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チートはいらないって言わなかったか?  作者: 関谷 じん
第1章 変態王子、変態王になる
12/20

妖精族のロリっ子

主人公視点です。

大きな扉の先にはトロールがいた。2mぐらいの身長で頭が悪そうな顔、手には1mぐらいのとげとげした棍棒を持っていた。

俺は鑑定を使った。


・レベル:38

・名前:トルー

・種族:トロール

・称号:なし


・HP:814

・MP:542

・SP:915

・AP:684

・DP:814

・LP:5


・スキル

[物理耐性LV1]、[身体強化LV2]、[棒術LV6]、[土属性魔法LV2]、[土属性耐性LV2]、[格闘術LV3]


「こいつ、いわゆるネームドってやつじゃん。トロールのトルーって安直な。

こいつまあまあ強いけど、俺の敵じゃねーな」


そう言い、火属性魔法、中級のファイヤーアローをトロールの体全身が埋まるぐらい出した。

トロールはこちらに向かって走ってくる。3mの巨体がこっちに向かって走ってくるのは恐怖だったが、恐れずにファイヤーアローをトロールの身体中にぶつけた。

グギャャャャという声とともにトロールの巨体が倒れていき、ゆっくりと体が消えていった。

トロールがいた場所には少し大きめの魔石だけが残った。


「よえーな。一撃じゃねーかよ」


「ええ、私のすることがなくて暇です」


魔石を拾う俺の横にきてそういった。

俺は紫衣の綺麗な顔を覗き込みながら


「じゃあ、次からお前が魔物達を倒していくか?」


「黙れ」


「はい」


俺がシュンとしても気にするふりすらせずに、入ってきた扉の反対側の扉にトコトコと歩いていった。

すぐ俺の先に行くな。と思いながら紫衣を追いかけた。

扉に着くとさっきと同じように扉に触れた。するとゆっくりと勝手に開いていった。

扉を進んだ先は洞窟だった。

しかしどういうわけか暗くはなかった。薄暗い感じだ。


「ダンジョンは光源がなくてもある程度、明るくなるようになっています」


それは便利な仕様だ。と思いながら、足を進める。

すると、少し先に豚ヅラのオークがいた。


「あら、主人さまがいますね」


「俺は紫衣の豚だが。オークではない」


「豚であること認めるんですね」


俺は恒例の鑑定をした。


・レベル:41

・名前:なし

・種族:オーク

・称号:人型豚


・HP:735

・MP:82

・SP:825

・AP:915

・DP:413

・LP:1


・スキル

[綺麗好き]、[棒術LV5]、[物理耐性LV1]、[身体強化LV1]


きっ、綺麗好きだと?豚のくせに!?

てか、あのスキルはどういう効果なんだ?

さらに鑑定してみよう。


[綺麗好き:汚いものがあったら綺麗にしたくなる]


「主人さま。オークに綺麗にしてもらっては?」


俺は何も悪くないオークを睨みながら、


「あんな奴に綺麗にされるぐらいなら汚いままでいい」


そう言うと、水属性魔法、中位のウォーターアローを使いオークの体に穴をあけ絶命させる。


「ふん、豚のくせに」


「なに怒っているんですか」


俺がオークの魔石を拾い、アイテムボックスに入れる。

また、奥に進んで行く。

オークを倒したところからしばらくしたところに分かれ道があった。

どちらを行くか迷ったが、俺は直感的に右の道を選択した。

そこから500m進んだ先は50m四方の空間だった。しかしそこには先がなかった。どうやら行き止まりのようだ。


「なにが直感的に右。ですか。思いっきり間違ったではありませんか」


「いやいや、分からないよ。どこかにスイッチとかあって隠し通路が出てくるかもしれないよ」


そう言い、俺は身長が低かったためジャンプしながら壁をペタペタと触り始めた。

そして、ある部分の壁をさわるとその部分がぐぐぐとさがった。

お!?と思いつつ、じっーと待った。

するとこの部屋を数えるのがバカらしくなるほどの魔物が出てきた。いわゆるモンスターハウスと言うやつだ。

ゴブリン、スライム、スケルトン、コバルトなどの雑魚はもちろん、ハーピーやオーガ、ガーゴイルなどの強いと思われる魔物などもいた。

俺はぐへぇ、と思いながら紫衣の方を見た。


「1人で頑張って下さい。主人さま」


「手伝ってくれてもいいじゃん!」


「これは主人さまが蒔いた種です。自分でなんとかしてください」


めんどくさいなー。と呟きながら、少しでも早く、楽に倒せないかと考えた。

いい案が浮かんだ。力でねじ伏せる。だ!

