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信じられないでしょうけど、真実の言葉です!

更新が遅れて申し訳ない。

少し諸事情で、スマホをいじれませんでした。

予約掲載、利用しようかなぁ。

「では次の質問です」


緊張感が増したな。

当然ここは完全にアウェイ。その上俺の発言は見方を考えれば真面目に答える気がないようにも見える。


そう思われて仕方がない状況ではあるが、こちらも罪人認定はできれば勘弁願いたいわけだし、できるならごまかしたいと思うわけですよ。


「貴方の仰る、その貴方達に『この国に被害をもたらさせた者』そして、この国に被害が及ぶ直接的な原因を作った者達とは、誰ですか?」

「………………」


その質問かぁ。その質問かぁ〜。

知りません、とは言えんよなぁ。

バレるんだもんなぁ。

マジか……言われるかもとは思っていたが、なんと返したもんだろう。

なんか何言っても突かれる原因になりそうなビジョンが見える。


「どうしました?」

「いえ、その者の名は『ケンゾウ』と申します。名を知っている理由は、彼と知り合いであるからです。知り合いに襲われた理由は、正直よくわかってはいません。言い訳をするつもりではありませんが、色々な事情が重なり彼に接触を図りましたが、まさかあそこまで本気で攻撃に出られるとは夢にも思いませんでした」


適当に途中で切り上げて、なんども言及されるよりは重ねて尋ねられるであろうことを予測して相手の言いたいことを先に断ち切る。

そうなると次に来る言葉は決まって


「裏切られた、と?」


そら来た!

いいぞ。よし。掴み始めた。

こうなって来ると向こうさん側からするとこちら側の事情やらなんやらがわからない以上、憶測でことを考えなければならない。

つまりは、思考の中に刷り込まれているプログラムに隙が生まれる。

その隙をうまくコントロールして、小さい穴をもはや修復不可能なほどに大きな穴へと昇華させる。


「いいえ。先程はわからないと申し上げましたが。それはあくまで『よくは』でございます。彼は何者かに操られておりました。これは嘘偽りのない真実であると、私は考えております」

「ふむ……その根拠は」

「違和感です。彼は私や彼女に比べて、戦闘に特化してはいません。貴方方のような鍛冶師なのです。彼のことを私はよく知っています。こんな時、彼なら戦わずに『逃げる』のです。それでも戦い続けようとすることに違和感を感じました」

「それで?」

「私は彼に言葉で接触を図りました。すると彼は激しく苦しみ出し、我を取り戻しました。しかし彼を操っていた者は激昂し、彼をより苦しみの坩堝へと引きずり込もうとしておりました。私は彼を操っていた者の声を聞きました。間違いありません」


俺の言葉は一旦ここで区切る。

次のくるであろう質問の回答を、よりインパクトの強い状態で叩き込むためだ。


「彼を操っていた者、貴方がそう称する者はどなたですか?」

「『神』と、そう呼ばれておりました」

「…………っ」


周囲がざわざわと囁き出す。

そうだろうさ。とてもじゃないが、信じられる内容じゃない。

だが事実だ。

普通であるなら、そんな言い逃れが通用するかと怒鳴られるほどの案件だが。

あの執事には、これが紛れも無い真実であることが『わかってしまう』。


「……………………これはこれは」


さて、だけど問題や穴はある。

まずあの執事が『嘘』をついて俺たちの発言を『嘘だ』と断定すること。

あの執事は『真実』がわかるだけでこちらの味方では無い。

俺たちはこの国を破壊した犯罪者であり、国民の怒りをぶつけるためのスケープゴートとして大いに利用できる。


そんな理由の他にも、犯罪者としてならば多くの利用法があるだろう。

俺が保有しているアイテム。ゴールド。

アオとミドリの二人。

俺を投獄、あるいは殺害すればそれが手に入ると、そう思われる可能性もある。

騎士団長さんから、何かは知らないが俺たちの情報が吹き込まれているらしいしな。


「動揺される内容であることは分かっています。とても信じられる内容では無いことも。ですが、私達も、ケンゾウも、何者かに利用されたのです。これは紛れも無い真実でございます。この国に被害を持たさせてしまったこと。たとえ利用されていたのだとしても、許されないことをしてしまったということも理解しております。どうか、どうか、『ドワーフとしての矜持』をもって、私の言葉を考えていただきたい!」


顎に手を置き、渋い顔でこちらを見ていた執事さんがピクリと反応し、ずっと表情が抜ける。

頭の中で数々の思考が巡っていたであろうことは想像に難くない。

少し保険を出してしまったが、果たしてこれは正しかったのか。


くっそ、やっぱりわかんねぇ。

冷や汗流れてないよな……表情筋が歪むのを堪えるのに必死で、他のことに頭が回らない。


弱音言っちゃっていいかな?


ぶっちゃけこうゆうの俺の領分じゃねえんだよ!

