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学校で午前中、TやYから連絡が来ないかわりに、彼女から「放課後、お茶でもしない」と誘いのメールが来た。
「いいよ。△△に行ってみない」と返信した。
そこは、以前雑誌で取り上げられたカフェである。
彼女は、自分が言うのは本当に失礼かも知れないけど、自分と似ていると思う。
それは、風貌、勉強、スポーツ、趣味、好きなこと、ものが凡庸であるということである。
しかし、それにより、自分には無理なく楽に付き合えるので安心でき、長く付き合うことができていると思う。
午後の授業が終わって、16時過ぎに、校門で待ち合わせた。
いつもとは違う電車、地下鉄を乗り継ぎ、雑誌で見た街のカフェに行った。
飲み物と軽食をオーダーし、前回会った以降の、お互いの出来事やテレビのことなどについて雑談をする。
いつも彼女との話は、彼女が振ってきた話題について、自分が聞きながら意見を言ったりすることが多い。
でも、それだけでは会話がつきてしまったりするので、その時は、自分から話のネタを切り出す。
一通り終わって、会話が途絶えた。
「そうだ。彼女にも、一昨日のファイルを聴かせてみようか」
特に説明をしないで、携帯音楽プレイヤーの中にあるファイルを順に聴かせていった。
「どこかの自然の音みたいだけど……」彼女は言う。
あまり食いつきはよくない。
ファイルに対応したファイル〜Iについても、「あまり聴いたことの音色ね、メロとかでも全然ないし」
「普通の反応はそうだよな」、自分もそう思う。
結局、それ以上は彼女の感心をつかまなかった。
そこで「いや、実はファイル名が暗号化されている可能性もあるんだ」などと話す気もおきなかったので、
その後は、彼女のクラスの女友達はどうしたとかという、ありがちな話に移っていった。
お互い頼んだものも食べてしまったので、カフェを出た。
日も落ち、辺りは暗くなっていた。
次にどこか行く?という盛り上がりもなかったので、電車に乗り、乗り換え駅で別れ、帰宅した。
それからは、特に変わりなく過ごし、0時前には寝た。