変態王子の称号、変態
少し長めです。
キャロットと庭園に行った日の夜。
1人になった後、俺は習慣である魔法を使おうと思った。
そういえば紫衣。魔法スキルのレベルが上がったけどいい加減、空間魔法の転移って使えないの?
(ん?あー。転移ですか。転移魔法ならとっくの昔から使えてましたよ。ただ、MPの問題で使わせなかっただけです)
えっ!?使えた?早く行ってよ〜。
MPの問題ってことは、レベルを上げるまでは使えないってこと?
(いいえ。主人さまはしばらくの間、碌に体も動かせなかったではありませんか。そんな主人さまに転移魔法が使えると言うと、何も考えずにつかって、大変なことになることぐらい、容易に想像がつきました。ですので言わなかったのです。でも、今なら大丈夫でしょう。使っていいですよ)
あー、なるほどそれもそうだね。俺を心配してくれたんだね。ありがとうね。いつも。
(なに、気色の悪いこと言ってるんですか。口説いてるんですか?お断りです)
そんなつもりないよー。ただそう思っただけだよー。
てか、照れてる?少し声が高くなったような。
(殺しますよ?)
すみません。調子乗りました。
声がガチトーンなんですけど……。
早速、転移魔法使おうよ。どうやるの?
(主人さまの今のMPでは長距離は無理です。短距離転移だけにしてください。やり方は、自分が見える空間に自分が行く感じです)
へー、ほかの魔法と大差ないね。やっぱりイメージ力か。
よし、やってみよう。
俺は部屋の端に行き、ここからこの部屋のもう一方の端にいくイメージをしながら。
「転移」
すると、さっきまでいた場所から自分が思い描いた場所に行った。
おぉ、すごいな。できた。できた。
なんだ、案外簡単だな。
さて、どれくらいMPを使ったかな……。
・レベル:1
・名前:フラムスティード・ポラリオン 2歳
・種族:人間
・地位:ポラリオン王国第一王子
・称号:変態、王子
・HP:100/100
・MP:95/100
・SP:10
・AP:5
・DP:5
・LP:1
・スキル
[鑑定LVMAX]、[紫衣]、[全属性魔法LV5]
・スキルポイント:0
なんだ、たったの5だけか。
ん?ってことはこれを何回も繰り返し外に行くことができるんじゃ……?
(ここ、2階ですよ?)
空中で何回も使ったらいいやん。
(今日使い始めた魔法を随分と危険な使い方をなさるのですね)
まあ、大丈夫でしょ。
何かあったら頼むよ。
そう言った後、俺は窓のそばに行き、見えるギリギリの範囲を目標に転移を使った。
飛んだ瞬間、夜風が心地よく感じる。
そういえばこの世界に来て初めて外に出るなー。と思いつつ、再び転移を使った。
――――――――――――――――――――――――
俺が住む城はポラリオン王国の首都にある。首都と名をルームライトと言う。
首都と言うだけあって、外壁は高い。
外壁の外で俺は人目がない場所に転移した。
月明かりがあってよかったわー。なかったら全く見えないところだった。
紫衣さーん。この辺りに魔物が出て来るところってありますかー?
(そうですね……。ドプの森はどうでしょう。ここから転移を10回使ったら行けますよ)
10回って……。帰りはどうするの?
(大丈夫ですよ。私を信じてください)
まあ、紫衣が言うなら大丈夫かー。
方向は?
(ええ、主人さまは私の言う通りにすればいいんですよ。方向は南東です)
おっけー。分かった。行ってみよう。
―――――――――――――――――――――――
はい。と言うわけでやって参りました。
ドプの森の入り口。
ねぇ、ドプの森のドプってなに?
(それは、ある妖精族の名前です。はるか昔にこの森を作ったとされている妖精の名前です)
妖精族っているんだー。どこにいるの?
