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チートはいらないって言わなかったか?  作者: 関谷 じん
第1章 変態王子、変態王になる
13/20

なぜこうなった!!?(作者にも分かりません)

短めです。

俺が叫んだ後、妖精ロリっ子ははっ?という顔をしたが俺と紫衣の姿を見るといつものような凛々しい顔に戻った。

妖精ロリっ子はファイヤーアローと叫んだ。彼女の頭上に10本の火の矢が作られ、それを俺に向かって投げ放った。

俺は無属性魔法、シールドを展開して、止めに入る。


「ちょ、ま。待って、待って!」


「なっ!私のファイヤーアローをシールドごときで塞がれるなんて……」


俺の言葉には全く耳を傾けず、次の攻撃をしようとする。

紫衣は気配隠蔽で隠れているようだ。

俺は隠れている紫衣の方を見る。紫衣はめんどくさそうな顔をしていた。

俺が目で彼女を止めて。と訴えるが、紫衣は知らんぷりをした。


「ファイヤーアロー!アイスアロー!ウォーターアロー!」


火の矢、氷の矢、水の矢をそれぞれ10本ずつ出し、それを全部俺の方に投げる。

俺は面倒だ。と思い、力魔法、上級のグラビトンを使い、その矢を全部落とす。

その様子を見た、妖精ロリっ子は目を見開きながら震えていた。

俺は今だ!と思い、闇属性魔法、中級のダークバインドを使った。


「きゃ!動けない!ダークバインド!?この私を闇属性魔法で動けなくするなんて……」


俺はゆっくりと生け捕りにした妖精ロリっ子に近づく。


「来ないで!来たらファイヤーストームをお見舞いするわよ!私の火属性魔法はレベル8なんだから!」


そんなこと知ってるよ。と思いながら彼女のすぐそばまで行った。

なんて話しかけようか考えていると、妖精ロリっ子は泣き始めた。


「うぇーーーん。私、何もしてないのにダンジョンマスターってだけでこんな仕打ちあんまりだよ……」


彼女は鼻をすすりながら、俺を見てさっきの凛々しい姿のカケラもなく俺に懇願の目をして、


「殺さないで!なんでもするから!お願いします。お願いします。お願いします!」


いま、拘束しているから動くことができないが拘束を解いたらすぐにでも地面に這いつくばる勢いだった。

彼女の懇願の目を見ると、俺の中の何かが目覚めた。

俺はなんでもするという言葉を聞き、ニヤリと笑い彼女に話しかけた。


「いま、なんでもするって言ったな?なんでもって意味わかってんのか?」


そういうと彼女の顔は血の気が引いていき、唇を震わせながら、


「わ、わ、わかってるわ。私は容姿がいいから奴隷にでもするんでしょ!?生きるためならなんだってやってやる!今までずっとそうだったんだから!」


「いや、奴隷にして売ったりはしないさ。俺の肉奴隷になるがな!」


俺の売ったりはしないさ。という言葉で一瞬顔の色が良くなったが、その後の肉奴隷になる。という言葉を聞いた瞬間、さらに泣き出した。


「処女だったのに。今までずっと守ってきたのに。そんな風に散らすことになるなんて……」


俺は処女という言葉にぴくっと反応し、さてどうやっていじめようかと考えていると、紫衣が俺の頭を回し蹴りで蹴飛ばした。その衝撃で5mぐらい飛ばされた。

術者がいなくなったことでダークバインドが解除され自由になった妖精ロリっ子は蹴飛ばした紫衣の姿を見て、目を奪われた。

彼女には紫衣のことが死にそうになった時に颯爽と現れてヒロインを助ける主人公のように見えたのだった。

紫衣はそんな風に見られていることに気がつかずに蹴飛ばした俺の方に来て、俺の頭をぐりぐりと踏み始めた。


「なに奴隷のくせに奴隷を作ろうとしてんだ。舐めとんのか?