幸いにもこの部屋の天井は高い。飛行魔法を使って上から蹂躙してやるぜ。と思い、まず、邪魔なガーゴイルをアイスアローで絶命させる。

そして飛行魔法を使う。


「紫衣も危ないから使って」


紫衣も飛行魔法をつかう。

俺は無属性魔法、初級のシールドを使い、自分の身を守り、魔物達が集まってくるのを待つ。そして火属性魔法、上級のファイヤーストームをつかう。

俺を中心に半径30mぐらいの範囲に下から炎がでる。炎の丈は5mを超えていた。上から見るその光景はマグマのようだった。

俺は魔物達が全滅したことを確認した。


「ふん。たわいもない」


と、少し格好をつけながら言った。そんな俺を紫衣は冷たい目で見ていた。


くぅー!!その目たまらねーな。おい!


「さあ早く魔石を拾ってください。この野郎」


はーい。と返事をして、魔石の回収作業を始めた。

俺が魔石の回収が終わった頃、ゴォォーという音がなりさっきまで壁だった場所が通路になった。

紫衣の方を向きドヤ顔で、


「こうなると分かって、右の道を選んだんだよ。紫衣君」


「調子に乗るな。この猿が」


「ごめんなさい。ウキィーー」


俺を見て、鼻で笑うと新たにできた隠し通路を進んでいった。

しばらく進むと、さっき見たより大きな扉があった。

また、ボスか。と思いながら扉に触れた。すると勝手に開いていった。毎度おなじみの自動ドア機能だ。

扉の先には全長10mほどの巨大なゴーレムがいた。

鑑定する。


・レベル:73

・名前:ゴーくん

・種族:ハイゴーレム

・称号:なし


・HP:1893

・MP:0

・SP:1316

・AP:1251

・DP:1851

・LP:1


・スキル

[頑丈]、[格闘術LV8]、[物理耐性LV4]


「うわー。また、剣士泣かせなやつが出てきたな。HPとDP高すぎだろ。てか、こいつの名前ゴーくんって。多分ここのダンジョン主がつけたんだろうけど、センスねーわ」


「ゴーレムとの戦いでも剣士は役立たずです。ゴレームの体のどこかにある核を潰さなくてはなりません。ですので、魔法の遠距離攻撃で攻撃することが主な攻撃方法です」


「まあ、剣士じゃこんなバカでかいやつに攻撃しても踏み潰されるだけだもんな」


そう言い、俺は攻撃方法を考える。

面倒だから数撃とう。と思い雷属性、中級のライトニングをマシンガンのように撃つ。

体のあちらこちらに穴が空き、ゴーレムの胸辺りにあった直径2mほどの黒色の球を破壊した瞬間、ゴーレムが意識を失ったように倒れていく。

倒れてしばらくしたあと、ゴーレムの体が消え大きな大きな魔石が出てきた。それを回収し、先を急いだ。


この辺りから平均レベルが70を超え始めた。

俺はふと疑問に思ったことを紫衣に聞いた。


「ダンジョンの魔物ってこんなに強いものなのか?」


紫衣は俺の少し前を歩きながら答えた。


「いいえ、ここのダンジョンはズバ抜けて強いと思います。普通のダンジョンなら、こんな高レベルな魔物が出てくることはありません。やはりこのダンジョンは主があるかもしれませんね」


「ダンジョンに主がいるかいないでは、何が違うの?」


隠れていた魔物にファイヤーアローを浴びせながら、そう聞いた。

紫衣は魔石を拾う俺をじっと見ながら、答えた。


「一般的なダンジョンは勝手に魔物が出てきて、自由にダンジョン内を徘徊します。しかし主がいる場合ある程度、魔物が統率されています。それによって狡猾な罠などが出てきて、一般的なダンジョンよりも危険なことが多いのです」