(自然と共にいます。ですが滅多に人の前に現れることはありません。臆病ですので)
へー。そーなんだ。見てみたいなー。どんな容姿をしてるのだろうなー。
俺は妖精族といったら、ロリ。と頭に浮かべ、なんとしてでも見たいと思った。
(そんなことより、早く魔物を倒してください。近くにいますよ)
え?どこ、どこ?
あっ、本当だ。気がつかなかった。
そこには、女性をさらい孕ませるという、女性たちから恐れ、嫌われている魔物、ゴブリンがいた。
ファンタジーのテンプレ、ゴブリンだー。
早速鑑定だー。
・レベル:8
・名前:なし
・種族:ノーマルゴブリン オス
・称号:嫌われ者
・HP:124
・MP:52
・SP:112
・AP:63
・DP:52
・LP:1
・スキル
[性欲LV1]、[剣術LV1]
嫌われ者、性欲って、なんか色々と可哀想な種族だな。
でも、俺よりステータス高いな。少し腹がたつな。
そういえば魔物の強さの基準ってあるの?
(もちろん、ありますよ。魔物は弱い順にF、E、D、C、B、A、Sとなっております。ちなみにゴブリンはFランクです)
やっぱり最弱なんだな。よし、倒すか。
といっても魔法による奇襲で倒すしかないんだけどね。
俺の体では面と向かって戦えるわけがなかった。
俺は小さく、ファイアーボールと唱える。おれはバスケットボールぐらいの大きさをイメージした。
一般に魔法はどんなことが起こるかをイメージして、それに伴って魔力が消費される。
まあ、結構簡単で、魔法使いの腕は魔力量に左右されることが多い。
魔力量は一般人のレベル1で50未満ぐらい。
レベル1で50以上あれば魔法使いになれるとされている。
魔法使いでは初心者は50~200、中級者は200~500、上級者は500~800、伝説級は800~1000、1000以上で人外とされている。
俺はいっけー!と心の中でいいつつ、バスケットボールぐらいの火の玉をゴブリンの頭にめがけて投げはなった。
ゴブリンは突然の攻撃に声すら上げることもなく、頭が丸焼きにされた。
よし!勝ったぞー!
ゴブリンにだけど。
俺は異世界に来てようやく、それぽっいことができてテンションが上がった。
ふと、残りMPはいくらだろうと思いステータスを見た。
・レベル:4
・名前:フラムスティード・ポラリオン 2歳
・種族:人間 男
・地位:ポラリオン王国第一王子
・称号:変態、王子
・HP:100/400
・MP:40/250
・SP:310
・AP:305
・DP:305
・LP:16
・スキル
[鑑定LVMAX]、[紫衣]、[全属性魔法LV5]
・スキルポイント:3
へ?どういうこと?
ゴブリン一体でレベルが3あがり。ステータスも軒並み上がってるではないか。
紫衣さーん!これも変態の効果ですかー!?
(はい。そうですよ。といいますか、変態の効果を自分で見れますよ)
えっ?どうやって?
あ!鑑定か!レベルMAXではないか!
なんで気がつかなかったんだよ!
早速鑑定だ!
称号、変態、鑑定。
[変態:唯一神が認めたものに送られる。効果:レベル、スキルレベルの上昇が20001227倍される。ステータスの上昇が超特大アップ。スキルポイントシステムが使用できる。絶倫になる]
なっ、なっ、なっ、なんだと!!素晴らしい、素晴らしいすぎるぞ!最高ではないか。
絶倫になれるとは!
(はぁー。やはりそこなんですね。主人さまは。もっと突っ込むところが沢山あるでしょう)
突っ込む?ち◯こをグローリーホールにか?
(ち・が・い・ま・す・よ!唯一神が認めたとか20001227倍とかスキルポイントシステムとかですよ!)
あぁ、そういうことね。わかった。分かりましたよ。
唯一神に認められたんだね。それほどでもねーですよ、唯一神。
20001227倍って、俺の生年月日だね。2000年12月27日。
スキルポイントって瑠璃たんからの愛じゃなかったんだね。
はい。これでいい?
