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信じられないでしょうけど、味とキャラの薄さです!

「どうだ!」

《おいしーよ》

《うん。おいしい》


あぐらをかきながらコケっと滑る。

二人とも無事『回復』アビリティを獲得することに成功し、そのまま簡易ホームの中で夕ご飯にした。


前にも言ったと思うが、俺は料理というものがなんたるかわかってない、とゆうかできない。

でも、やらなかったものの、自炊はしなきゃなんねぇ〜なぁ〜という意識から、ネットで作り方やレシピとかは調べたりしてたのだ。作ったりはしなかったけど。


料理はしないくせに、栄養バランスとか考えちゃう奴だったし俺は。


というわけで今日はチャーハンを作ってみた。


炊いたお米に新鮮な卵をかけ超簡単異世界万能飯(TKG)にし、コメを炊くのに使用した火の上にフライパンを置いて熱し、その上にTKGを投下。

その上に世界産の(多分)豚肉と人参、その他いろいろな野菜を突っ込んで炒め、炒めながら塩と胡椒をふりかける。


因みに食料はケーメルンで、塩・胡椒はエンジンの酒場でネロに売ってもらった。


「嬉しいけどそうじゃなくて! どこかおかしいところとか」

《うーん……ちょっと味が薄いかなぁ》

《あぁ、そうかも》


味が薄いっと。メモメモ。


《あとなんか全体的にもっちりしすぎてる気がする。もう少しパラパラしてる方がボクは好きだなぁ》


ぱらぱら! そういえばそんなこと聞いたことがあるっけ。

ナイスだミドリ! いいアドバイスありがとう!


「ふむ。ふむふむ。塩・胡椒をもう少し増やすか。もう少し炒める時間増やすのかな? 今度はそこんとこ気をつけてみよう。焦がさんようにっと」


メモを書き終えたら取り敢えず次にやってみようと思っているオムライスについて書いておく。

ケッチャップライス……ケチャップがないぞ……


料理系男子の称号はまだまだ遠いか。


「ま、食ってみよう」


自分用に盛り付けたやつに手をつけたはいいものの、すぐに手が止まる。


「味薄っす!」


なにこれ薄っす! だめだこりゃ!

肉と野菜と米を食ってる。少なくともチャーハンを食っている感じではない。


「くっそー、次はもっと、うまく……」


じーっとこちらを見る視線。


「えーっと、食べる?」


この後スライムがおいしくいただきました。


--- --- --- ---


《ますたー、ますたー。なんか美味しそうな匂いがするよ》


飯食ったばかりでこの捕食者様は。


美味しそうな匂い?

この砂漠地帯のど真ん中で?


ミドリに目をやるがぶんぶんと首を振った。


冗談だと思えなくもないが、捕食者の言うことだからなぁ。


まぁ、行ってみるか。




こんな道とか整備もされていない砂漠地帯を

ガラガラと音をさせながら、一つの馬車が走っていた。


そりゃもう必死に。


アオがさす美味しい匂いとか積み荷とかだろうか?


《Sand Worm》も狂ったようにその積み荷を追いかけているわけだし。


そう、名も知らなき馬車は今、エネミーに襲われて大変なのだった。


「どうしようか……」


ぶっちゃけこのまま帰りたい。

でも……


《ますたー……》


デスヨネー。

アオは、助けられるなら助けた方がいい、の精神だからな。

しかし俺の命令がないと勝手に助けることもできない。

この懇願の視線には勝てないな。


《アオちゃん。別にあの馬車運転してるが知り合いってわけでもないんでしょ? 助けてあげたいって気持ちはわかるけど、それでますたーに少しでも危険が及ぶようなことを私達が言うのはちょっと違うんじゃないかな》

《うぅ……でも……》


ミドリが理知的すぎてやばい。

アオの時と同じようなこと言って悪いけど、本当に二歳?

INT上げた覚えがないんだけど、INT上昇アビリティでも取ったのかな?


「まぁミドリ。子供の時は素直が一番だって。思ったことをすぐ口に出すくらいが丁度いいんだよ」


とりま、あのワームにはミドリの経験値になってもらおう。


--- --- --- ---


「イヤー、いやいやいやいやー、ほーんとに助かりましたよー。凄かったですねー」


……どこから現れた、こいつ。馬車の中にいたはずだよな? いつの間に

俺の探知に反応はなかった。気配も全く気付かなかった。

なんだこいつ、白黒のチェック柄シルクハットに全身真っ黒なスーツ。

こんなNPC見たことないぞ。


「ワームを倒すぐらいはどうってことないさ。その代わり礼をいただきたい」

「えぇえぇ。お礼させていくださいませ! なんですか?」


モミ手はやめて欲しい。どっかの商人を思い出すからさ。


「その積まれている荷物。食い物と見た。譲ってくれ」

「ウーム。それはちょっと、ムズカシーですね」

「なんだ? 賞品だから金を払えとでも? ワームに沈められて殺されるのと、どっちがよかった?」


こいつは商人か。

この人を小馬鹿にしたような態度はまさしくそれだ。

俺の脅しにもひょうひょうとした態度でいる。嫌だなぁ。


商人と話すのは嫌だけど、アオのため、美味しいものは確保しないと。


「わかった。買う方で」

《ストーップ! ますたー》


いい、と言おうとしたところでミドリの待ったがかかる。


《ボクの時もそうだったけど、お金の使い方雑すぎるって! 助けて上げたのにお金を払うってこと自体おかしいって》

「そ、そうだな。節約はしなきゃだし」

「ヘイ。そこのボーイ。ゴールドにお困りかーい?」

「はぁ? いや、困ってないが」


いきなり話しかけてくんじゃねぇぇぇよ!