おい、何か言えよ!」


俺はさっきまでなにをしていたんだ。と思いながら紫衣様からの踏みつけに悦びながら、答えた。


「自分でもなぜあんなことをしたのか分からなくて……」


「口答えすんじゃねーよ!このまま、踏み潰されたいのか!?」


そういい、足への力は更に増す。


「紫衣様の奴隷ごときがあのようなことをしてしまって、申し訳ございません」


ふんと鼻で笑い、足を退かしたと思うと、次の瞬間おもいっきり俺の顔面を蹴った。

そして、紫衣は妖精ロリっ子の方を見た。

紫衣は彼女が見る自分への目線に少し怪訝な顔をしながらも、優しい口調で、


「もう大丈夫ですよ。安心してください」


それを聞いた瞬間、妖精ロリっ子は土下座をしながら、言った。


「紫衣様の奴隷にして下さい!」


――――――――――――――――――――――――――――


俺の頭はなぜこうなった。という言葉で一杯だった。

紫衣が豪華な椅子に座り俺らを汚いものを見る目で、地面に座る俺と妖精ロリっ子を見ていた。

いや、俺は座っているが妖精ロリっ子はまた土下座をしていた。

この空気に耐えられなくなり、俺は口を開いた。


「なあ、紫衣。これどういう状況なんだ?」


「さぁー。分かりませんね。というか、分かりたくありません。主人さまの隣にいる変態に聞いてみては?」


妖精ロリっ子は変態と言う言葉にぴくっと体を反応した。

俺はそんな同族を見ながら言った。


「なあ、これはどういうことなんだ?なぜ、紫衣を紫衣様と呼ぶ?なぜ、紫衣の奴隷になりたいと言った?」


俺の言葉に妖精ロリっ子は小さな声でどういうこと?ですってと言い、俺の方を向いた。その顔は親の仇を見るようだった。


「それは私のセリフですわ!なぜ神聖なる紫衣様を呼び捨てで呼んで。あまつさえ紫衣様に主人さまと呼ばれいることの方がどういうこと!?とお聞きしたいですわ!」


「どういうことって言われてもな。俺はこいつの主人だし、こいつはスキルだし」


「はぁ?スキル?」


妖精ロリっ子のその言葉で俺は紫衣の方を向いた。

紫衣は小さく頷き、光の粒になって俺の中に入っていった。

それを見た彼女は小さな声で、え?どういうこと?紫衣様が消えて、この男の子の中に入っていった?と呟いた。

俺は面倒だと思い、紫衣に聞いた。


なあ、俺のステータスを見せたら納得すると思うか?


(ええ、すると思いますよ。でも主人さまの手の内を明かすんですか?)


まあこいつ、悪いやつじゃねーだろ。多分。

てか、こんなやつ敵に回しても怖くないし。

でも一応、スキルポイントは隠すつもり。


「そうですか、それなら問題ないと思いますよ」


俺は主人からの許可も取れたので、妖精ロリっ子に話しかけようと思った時、彼女が急に立ち上がった。


「そうか、分かったわ!この男の子は紫衣様の従者ということですね!」


「何故そうなった?」


俺は呆れながらそう言った。紫衣も珍しく言葉も出ないようだ。

そんな俺を見ながら、


「え?だって、紫衣様はこの世に降り立った神でしょ?そして、その近くにいる男は従者に決まっているわ」


俺はもはやどーでもよくなって、片言で言った。


「そうだ、よく分かったな」


そう俺がいうと、妖精ロリっ子は嬉しそうになりながら、紫衣様!出てきてください!と言った。


紫衣は心底出て行きたくなさそうだったが、出ていかなければ終わらないと思い、再び姿を現した。

妖精ロリっ子は紫衣の登場に体全身を使い喜びを表現した後、跪いて、


「紫衣様。私の名はエミリアと言います。私は紫衣様の忠実なる僕です。なんなりとご命令ください」


「そう。なら、このままここでずっとダンジョンマスターを続けてください」


そういうと、俺を置いて転移魔法で外に出てしまった。

俺がマジかよ。と思っていると、紫衣がいた場所を見つめながら、


「かしこまりました。紫衣様」


と言う、エミリアの姿があった。

紫衣さん、狂信者を獲得だね。と思いながら、俺も紫衣の後を追い転移しようとする、ふと魔石のことを思い出して、全部アイテムボックスから取り出した。


「あの。これ、使いますよね?」


と言い、その場に魔石を置いて、転移して外に出たのだった。


――――――――――――――――――――――――――


俺と紫衣はゴブリンの巣跡のちょうど真上の空にいた。


「良かったな。新たな奴隷が増えて」


そういうと、俺をギロッと睨みつけて言った。


「黙れ。私いま機嫌が悪い」


そう言い、すごい速度で上に飛んで行き、豆粒ほどになった。

俺は何すんだ?と思っていると、空が急に晴れ始めた。さっきまで、曇天とは言わないがそれなりに雲があったが、今は見渡す限り雲はない。

は?と思っていると、紫衣が帰ってきた。


「どうなさいました?そのようなアホ面をして、ただでさえアホですのに、そのような顔をしていますとよりアホに見えますよ」


いつもの紫衣だ。と思い、さっき何をしてきたのか聞こうと思ったが、俺のことをすごい怖い顔で紫衣が見ていることに気づき、聞かないことにした。

そして、夜明けが近かったため帰ろう。と言い、城に転移した。


その日、王都ではドラゴンが出現したという噂が流れていたらしい。

おかしい、エミリアはヒロインのだったはず……

百合展開は予定になかった。なぜこうなった。


ダンジョン編終了です。

次からは第1章が動き出すはずです。

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