(なに、少し不機嫌になっているですか。はい。それでいいですよ。もう。
というか、そんなに重要な事ですか?絶倫って)
そんなの当たり前だろ!男なら一度はそうなりたいと思ったことがある、絶倫。
お前にあの、賢者タイムの悲しが分かるのか!?
オ◯ニーが終わった後の、俺、何やってんだろ。という感情。
セ◯クスが終わった時の、俺はなんであんなに必死になって腰を振っていたんだろ。という感情。
これらの感情をお前は理解できるのか!?
(なに、お前童貞のくせに一丁前にセッ◯スの時とか言ってんだ?お前は今も昔も未使用の粗末なものをぶら下げているだろうが!)
久しぶりの興奮する罵声、ありがとうございます!
特に童貞のくせにと未使用の粗末なものっていうところがやばい。
でも、できたら粗末の後に、その名称を言っていただければなお、興奮したんですが……。
(主人が僕に口答えするな!主人は黙って僕の言う事を聞けばいいんだよ!わかったか!?)
はひぃぃぃ!!分かりました!
(おい、豚が人間様の言葉を使うんじゃねーよ)
ぶ、ぶひぃ。ぶひぃぃぃ。
(なに、主人さまは豚のような声を出しておられるのですか?ようやく、ご自分の種族がお分かりなったのですか?)
いや、いま俺が言ったじゃん!人間様の言葉を使うんじゃねーよ。って
(私が?言ってませんそんなこと。主人さまは妄想と現実の区別もつかないんですか?変態もそこまでいくと、感心しますよ)
えっっー!さっきまでの俺を罵倒してくださったご主人様は妄想だというのか、そんな……。
(馬鹿なことは言ってないで、話を進めますよ。さて、この後主人さまはどうするつもりですか?)
時間が許す限りレベル上げていくつもり。
あっ!そういえば。
どうにかなるって言ってた、帰りのMPどうするの?
(あぁ、それですか。ご心配なく。スキルを取ればいいんですよ。MP超急速自動回復をね。)
MPを超急速に自動で回復するだと!随分チート臭がするなー。
では早速、取るぞ。
スキルポイントを使い、MP超急速自動回復を取得!
[スキルポイントを1消費して、MP超急速自動回復を取得しますか?現在のスキルポイント:3]
YES!
[スキルポイント1消費して、MP超急速自動回復を取得しました。現在のスキルポイント:2]
(それで1秒で1回復するようになりました)
てことは、210秒で全回復するってことか。つえーな。
まじでチートだったな。
(ちなみにレベルが最大になれば1秒で100回復しますよ)
まじかよ。そんなのん、MP無限じゃん。
てか、どうやったらこういうパッシブスキルのレベルって上がるの?
(何もしなくても上がりますよ。まあ、一般人はパッシブスキルなんて持っていませんし、一部の天才が持っていても、一生で1上がるぐらいですけどね。しかし主人さまなら、すぐに上がりますよ。変態なおかげで)
あれ?そこは”な”ではなく”の”なのでは?
まあいい、間違ってないし。
さて、スキルポイントで他のスキルも取ろう。
(何を取るんですか?)
気配隠蔽、気配感知。
(なるほど。気配を消して魔法で奇襲を仕掛けるんですね。そして、感知で身の安全を守ると)
そうそう。
よし、紫衣からの許可も出たところで早速取ろう。
[スキルポイント1消費して、気配隠蔽を取得しました。現在のスキルポイント:1]
[スキルポイント1消費して、気配感知を取得しました。現在のスキルポイント:0]
さて、森の中に入るか。
―――――――――――――――――――――
なんかゴブリンの数多くない?
MPの心配がなくなったため、俺は月の明かりを頼りに飛行魔法で森の上を進んでいた。
どこからか、ゴブリンの数がどんどん増えいっている。
今でも、俺の下にはゴブリンが5匹いる。
(もしかしから、近くにゴブリンの巣があるかもしれませんね)
あー。なるほどな。やっぱりそういうのあるんだ。
やっぱ潰すか。
そう決心すると、手始めに下にいるゴブリン達を魔法で屠る。
その後、気配感知を最大にした。
すると、南南西からゴブリンの気配が数十する場所があった。
お?これか。
俺は、いい経験値を見つけた。と思いそちらに飛んでいった。
いました、いました。嫌われ者がうじゃうじゃといやがる。
お?あれは?