なにヤダ怖い! やめてよ本当心臓止まるからッ!


普通に返しちゃったよ、怖いよ! なんだよお前!


「お金にお困り〜? お金を持ってないとモテないよー。モッテないだけにー。うひゃひゃひゃひゃ」

「あ、用事思い出したんで俺はこれで」

「ちょーい。そう邪険にしないでちょーだいよー。ゴールドに困ってるユーみたいなテイマーのたーめーにー。ハイコレど・お・ぞ」


だから困ってねえっつってんだろ!

こうゆうのはアレだな。

関わっちゃいけないやつだな。うん。


「すいませんね! 俺そうゆうの興味ないんで!」

「まぁまぁ! まずは。まずは受け取ってから考えてくださいよー!」


離せぇぇ! 頼むからお家に帰って風呂入って寝て俺のことは忘れてくれ!

俺とは縁もゆかりもないところで幸せになってくれお願いだから!


「ユーみたいな年代のチルドレンを探してるんですよー。探すの大変なんですよー。ユーみたいな子供が一人でいるのは、オークの群れ並みに多くないですからね。オークだけにぃー。あひ、あひひひひひひひ」


帰っていいかな? と死んだ目で俺。


「ゴッホ! オエッホッ! あ、どうぞ笑ってもいいんですよ?」


殴りたい、この笑顔。


「どーして話を聞いてくれないんですかー。気難しい子供は将来ゴールド持ちになれませんよー」


金持ちって言えや。

あと行動がうるさい。

もう少し落ち着いて、静かに話してもらいたいもんだ。

なんでそんなに ンバ! ンバ! ってわざわざ効果音出しながらオーバーリアクションで動くの?

疲れない?


っておい待て。今お前、首が180度回転しなかったか? したよね?


……びっくり人間かよ……


オイ、やめろ。


「どんだけキャラ立てにくんだよふざけんな! 俺のキャラが薄れるだろうがまじやめて!」

「まったまたぁ〜〜。そのとても普通とは思えない怪しい神盤に、ほどよくつり上がった真っ赤な目。下から相手を静かに威圧するような目つき。パーカーに覆われていてもわかる子供とは思えない大人びた立ち振まい。じゅーぶんキャラ立ってますーって」


よく言うぜ。びっくり人間が。

俺は仏頂面から、急にニヤリと笑って言葉を続ける。


「オッドアイにも出来るらしいけど、見たい?」

「是非是非〜。目の色を変えられるのですかー? あ、因みに私もよく目の色変えますよ。交渉とかでぇ。お揃いですねぐひゅひゅひゅひゅひゅ」

「…………(冷めた目」


……検索発動。

自分では確認したことがないが、他プレイヤーが検索を発動の際、片方の目が金色になり瞳孔がピントを合わせるようにキュッと中央に寄るのを何度も見た。

おそらく俺もそうなっているのだろう。


素直に検索させてくれと言っても良かったが。この世界だとステータスを見ることがどれぐらいまで常識的なレベルなのかわからないからな。


さて、検索結果だが…………なッ!


「……お前」

「よーやく話を聞いてくれる気になりましたか? 説明は要約しますか? よーやくだけにぃ! おひょひょひょひょひょひょひょ」

「スタート、battle the エn」

「おひょっと。失礼。笑いすぎましたね。笑って欲しかったのですが……面白くありませんでしたか?」


きゅ、急に真面目になりやがって。

わざとバカみたいな演技して笑わせようとしてくれてたってか。

事情あり、か? 案外いいやつってことも


「あ、いや、こっちこそ――」

「ま、コレは私の素の性格ですけどねー。私の名前はウィーアード。学校のスカウトしてるアルバイトでーす」


前言撤回。

コイツ本当どうしてくれようかッ!


「学校の、スカウト?」

「世界の中央。王都『ゼウス』にある学校に興味はありませんか? 未来の優秀なテイマー達のための学校。アダマス従魔士(テイマー)学校初等部。ここに入学しちゃいなよ、ユー」


優秀なテイマー育成学校ねぇ。


「入学願書に……記入例。説明書。それと、学校のパンフ……っと。さて、小学校か……」


小学校は嫌だな。うん。


「礼を含めて、積み荷寄越すことと、王都まで運べ」

「エェー!」

「文句言うなら今すぐここでこの馬車沈めるけど?」


その場合俺の手で、ではない。犯罪者になっちゃうからね。

エネミーを挑発して誘導し、この馬車にぶつけてさっきの再来だ。

それを俺は高みの見物。逃げ切れたならそれでいいし、逃げ切れなかったならそれまで、ワームをぶっ飛ばして積み荷をかっさらう。


と言っても、この手法もシステムでは認定されなかったが、プレイヤー間では完全なる犯罪行為となっている。

エネミー・キルって言う、PKの一種だからな。


「ワカリマシター! 全身誠意、王都まで送りまーす! 学校に通う気になってくれる子がようやく捕まりましたよー。ヤッタネ! これで校長に怒られなくて済む!」


残念。俺はあくまで『王都まで運べ』としか言ってないぞ?

勿論教えないけどな。


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