甘い思い出は卒業式に
みなさんこんにちは!アオです!
今日は連載ものではなく短編ものを書いてみました!
連載ものについてはまだ悩んでいる途中ですのでしばらくお待ちください。
さて、わたくしごとになりますがこの度学校を卒業しました。
年齢バレ防止のため何の学校かは言いませんがその記念として
書きました!それではどうぞ!
「川崎奈美」
少しばかり張り詰めた体育館に私の名前が呼ばれる。
「はい!」
自分でも思うほど威勢の良い返事をしてその場に立つ。
たったそれだけ……でもその数秒でも様々な思い出がよみがえる。
今日は、私が通っているこの高校の卒業式だ。
「五組伊藤竜馬」
「はい!!」
私と同等あるいはそれ以上の威勢の良い返事が体育館に響き渡る。
彼の名前が呼ばれると私は少しばかりうれしくなる。
竜馬、幼馴染であり長年恋心を寄せている人だ。
彼を見ているとたくさんの思い出がよみがえってくる。
学校ではクラスが違ってあまり話す機会がなかったがよくテスト明けや
休日、長期休みには一緒に出かけてたりもした。
思い出を懐かしんでいると自然と涙がこぼれてくる。
「答辞。卒業生代表、伊藤竜馬」
「はい!」
勇ましい返事とともに竜馬は演台へ向かって行く。
彼は成績優秀でよく勉強を教えてもらっていたこともあった。
周りからの信頼も厚く、頼れるヒーロー的な存在だった。
それに対して、私はたまに目立つくらいの普通の女子高校生。
でも幼馴染という関係があったからこそ時々される質問に
ごまかすことができたんじゃないかと思う。
もし幼馴染じゃないと釣り合わないし……
でもそんな関係もある意味、今日までなのかもしれない。
彼の答辞を聞きながらこの三年間を振り返ると同時に
この後の行動に緊張している。
私も彼も大学へ進学することは決まっているが別の大学だ。
しかも彼は東京にある大学へ行くため引っ越しをすると聞いた。
私は地元にある大学へ進学。今までほど、気軽に会える距離では
なくなる。だからこそ告白して遠距離でもいいから一緒に会って
一緒に話して一緒にいろいろなところへ行きたい。
そんな思いが日に日に強くなっていったのだ。
式は順調に進んでいき最後のHRとなった。
いつもはあんなに厳しかった担任もこの時間だけは目に涙を浮かべて
話していた。まさにもらい泣きをしてしまってクラス全員が
泣いていた。それほどまでにこのクラスで過ごした日々は楽しかった。
「先生からの最後の指導だ。全員幸せになれ。自ら命を投げ出すこと
など絶対に考えるな。もしそんなときがあったら先生が
怒鳴りつけるからな」
みんなが涙を浮かべながら笑う。
厳しい先生だったけどこうやって面白い先生でもあったのだ。
クラスの人と別れを惜しんだ後は写真を撮ったりして
これまで過ごしてきた校舎を見ながら学校を後にした。
「奈美、卒業式泣いてただろ」
ニヤニヤしながら私をからかってきたのは竜馬だ。
「そうよ、相変わらず竜馬は強いわね」
こうやって皮肉たっぷりで返してもいつも負かされてしまう。
でもそんなやり取りですら私は楽しい。
「まあ最後のHRは無理だったけどな」
さっきまでの勢いはなくなって苦笑いをしながら報告する。
「やっぱりそうよね……三年間長いようであっという間だったわ」
「だな、入学式の時は本当にお前のせいでどうなるかと思ったわ」
入学式、期待を胸に軽い足取りで高校へ向かおうとしていたのにその日
寝坊をしてしまって全力ダッシュで学校へ向かうとは……自分が情けない。
「でも竜馬がたたき起こしてくれればよかったのに」
竜馬は私の家の目の前でただ待っていただけで何もしていなかった。
「ああ、もちろんおばさんにたたき起こしてくださいって言ったよ。
それでも身支度をしていなかったのは奈美だったんだけどな~」
まさにその通りで何も言い返すことができない。
「……そんなこともあったわね」
その当時はかなり焦っていたけど今振り返れば笑える思い出話だ。
「だな、あとはあれだな。最初のテスト、ぼろ負けしてたよな」
「うっ、そんな前の記憶思い出さなくていいわよ」
怒涛の入学式から二週間後、高校で初となるテストが行われた。
範囲はまさに中学の復習だったのでこれなら頭の良い竜馬にも
勝てるかもと希望が湧いて勝負を私から申し込んだのだ。
しかし結果としては惨敗、三教科三百点中学年平均を超える二百十点を
取ることができたものの、竜馬は二百八十九点をたたき出していた。
あれは悔しかった。もちろんそれ以降勝負をすることはなかった。
「そういう竜馬だって一年の体育祭、完全にやらかしてたじゃない」
確かに竜馬は頭はいいが、運動能力に関しては並以下だ。
「まさか四位も転落するとは思ってもいなかったわよ」
一年の時は同じクラスで応援はしていたもののあまり期待はしていなかった。
三位というそこそこ良い順位で渡ったバトンが次、受け取るときには
まさかの七位まで下がっていたのだ。
「……何も言い返せない。でもあの時はありがとな。
奈美の運動神経にまじで助けられたよ」
七位で回ってきたバトンは私が受け継いで持前の足の速さを
使って四位まで上げることができた。それからクラスの人たちが
頑張ってくれて最終的には二位まで上がったのだ。
「あのときはどうなるかと思ったけど楽しかったわよ」
「それはよかったよ……あっ、二年の夏祭りはまじで驚いたな」
「ね!あの二人今も熱が冷めていないらしいからすごいよね~」
去年の夏、例年と同じように竜馬を誘って近くの夏祭りへ行ったのだ。
もちろん同じ高校の生徒が多くて祭りの後にいろいろ言われたが
それ以上に衝撃だったのが私たちの学年のクラスを持っていた
少しイケメンの男の先生と教員二年目の女の先生が恋人つなぎで
夏祭りに来ていたのを目撃したのだ。
普段、竜馬と恋バナをすることがなかったためわからなかったが
めちゃくちゃ興奮している様子で、結構恋愛とか好きなのかもしれない。
もちろん夏休み明けの学校ではその二人の先生の話でもちきりで
クラスのお調子者が実際に二人の先生に質問して付き合っている
ことまで確定していた。最近の様子からもその関係は続いているようだった。
「二年だとさ修学旅行めちゃくちゃ楽しかった!」
この三年間の中でも最も濃い思い出と言っても過言ではない修学旅行の
話題を出す。親友に手伝ってもらって私、親友、竜馬、竜馬の親友の
四人で一緒に人気テーマパークを回ったのだ。
「だな、奈美があそこまでお化け屋敷無理なのも面白かった」
笑いながら当時の状況を振り返る。
確か、竜馬の親友が"雰囲気出てきたからお化け屋敷行こうぜ!"で
始まった気がする。これまでお化け屋敷に一度も入ったことがなかったため
分からなかったが、私自身相当お化け屋敷は無理だったようだ。
涙目になりながら必死に出口まで走っていた記憶がある。
「あれは自分でも耐性が知らなかったから仕方ないの!