ボロ、汚ったない家がいくつか並ぶ中にノーマルゴブリンが十数匹いた。その中に今まで見たことのないゴブリンが何匹か居た。
俺はすぐに鑑定した。
・レベル:19
・名前:なし
・種族:ゴブリンナイト オス
・称号:嫌われ者、騎士(笑)
・HP:213
・MP:54
・SP:264
・AP:132
・DP:152
・LP:1
・スキル
[性欲LV2]、[剣術LV3]、[物理耐性LV1]
・レベル:17
・名前:なし
・種族:ゴブリンメイジ オス
・称号:嫌われ者
・HP:121
・MP:201
・SP:98
・AP:121
・DP:94
・LP:1
・スキル
[性欲LV1]、[火属性魔法LV3]、[水属性魔法LV3]、[火属性耐性LV1]、[水属性耐性LV1]
・レベル:31
・名前:なし
・種族:ゴブリンキング オス
・称号:嫌われ者、女の敵、ゴブリンの王
・HP:541
・MP:201
・SP:671
・AP:410
・DP:463
・LP:3
・スキル
[性欲LV3]、[剣術LV3]、[斧術LV1]、[格闘術LV2]、[精液増加LV1]、[物理耐性LV2]、[火属性耐性LV1]、[聴覚強化LV1]
ちょっとー!称号考えてる人、誰ー!?
ゴブリンナイトの称号の騎士になぜか(笑)が入ってるよー!
間違ってるよ!修正してあげて!
(いいえ、主人さま。間違っておりませんよ。仕様です)
冷静につっこまないでよ。恥ずいじゃん。
てか、結構強くない?
特に精液増加を持っている、女の敵のゴブリンキングさん。
(そうですね。ゴブリンナイト、ゴブリンメイジはEランクで、ゴブリンキングはDランクですからね。そりゃ、そのぐらいの強さは持っていますよ。それでどうするんですか?)
うーん。どうしよう、思った以上に強いな。まあ一旦自分のステータスを見てみるか。
・レベル:11
・名前:フラムスティード・ポラリオン 2歳
・種族:人間 男
・地位:ポラリオン王国第一王子
・称号:変態、王子
・HP:100/1100
・MP:600/600
・SP:1010
・AP:1005
・DP:1005
・LP:51
・スキル
[鑑定LVMAX]、[紫衣]、[全属性魔法LV6]、[MP超急速自動回復LV1]、[気配感知LV2]、[気配隠蔽LV2]
・スキルポイント:7
思った以上に強くなってる。普通に勝てるんじゃね?
HPが低いままだけど、空中にいるから攻撃は魔法しか当たらないし……。
まあ一応、何かスキル取ろうかな。
耐性系スキル取ろう。
[スキルポイント1消費して、全属性耐性を取得しました。現在のスキルポイント:6]
[スキルポイント1消費して、全状態異常耐性を取得しました。現在のスキルポイント:5]
[スキルポイント1消費して、 物理耐性を取得しました。現在のスキルポイント:4]
これ以外にも魔法系強化で、
[スキルポイント1消費して、魔力操作を取得しました。現在のスキルポイント:3]
[スキルポイント1消費して、魔力感知を取得しました。現在のスキルポイント:2]
[スキルポイント1消費して、詠唱不必要を取得しました。現在のスキルポイント:1]
よしこれでいいだろう。さぁ、やろう。
(やべぇ、ちょっと強くなるのが早すぎる)
ん?何か言った?
(いいえ。何も)
そう?
まあいいや。集中しよう。
まず、準備のためもう少し上に行こう。
よし、次にファイヤーボールをノーマルゴブリンの数だけ準備。
いやー、魔力操作をとってよかったね。なかったらできない芸当だわ。
これで一気に数を減らす。
いけーーーー!!!!!