「魔物が統率されているってことはダンジョン主は知性があるの?」


「ええ、もちろんありますよ。いまもこのダンジョンの最奥で私たちを見ているのかもしれません」


見ているという言葉に少しぶるりといたが、知性があるということを聞き、この奥に行くのが楽しみになった。


「そっかー、知性があるんだね。それば是非とも仲良くしたい」


「何言ってるんですか。ダンジョン主を倒せばとんでもないほどの利益があるんですよ?」


「え、そうなの?でもなー、ダンジョン主が友達にいるってカッコよくない?」


「主人さまの意味不明の価値観を私と共有しようとしないでください。気持ちが悪いです」


「ごめん」


そんなこんな、紫衣と喋りながら魔物を倒しつつ進んで行ったら、また、あの大きな扉の前に来た。

ふと、今の自分がどのくらい強くなっているのだろうと思い、ステータスを見ることにした。



・レベル:48

・名前:フラムスティード・ポラリオン 2歳

・種族:人間 男

・地位:ポラリオン王国第一王子

・称号:変態、王子


・HP:4900/4900

・MP:2500/2500

・SP:4810

・AP:4805

・DP:4805

・LP:240


・スキル

[鑑定LVMAX]、[紫衣]、[全属性魔法LVMAX]、[MP超急速自動回復LV4]、[気配感知LV4]、[気配隠蔽LV4]、[全属性耐性LV3]、[全状態異常耐性LV3]、[物理耐性LV3]、[魔力操作LV4]、[魔力感知LV4]、[詠唱不必要]、[ステータス隠蔽LV3]、[完全看破LVMAX]、[付与術LV1]、[錬金術LV1]、[身体超強化LV4]、[オールクリエイトLV4]、[思考超加速LV3]、[危険察知LV1]、[全種族魅了LV1]、[恐喝LV1]、[痛覚超軽減LV2]


・スキルポイント:22


「ははっ、笑うしかないね」


「今の主人さまなら世界を敵に回りしても、問題ありませんよ?」


「問題ありまくりだよ。そんなんじゃあ、俺が魔王になってしまうじゃん」


「主人さまがなるのは魔王ではなく、変態王ですもんね」


「そうそう、おとー様が引退したらそうなるはず。

てか、スキルポイントどうやって使おうかな」


「欲しいスキルがなければ、スキルレベル上げに全て使ってしまってもいいと思いますよ」


「あー、そうだな。そうしよう。でも、全部使うのは嫌だから、耐性と感知系スキルに使おう」


[スキルポイントを1消費して、気配感知LVMAXにしました。現在のスキルポイント:21]

[スキルポイントを1消費して、魔力感知LVMAXにしました。現在のスキルポイント:20]

[スキルポイントを2消費して、全属性耐性LVMAXにしました。現在のスキルポイント:18]

[スキルポイントを2消費して、気配感知LVMAXにしました。現在のスキルポイント:16]

[スキルポイントを2消費して、気配感知LVMAXにしました。現在のスキルポイント:14]


「あれ?こんなことしたら俺って死ねないんじゃ……」


「主人さまは自殺願望でもあったんですか?それはこの世界のためになりますので、是非」


「いや、違うよ!別に死にたくてあんなことを言ったんじゃないよ!たださっき、耐性系スキルをLVMAXにしたから疑問に思っただけだよ」


「なるほど、そういうことだったんですね。非常に残念です。確かに、今の主人さまは寿命以外で死ぬことはありませんね」


「まじかよ……」


俺はいつの間にか全く傷つかない体を持ったことに、驚きながらも、扉を触った。

扉の先には地獄の門番と言われているケルベロスがいた。全長は20mほどあり、可愛い顔、怒った顔、泣いた顔の3種類の顔が付いていた。

俺は不気味だなー。と思いながら、鑑定した。


・レベル:97

・名前:けーくん

・種族:ケルベロス

・称号:地獄の門番


・HP:1984

・MP:1006

・SP:2090

・AP:1982

・DP:2016

・LP:10


・スキル

[闇属性魔法LV8]、[火属性魔法LV9]、[格闘術LV8.]、[MP自動回復LV2]、[身体強化LV3]、[物理耐性LV1]、[闇属性耐性LV4]、[火属性魔法LV4]


「け、け、けーくん!ダセッーーー。ダンジョン主のネーミングセンスのなさ!

