7
地図にまつわる答えを、何も見いだせないまま朝を迎え、学校に行った。
TやYにもメールして見たが、特に分からないとのことだった。
今日も2人とメールのやりとりをし、自分と同じクラスの文系で、学年上位の地理、歴史が得意な女子Mに、昨日プリントアウトした地図を見てもらおうということにした。
休み時間に女子Mに自分が声をかけ、了解を取ったので、昼休みに自分のクラスに集合となった。
昼休み、TとYが来て、Mのもとに向かった。
女子Mに見せると「地方の自然の多い所ね。知ってるけどマイナー。それ以外は、一見、特徴はないけれど……」
「やはり、同じ見解か……残念だ」
しかし、女子Mが興味を示し、「時間を頂戴。地理的な意味や歴史的観点から少し当たってみる」と言ってくれたので、プリントアウトした地図一式を渡した。
「単にそこに近い所に用事があって行って、記念にでも音を録ったんじゃねーの」
「そういう気持ち、俺、良く分かるよ」とTが言った。
続いて、「そして自分でも音を創ってみたんだよ」
「暗号化は、一応個人情報ということさ」
Tは、ファイル名の暗号を解いてしまったということもあってか、既に「もういいんじゃねえの」モードになっている。
Tがそう言うものの、やはり何かを解き残しているといった、しっくりこないところがある。
その点は、すべて理論的に分からないと気がすまないYも感じているようだった。
しかし、昼休みも終わり間近。4人は解散した。
帰宅途中に、自分は考えた。
「Tの言うように単なる記念?か、それともかなりの音マニア?オタク?」
「そんなことが流行っているのだろうか?」
家に着いて、ネットで検索した。
「結構、色々なサイトがあるな」
しかし、それはどれも有名な土地ばかりである。
「何であまり知られてないマイナーな所ばかりなんだろうか……」
ぐるぐる、ぐるぐると思考ばかりが巡るが、何も見出せない。
結局、「一先ずTの言うように考えておいて、程々な自分に戻る」と言い聞かせ、食事、テレビを見て0時前には寝た。