俺の攻撃はノーマルゴブリンに全てクリーンヒットし、上空からの急な攻撃に抵抗する間もなくノーマルゴブリン達が死んでいく。
ゴブリンナイト、ゴブリンメイジ、ゴブリンキングはどこからの攻撃が分からず、オロオロしていた。
頭わりーな。統率も取れてねーし。
なんか、一方的すぎて申し訳ねーな。まあいいや。次の攻撃だ。
火属性耐性がある、ゴブリンキングとゴブリンメイジには雷をくらわせてやる。
雷属性魔法の中級魔法、ライトニング。
雷がゴブリンキング、ゴブリンメイジの体を串刺しにするように貫いた。死んだのは明白だった。
その後、為す術もないゴブリンナイトに俺の火属性魔法、中級のファイヤーアローをくらわせ、その命を散らした。
よえーな。なんか、蹂躙しているみたいで申し訳ないな。
安らかに眠れ、嫌われ者達よ。
(そりゃ、上空からなんてチートですよ)
え?そりゃ、確かに強いのは認めるが、チートはないだろう。
(いやいや。そもそも、飛行魔法が使える人がごく稀ですし、飛行し続けるなんて普通は無理ですよ。MPの関係上。もしMPを気にしなくとも、飛行魔法をしながら、ほかの魔法を使うなんていう芸当、できませんよ。ただでさえ飛行魔法は難しいのに)
えっ!そんなの?
そんな難しいか?これ。
(主人さまは魔法を簡単に扱っていますけど、この世界の人間には到底、不可能なことなんですよ)
まじかよ。よかったー。魔法を人前で使う前で。
さて、さっそく強くなったはずなステータスでも見てみるか。
(ゴブリンの巣は見ないんですか?)
あんな汚いところ行きたくない。
(はぁー。やっぱり気づいてないか。魔力感知してみてください)
え?うん。分かった。
なんだこれ?生物からの魔力反応ではないな。
(おそらく、魔石ですよ。しかし、おかしいですね。こんなところにあるのは。本来、魔石はダンジョンの魔物からしか出てこないのでこんなところにあるはずがないのですが……。この辺りには既存のダンジョンはないはずです。もしかしから、この辺りに新しいダンジョンがあるかもしれませんね)
おっ!それは面白そうだな。
今日は時間がないけど、また今度探したいな。
はぁ、気が進まないけど魔石でも取りに行くか……。
俺は下にゆっくりと降り、巣の中に入る。
しかし、足はつけない。飛行魔法を使ったままだ。
(豚野郎のくせに)
汚れたら、キャロットに怪しまれるだろ?
(後でクリーンを使えばいいんですよ)
あ、あった、あった。
(忘れてたからって、無視しないでください。この無能)
忘れてなどいない。
魔石を見つけたからなにも言えなかっただけだもん。
巣の中で一番立派、いや。一番マシな家の中にあった。
魔石は俺の拳ぐらいで、色は黒く濁っていた。
(魔石は純度が高ければ高いほど、大きく鮮やかな色をしています)
ふーん。まあ、大体そうだよね
てか、どこになおそう。
(随分と棘のある言い方ですね。やり返しですか?てか、また忘れたのですか?アイテムボックスがあるでしょ)
あっ、ほんとだ。忘れてた。
俺は空間魔法、初級のアイテムボックスを使い、そこに魔石を投げ込んだ。
たしか、アイテムボックスって魔力量に左右されるんだよね?
(ええ、そうですよ。馬鹿野郎)
違う。違うぞ!
そこは、ばーかやろーって言わないと。
(こうですか?ばーかやろー)
ちょ!いま、声が一瞬、茅原さんだったよね!!
(はて?なんのことですか?それより早く帰らないといけないのでは?)
あっ、ほんとだ。少し遅くなっちゃたな。
そういえば、いまなら長距離転移を使えるんちゃうの?