可哀想になー。ケルベロスも。結構強いのに名前がけーくん。弱そう」


「はいはい。笑ってないで、戦ってください。あっ、けーくんが攻撃しようとしてますよ」


俺は紫衣から言葉で笑うのをやめて、攻撃しようとしているけーくん(笑)を見た。火属性魔法、上級のファイヤーストームを使うみたいだ。ふと俺はこの攻撃を受けてみようと思い、手足を広げ攻撃するのを待った。

俺の反応にけーくん(笑)は戸惑いつつもファイヤーストームを放った。

下からマグマのような炎が出てきて、俺を包み込む。ダメージは喰らわないと舐めていたが、熱さは感じるようだ。


「熱い。熱いよー!。こんなきもい魔物から火攻めなんてされても嬉しくねーよ!」


と叫び、巨大な水属性魔法、初級のウォーターボールを俺の頭上に作り、ファイヤーストームを鎮火させた。

その後、闇属性魔法、中級のダークバインドを使おうとしているけーくん(笑)に雷属性魔法、上級のサンダーストームを喰らわせた。

けーくん(笑)は少しよろめきながらも、耐えた。


「おおー!俺の攻撃に耐えたやつは初めてだなー」


と言いながら、次の魔法を準備する。

けーくん(笑)は魔法を撃つのを諦め、近接戦で戦おうと思ったのか俺に超速で近づいてきた。

咄嗟に俺は気配を消して短距離転移を使い、けーくん(笑)の死角に入った。

けーくん(笑)は急にいなくなった俺を探していたが、気配を消した俺が見つかるはずもなかった。

俺は準備していた、超級魔法のブラックホールを使った。

使った瞬間はけーくんは俺が作った黒い塊に飲み込まれていった。

その場に残ったのは暇そうにしている紫衣と予想以上の威力に驚いている俺と馬鹿でかく、見るものを魅了する美しい魔石だけだった。

そんな魔石を見ながら、


「けーくん(笑)。君は俺が戦った中で1番強かった。けーくん(笑)、君のことは忘れない。けーくん(笑)」


「なんかい、けーくん、けーくん言ってるんですか。しかも後ろに(笑)が付いてるし。さあ、早くその魔石を拾って先に進みますよ。おそらくもう最奥だと思うので」


俺ははーい。と言い、けーくん(笑)の魔石を拾い扉を開けた。

その先はうんざりするほど広い空間だった。しかしどこか生活感があった。

俺は部屋のデカさに圧倒されたが、少し先に何かがあるのが見えた。目を凝らしてみると。

金すら嫉妬する美しい金髪に露出度の高いファンタジーちっくな服を着た、凛々しい顔立ちだがどこか幸が薄そうな、小学生低学年くらいの子供がいた。

俺は慌てて鑑定した。



・レベル:100

・名前:エミリア 208歳

・種族:妖精族 女

・地位:ダンジョンマスター

・称号:忌み子、天才、努力家、ダンジョンマスター、限界値到達者


・HP:1603/1603

・MP:1402/1402

・SP:1518

・AP:2351

・DP:1927

・LP:-20


・スキル

[不幸]、[苦痛耐性LV4]、[痛覚耐性LV4]、[火属性魔法LV8]、[闇属性魔法LV8]、[水属性魔法LV7]、[気配感知LV3]、[気配隠蔽LV2]、[魔力感知LV3]、[魔力操作LV3]、[木属性魔法LV7]、[氷属性魔法LV7]、[空間魔法LV5]、[火属性耐性LVMAX]、[闇属性耐性LV4]、[水属性耐性LV3]、[木属性耐性LV3]、[氷属性耐性LV2]、[ダンジョンマスター]、[鑑定LV2]


俺はこれを見た瞬間


「妖精、ロリ。キターーーーーー!!!」


と、馬鹿でかい部屋に馬鹿でかい声で叫んだ。

前回と同じオチで申し訳ありません。

次でダンジョン編終わりです。


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