と手土産。服装は、星蘭の制服で良いよね。むしろ、それしかないし。

 手土産は、うちのママの妹が、芸能人差し入れ品ランキングで常に上位を獲得している、大人気洋菓子店でお仕事をしているというミラクルな出来事があるからその店の1番人気商品の、クッキー詰め合わせをお願いしてある。

生菓子だと困るだろうし、日持ちする焼き菓子が良いと思うんだ。


 これで、何とか失礼にはならないはず…だと信じたい。

あとは、お嬢様の目的だよね。まだ学園に通ってもいないのに何の用事なんだろ。

…気になるのは、そのお名前。

西園寺葵サイオンジ アオイ様とおっしゃるらしい。

そう、ピアニストの百合子様と同じ苗字なんだよね。


 偶然なのか、はたまた血縁者か。


 貴女ごときが、うちの学園に来るなんて!という叱責しか思いつかないんだけど。

 まさかの、貴女には才能があるわ。一緒にピアノコンクールの最高峰グランド国際コンクールを目指しましょう!とか。


 あとは、なんだろう。全く見当が付かないから考えるのはやめておこう。

 この世界に住むようになってからの合言葉、ケセラセラ、なるようになる、と唱えて明日に備えて眠りに落ちた。

 

 睡眠不足は、美容の大敵だもんね。


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