(そうですね。使えますよ。しかし、ここから城まででしたら、中距離転移で行けますよ)
そっか、行けるのか。
ではさっそく。
俺は慣れ親しんだ部屋を頭にイメージした。
――――――――――――――――――――――——
戻ってまいりました。ただいま。
あっ、クリーン使おう。
(おかえりなさい)
ありがとう。でも、一緒に行って。一緒に帰ってきたけどね。
(返事がないと寂しいでしょ?)
まあね。
さて、ステータスでも、確認しよう。
結構、上がったはずだよ!
鑑定!!
・レベル:26
・名前:フラムスティード・ポラリオン 2歳
・種族:人間 男
・地位:ポラリオン王国第一王子
・称号:変態、王子
・HP:100/2600
・MP:1102/1350
・SP:2510
・AP:2505
・DP:2505
・LP:125
・スキル
[鑑定LVMAX]、[紫衣]、[全属性魔法LV6]、[MP超急速自動回復LV2]、[気配感知LV2]、[気配隠蔽LV2]、[全属性耐性LV1]、[全状態異常耐性LV1]、[物理耐性LV1]、[魔力操作LV2]、[魔力感知LV1]、[詠唱不必要]
・スキルポイント:16
お!レベルが15も上がってる!
いやー。強くなったもんだね。
てか、今自分の強さが分からないんだけどな。MPは人外レベルに達したけど、それ以外は……。まあいいか。いずれか紫衣が教えてくれるだろう。
さて、何かスキルを取ろう。
マスター、オススメは?
(誰がマスターですか。オススメはステータス隠蔽と完全看破ですね)
ステータス隠蔽はわかるけど完全看破って?
(ステータス隠蔽を見破る術です。ほかにも嘘なども見破れます)
おー!嘘を見破るのはいいなー!
ほかにはー?
(今のところ、ほかにはないです。主人さまが欲しいと思うスキルを取ってください)
おーけー。ありがとうね。
さて、何が欲しいかな……。
やっぱり、精液増加かな。
(最初に出てくるのがそれですか。相変わらずですね。この変態は。でも、今の主人さまの体では精液は作られていませんよね)
あ!確かにー。うわー、じゃあとっても意味ないか。
じゃあ、ほかに何かな……。
付与術、錬金術、身体強化、創造、思考加速、危険察知、魅了、威圧、痛覚軽減。
このくらいかな?
(全部ありますが、身体強化、創造、思考加速、魅了、威圧、痛覚軽減には上位版がありますよ。それぞれ、身体超強化、オールクリエイト、思考超加速、全種族魅了、恐喝、痛覚超軽減がありますよ)
……。
なんでもありだな。スキルポイントシステム。
これ、スキルポイント絶対余るだろ……。
(スキルポイントには他にも使い道がありますよ)
え!?なにそれ?聞いてないよ!
(だって、いま考えたもん)
は?今考えた?
(なんでもありません。スキルポイントでスキルレベルを上げることができますよ)
スキルポイントでそんなことができるんだー。知らなかったなー。
(これからも増えるかもしれませんよ)
え?増えるの?
(えーっと、あれです。そう、主人さまのレベルが上がれば出来ることが増えます。多分ね)
あー。なるほどね。
それじゃ、今回はレベルが20以上になったからかな。
(そうです。そうです。よく分かりましたね。思い通りになりやすくて助かります。さて、スキルを取得してしまいますね)
なんか、話を変えられた気がするんだけど……。
まあいいか。うん、いいよ。数が多くてめんどくさいし。
(取得しましたよー。ステータス隠蔽、完全看破、付与術、錬金術、身体超強化、オールクリエイト、思考超加速、全種族魅了、恐喝、痛覚超軽減これらを取得しました)
ありがとう。
(いえいえ、こちらこそです。楽ができました)
楽?どういうこと?
やばい、スキルポイントが余る。
レベル1上がるたびに、1増えるのは、流石にまずかったかなー。
このままでは、とんでもなく強くなりそうです。
次、ダンジョンに行きます。おそらくこれで主人公の強さが化け物級になります。