変態王子、二歳になりました
すみません。遅くなりました。
説明しながら、ストーリーを進めるのって難しいです。
俺の意識が芽生えてから、1年半がたった。俺は2歳になっていた。
この1年半は魔法の練習とスキルレベル上げ、体を動かす練習、言葉の発音練習などをやっていた。
「王太子様〜。入りますね〜」
どこか気の抜けた声を響かせ、ドアを開ける。そこには俺がこの世界で初めてあった人物がいた。無駄に胸がでかい牛の女だ。
(主人さま、その言い方きもいです。女の敵です)
だって、そうだろ!?間違ってはいない。俺は悪くない。
この牛は俺の乳母だった。名をキャロット・オブ・アスタリア。アスタリア家の三女だ。年は14と若い。というか元の世界ならお巡りさんここです!と言われるだろう。しかし、この牛人族なら合法だ!この種族は遅くても10歳で子供が産める体になる。そして、子供を産める体になると同時に母乳が出てくる。それは貴族の間で嗜好品となって、非常に美味なのだ。
この種族は成長のスピードは人間と違い、早い。一般的に牛人族は子供を産める体になるときの見た目年齢は、人間の24歳ぐらいだ。そのため、はたから見ても問題にはならないのだ。
「王太子様、お外にお散歩にいきませんか〜?」
「うん!いくー!」
俺は子供演技をして、そう答えた。
今の俺の一般的な認識は神童ぐらいだろう。
1歳で読み書き、計算ができる。とかではない。一般的な子供と比べるとズバ抜けているが、常識の範囲内にいると思う。我が国、ポラリオン王国は豊かな国でこの辺りの覇権を握っていた。なんといっても我が父が上手く国を導いている。そのため、俺は知識チートを使う必要はない。だからしばらくはのんびり過ごそうと思った。
「王太子様はどこに行きたいですか〜?」
「うーんとね…。おかー様のところ!」
キャロットは少し困った顔をした後、
「王妃様は今お仕事中ですので、庭園の方に行きましょう」
キャロットの困り顔可愛い。
この子って困らせたくなる才能を持ってるなー。
(悪臭…失礼。悪趣味ですよ。主人さま)
おい、お前鼻ないだろー。どーやって匂いを嗅ぐんだよ。
「うん。いいよ。キャロット、抱っこー!」
俺がキャロットにむかって腕を上げる。
「王太子様は甘えん坊ですね〜」
少し呆れた顔をしながらも、俺を抱っこしてくれた。
「重たくなりましたね〜。王太子様」
ぐへ、14歳のおっぱい!大きいのが気に入らない。でもこの匂い……。
くんか、くんか。
うん。いい匂いがする。甘い母乳の匂い。
俺がキャロットのおっぱいに頭を突っ込んで変態行為まがいのことをする。
(まがいじゃねーよ)
そんな俺の行動に対して、キャロットは14歳とは思えない、艶のある声で、
「王太子様。くすぐったいですよ〜」
(さっきから14歳、14歳言い過ぎです。本当に主人さまはどうしようもないロリコンですね。死ねば?)
だって、14歳だと思うと、背徳感が……
(キモい)
――――――――――――――――――――――
庭園に着き、キャロットは俺を下ろした。
キャロットは俺の手を引き、花や植物を指で指しながら、名前や特徴を言っていく。
俺は心の中で何回めだよ。と思いながらも、仕方がないから付き合ってあげる。
暇潰しで、俺のステータスをチェックしようかなと思い、心の中で鑑定と呟いた
・レベル:1
・名前:フラムスティード・ポラリオン 2歳
・種族:人間 男
・地位:ポラリオン王国第一王子
・称号:変態、王子
・HP:100/100
・MP:100/100
・SP:10
・AP:5
・DP:5
・LP:1
・スキル
[鑑定LVMAX]、[紫衣]、[全属性魔法LV5]
・スキルポイント:0
鑑定はずっと使っているから、結構前にカンストした。ちなみにカンストLV5でするみたいだ。そういえば、俺は会う人会う人に鑑定を使っているが、俺以外にスキルをカンストした人を見たことない。
あれ?全属性魔法がLV5になったのに、LVMAXって表示されない?どういうことですか?紫衣さん?
