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あのときどき

どこにいればいいのかわからない朝に

ミルクを温めて友達を待つ

嘘とは違う真実ともいえない言葉を交わすために

明日を生きるため呼吸をするのです


髪がのびたね、なんて他愛もない会話

毒にも薬にもならない一言を探しあぐねて

てのひらにおちた愛想笑いは優しいようなかなしいような


むかしとは違って

すこし遠くなった

へだてるものが変わっただけではなく

肩をくっつけて座ることはなくなって

息苦しさは感じないけれど

それが大人になったということなんだねと


外、という世界は、とても風通しが悪くて

もう手を繋いだりはしないけれど

あぁでも違う時間を生きる君が

たまに私を思い出してくれればいい、と思う


私たちは生きている

そうと意識しなくても

たとえば気づかずに居なくなってしまっても

とくにそこなわれるものは何もない関係になっていても

ともに過ごした時間がある

それにすがって生きているのだと


ねえ、これから、ではなく、あの時は、を語るための友よ

それでもこんなに優しくかなしい気持ちになれるのは

生きるということを受け入れた私をつくりあげた中に

手を繋いだという思い出があるからなのです




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