でも竜馬もジェットコースター無理だったんだね」
仕返しであざ笑うようにして私は言う。
「奈美と違って自分の耐性をわかっていたけどな……あいつが
無理やり乗せてきたからそれは仕方ないだろう」
まさに私の時と同じで発端は竜馬の親友だ。私も絶叫系はそこそこ
楽しめるため良かったが竜馬は完全に方針状態だった。
あの時は、本当に腹を抱えて笑っていた。
ちなみに修学旅行をきに、私の親友と竜馬の親友は付き合った。
もともと、竜馬の親友の片想いだったらしいが私の親友の方が
押しに弱くてそのまま付き合ったんだと。今では立場が完全に逆転して
私の親友が竜馬の親友を溺愛している状態だった。
恋愛ってここまで人を帰るものなんだと思った出来事だ。
「三年の文化祭は本当に大変だった~」
「あれは厄年みたいなものだよ」
私たちが口をそろえて言う三年の文化祭。学校が有名人を呼ぶことになって
文化祭実行委員の競争倍率はすさまじいものになった。
もちろん、私も有名人目当てでその競争に参戦した。
そして見事私は文化祭実行委員になりついでに言えば竜馬も同じだった。
しかし思っていたのとは違い、当日は大量のマスコミや一般来場者の
誘導案内がまさにきつかった。初めての試みということもあって
学校側の運営もずさんでこの年の文化祭実行委員はみんな口をそろえて
"二度と実行委員をやりたくない"と言うのだ。
「まあ、それ以上に大変だったのは受験だけどな」
竜馬は苦い顔をしながら話す。
「ね、高三に上がったときからずっと"受験受験"って
どうかしちゃうくらいだったよ」
「ま、そのおかげで二人とも第一志望に受かったけどな」
そう言って竜馬が笑顔になる。この笑顔が私は好きだ。
「この一年間、めちゃくちゃ頑張った!その努力が報われたね!
……竜馬は上京するんだっけ」
聞かなくてもわかっていることをわざわざ聞くのは
やっぱりどう切り出せばよいからわからないからだろう。
「うん、東京の大学だからな。お盆や年末年始には戻ってくるけどな」
「……なんか寂しいな十数年一緒にいたし」
「確かにそうだよな。小中高、それと幼稚園からか。
でもさ寂しくないぞ!これまで過ごしてきた日々は変わらないんだし」
「っ……あっ、あのさ……」
竜馬が頭の上に疑問符を浮かべる。
言わなきゃ、伝えなきゃ。
「そっ、そのっ……あ。あの」
言葉がのどに引っかかって出で来ない、しっかりしろ私。言うんだ。
「竜馬のことが……す、好き……」
私が全力を出して必死にその言葉を言うと竜馬は驚いた顔をしたのち。
「えっと……あ、ありがとう。そうやって言われたの初めてで
うれしい……けどごめん、奈美を恋愛対象として見れない」
その言葉は本当に残酷だ。たった一言のごめん。
その言葉が私の頭の中でリピートする。
「でも奈美と過ごすのは楽しかった。奈美のおかげでいろいろな
思い出もできたしずっと一緒で楽しかった」
やめてよ……そう言われるともっと好きになっちゃうから……
「うっ、うん。私もりょ、竜馬といると楽しいしうれしい」
泣くのを必死にこらえて私は言葉を探す。
「うん、お互いこれから大変だと思うけど頑張ろうぜ!」
「っ……うん!」
「じゃあまたな!」
涙をこらえて私たちは分かれた。
「……う゛……ん」
家に帰るまでの道、竜馬との楽しかった思い出がよみがえり
涙が止まらない……
「竜馬のバカ!!」
高校生活の終わりと同時に私の恋も終わった。
読んでいただきありがとうございました!
やっぱり幼馴染設定のものが好きで今作も幼馴染という
設定で書かせていただきました!
今作は二人の思い出をひっそりと覗く第三者の視点で書かせてもらいました!
よければぜひコメント(感想)やブックマーク、評価をよろしくお願いします!
それではまた別の作品でお会いしましょう!アオでした!