めちゃくちゃあがり症だし、コミュ障だし、敬語苦手だし、苦手ゆえにこうゆうことにはあんまり関わってこなかったから不慣れだし。


今俺がロールプレイ出来ているのだって、今まで見てきたアニメやゲームの中のキャラクター達の動きを思い出して真似してなんとか大裁を保っているし。

何より大きいのは、ロールプレイキチのソロ仲間に色々と話をされていたからだ。

興奮して早口に何を言っているのかよくわからない呪文を唱えられ、適当に相槌を打ち聞き流していたのだが。

こんなことなら、もっと真面目に聞いとくべきだった。

後悔先に立たずとは、まさにこのことだ。畜生。


「…………王よ…………これは」


今回の耳打ちは少し長いな。

王の顔も少し渋い顔になっている。

流石にさっき保険をかけてしまったので、もう俺からは何も言えまい。

この中でただじっと相手の反応を待つしかない。

うまくいくのかそうで無いのかの狭間で、心臓がバックンバックンとうるさく鳴き始める。


《……ますたー? だいじょぶ?》


息を飲んだ。

心配するように、パーカーの中からこちらを見上げてくるアオと目があった。

ミドリも同様に、俺を見ていた。


俺は、何やってんだろうな。

なんで二人と目があってんだよ。

どうしてそのことに気づかなかったんだよ。

そんなの簡単だ。


目を閉じて頭を下げていたからだ。


本当に何をやっているんだ。

そんなに苦しそうな顔を俺がしていたら、二人は心配するに決まってるだろうが。

カッコつけろよ、ユベルさんよぉ。

本人がいくらカッコ悪くても、二人の前だけは、カッコいい男でありたいって思うんだろうが。

怖がるな。

恐れるな。

二人の顔を見て、俺の腕の中にいるミルクルさんの顔を見て思う。


二人のためなら、ミルクルさんのためなら、俺は戦える。


何時もの笑顔を二人に向けて、『大丈夫』と送った。

二人から視線を外し、前に向ける。

真っ直ぐに、迷いなく、真剣に、国王を見た。


「ごほん…………わかりました」


王から何かを言われ、執事さんは涼しい顔で咳払いをし俺を見る。


「貴方の言葉。全てが」


ここで決まる。

そのことを察した。

これで真実となっても、死罪になるかもしれない。

嘘と言われ、処刑されることになるかもしれない。

その時は申し訳ないが、全力で抵抗させてもらう。


たとえ全世界に指名手配されたって、構わない。


俺は三人を守りきる。

絶対に。


絶対に、殺させはしない。


そんな決意を胸に、次の言葉を待つ。

時の動きが遅くなったかのようにスローモーションに感じる。

時計の針の音が鮮明に響くように聞こえるほど、この場はシンと静まり返っていた。


「…………私、サイドの名において」


それを言うのは王の立場では? と思ったが、こう言うしきたりなのかもしれない。

何よりあの執事さんは皆んなに信頼されているのだろう。


だからこそ、彼の名において発せられた言葉を正しいと思うわけか。






「嘘偽りのない『真実』であることを、証明します」


ドッと俺の上に何ががのしかかってきたような感覚がした。

辺りがざわつき始める。

『真実』だと、信じてもらえた……?

嘘ではないと……いや。


まだだ。まだ気をぬくには早い。

ここからだ。例え俺の言葉が全て真実であると言ってもらえたとはいえ、俺たちの罪がゼロになったわけじゃない。

それに対しての言及があるはずだ。


「静れ、皆の者。審判の儀はまだ終わってはおらぬ」


王の一括で静寂が舞い降りる。


「質問に対し、その者は全て真実で答えた。これより、最後の儀。その者達に与える罰を表明する」


そら来た。

はたして、どうなる。


「サイドよ。引き継げ」

「はっ! では私が引き継がせていただきます。その前に、貴方の名前をお聞かせいただきたい」


名前? 視線からして、それは俺に言っているんだよな。

なんのために俺の名前を?

ま、まぁ、名前を知らないのは不便であるけど、今から罰を実行しようとする相手の名前を確認することにどうゆう意味が?


「ユベル。と申します」

「ではユベル殿。貴方方に与えられる罰は」


ど、殿?


「特にありません」


執事さんはさらりと言ってのけた。

そりゃもうあっけなく。

はぁ?


「…………うっそ」


誰かが漏らした言葉、まさしく俺もその気持ちだ。

なぜだ? お咎めなし? 死罪になるような罪を行なった俺たちを、無罪放免?

んな馬鹿な。

そんな話があってたまるか。おかしい。明らかにおかしい。


「しかし、罰をなくして罪を償うことなどできません」


やはり続きがあるのか。

道理に合わないからな。いったいどんなことを。


「貴方方には、頼みたいことがございます。その頼みを聞いてくれるのであれば、貴方方の罪はなかったことといたしましょう、ということです。如何いたしますか?」


頼みたいこと?

ず、随分と低姿勢なことで。

俺たちに?

それをすれば、俺たちは無罪放免になるのか?

殺されないですむのか? みんなを守れるのか?

明らかにおかしい。罠かもしれない。

むしろ罠でなければおかしいようなそんな状況だ。


だが、待てよだ。

たとえどんな罠だろうが、それでもみんなを守れるのなら。


「やります。どんなことでも。その頼み事というのは、どのようなことでしょうか?」


助走込みで望んで飛び込もうじゃないか。

どんな困難だろうが、死ぬ気で攻略してやる!


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