(その説明はまた後でします。待ってください)
えー。また、それ?
ちゃんと役割果たしてよー!
俺がいじけて、キャロットに癒してもらおうと思い、必死に花の説明をするキャロットを見た。
誰も聞いていないのに必死に説明する姿、可愛いなー。
ふと、今のキャロットのステータスが気になり鑑定してみることにした。
・レベル:2
・名前:キャロット・オブ・アスタリア 14歳
・種族:牛人族 女
・地位:アスタリア伯爵家、三女
・称号:伯爵家の娘、神童、天才、王太子の乳母、
・HP:194/194
・MP:10/10
・SP:200
・AP:3
・DP:3
・LP:20
・スキル
[奉仕LV1]、[家事LV1]、[算術LV2]、[歴史学LV2]、[薬学LV1]、[植物学LV2]、[教育術LV1]、[母乳LV2]
おぉ!母乳レベルが1上がってるではないか!いつのまに!?飲みたいな、ちょー飲みたい。
はぁ、はぁ。
今すぐキャロットを押し倒し、無理やり服を脱がし、おっぱいにむしゃぶりつきたいなー!
(おい!変態!早く読者さんに説明しろ!)
えっ?読者さん?
(いいえ、なんでもないです。それよりも主人さま。主人さまがずっと疑問に思っていたことを今答えてあげますよ)
えっ?ほんと?いいの?
紫衣の役割は説明だのに、ずっと教えてくれなかったもんねー。
(えぇ、時期ではありませんでしたので)
時期?
(こちらの話です。お気になさらず。それでは何をお聞きになります?)
うーんとね、一気に質問するよ。
1つ、レベルってどうやって上がるの?
2つ、称号って何?持っていたら何かいいことでもあるの?
3つ、非戦闘系スキルってどういう基準で入手できるの?
4つ、俺以外に高いスキルレベルを見たことがないのはどうして?
そして最後に、母乳スキルって母乳の味に関わるんだよね!?それじゃあ、レベルが上がると美味しくなったりするの!?
(はぁー。結局、最後はそんな質問なんですね。この残念な頭の豚野郎は。まあいいです。1つずつ答えていきます。
1つ、レベルは命を持っているものを殺すと手に入ります。しかし植物などは別です。その辺りのさじ加減は分かるでしょう。
2つ、称号は特別なことや存在に与えられます。一般に1つも持っていない人がほとんどです。持っていることで特殊な効果をもたらします。例えば主人さまが持っている王子は教養が身につきやすくなったり、カリスマ性が上がったです。しかし、複数人間が持つ称号は効果が下がります。
3つ、非戦闘系スキルを持っている方はその道のプロだと思っていただければよろしいかと。レベルが1でも非常に大きな効果を持ちます。要するに資格のようなものですね。ちなみに非戦闘系スキルはレベルの最大が5です。戦闘系はレベルの最大が10です。
4つ、主人さまには称号、変態が付いていますのでレベルが上がりやすいですよ。それに戦闘系スキルはレベルが8あったら伝説級ですよ。9、10は人外になりますよ。非戦闘系はレベルが4あったら伝説級ですね。5あれば人外ですね。ですので鑑定LV5は人外の域ですよ。
5つ、母乳スキルなどのスキルはユニークスキルと言われ、一部の種族にしか取得できないスキルです。人間などがいくら母乳が出ても母乳スキルは入手できません。レベル上がることにやる効果は変態野郎の認識で間違っておりません)
さらー、と。凄いことを言ったな。こいつ。
レベルや称号、母乳スキル、ユニークスキルのことはなんとなく予想していた。
非戦闘系スキルはスキルレベルが5がMAXなことと、持っている人が少ないっていうことにはびっくりはしたけど、その後がやばい。
俺の称号、変態についてだ。
まだ、はっきりとした効果はわからないけど、この称号におかげで鑑定が人外レベルに達した。およそ、1年ほどで……。
まさか、なによりのチートが変態だったとは……。
ねぇ、称号、変態って他にどんな効果があるの?
(まだ、内緒です。すぐにわかりますよ)
またか。
はぁー。そう言われたら諦めるしかないな。
てか、今の説明で気づいたんだけどキャロットって実はハイスペックなんじゃ……。持っているだけで凄い、非戦闘系スキルをいくつ持っていて、レベル2が4つもある。しかもまだ14歳だよ?
(えぇそうですよ。実際にキャロット様は1,000年に1人と言われているほどの天才ですからね)
まじかよ……。
俺が紫衣から驚愕の事実を聞き、驚いていると。
「はい。これでご説明終わりです。王太子様、お聞きになっておりましたか〜?」
俺は子供演技、スマイルで。
「うん!聞いてたよ!面白かった!」
「そうですか。面白かったですか!王太子様は将来良い学者になれるかもしれませんね〜」
いやいや、それはならんよ。てか、なれんよ。
てか、あんまりそういうことを言ったらダメなような気がするだけどな……。
まあいいか。俺しかしないし。
キャロットが俺の反応が良かったことで、調子に乗り2歳児では到底、理解できない説明をし始めた頃、後ろから声がかかった。
「ここにいたのね。フラン」
その声を聞いた瞬間、キャロットは慌てて後ろを向き、誰かを確認した。
そこには金髪のロング。サファイア色の瞳。170cmぐらいの長身。スラリと伸びた手足。100人中100人が振り向くような容姿をした、女性がいた。
この国の王妃だ。そう我が母だ。
その少し後ろに腰に剣を携えた。金髪ベリーショートの凛々しい顔をした、護衛がいる。
キャロットは確認した後、跪いた。
「あぁ、いいわよ。楽にして」
そう言われると、キャロットは体を楽にした。
「はい。ありがとうございます。それで王妃様、今は執務中では?」
王妃は疲れた顔をして後、俺に抱きついた。
「可愛い可愛い息子にも会ったらいけないの?」
そう言い、俺を強く抱きしめた。
「おかー様、苦しいです〜」
おかー様は貧乳〜。おかー様は貧乳〜。おかー様は貧乳〜。
(そんなことより、王妃様を鑑定してください)
えっ?おかー様のステータスはこの前見たところだよ?
(もういいです。私がします)
・レベル:1
・名前:ラリジーナ・シャーロキアン・ポラリオン 23歳
・種族:人間 女
・地位:ポラリオン王国、王妃
・称号:伯爵家の娘、強運、王妃
・HP:160/160
・MP:50/50
・SP:100
・AP:3
・DP:4
・LP:100
・スキル
[幸福LV4]、[執務LV3]、[算術LV1]、[奉仕LV1]
おい。俺のスキル勝手に使うなよ。
(黙れ。
それでは、クズの代わりにわたしが説明しますね。
ラリジーナ様は称号の伯爵家の娘で、ごく稀に見る幸運の持ち主で、それが買われ王妃になりました。ちなみに、LPの値は50以上あったら伝説級です。ラリジーナ様の100は規格外の値ですよ。
貴族であるのに奉仕スキルを持っているのは意味深ですね。夜、ベットの上で使うのでしょうか)
「王妃様〜。王妃様〜」
紫衣がなぜかおかー様のステータスについていろいろ言ってると、遠くから中年ほどの女性の声が聞こえてきた。
「王妃様、ここにおりましたか。はあ、早く執務室に戻ってください。大臣が待っております」
そういうと中年の女性はおかー様を俺から引き剥がし、無理やり連れて行こうとした。
おかー様が俺にむかって、フラン、助けてー!と言っているが、2歳児の俺にできることなんてない。
でも、可哀想なので満面の笑みで、
「おかー様、がんばってください!」
と言った。それを聞いたおかー様はきゃー!フラン可愛い!と言いながら、大人しく連れて行かれたのだった。連れて行かれた後、またか。という顔で
「やはり、サボりだったのですね〜。さぁ、王太子様部屋に戻りましょうか」
と言い、俺を抱っこして部屋に向かうのだった。
なんか、ぐだぐだな気がします。それでも読んでくださってありがとうございます。
次から、主人公。最強になり始めます。