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燃え焦ゆる胡蝶蘭  作者: 勿忘草
3/4

2話 藤が色づく頃に

あ〜よく寝た。あれ、眩しい。

「兼ちゃ〜ん。起きなさい。遅刻するわよ〜」

 ガタガタ

「なんでもっと早く起こしてくれなかったん?」

「何回も起こしたよ〜。そろそろ小串くん来るから早く準備しなさいよ」

「ん〜わかった」

 まぁなんだかんだ準備していたらチャイムがなった。

 (え、小串はや。待てよ。スマホよし、筆記用具よし)

「小串くんきたから早くしなさいよ」

「うん‼︎今いく」

 荷物を持って階段を駆け降りた。

「じゃあ行ってきます」

 玄関の戸を開けると小串が暇そうに立っていた。

「ごめん。寝坊した」

「おう」

 小串がニヤニヤしながらこっちを向いた。

「どうしたんだよ小串。なんかいい事あったか」

「いや〜別に〜紅っちが旭のことを係に誘おうとしている事を考えて夜遅くまで…」

『小串‼︎』

「急にどうしたの?紅っち」

「親に聞こえたらどうすんだよ‼︎親に言ってないんだから…」

「ごめん。ごめん。」

 僕らは家の前から動いた。家からだいぶ離れたところで、

「小串なんでわかったんだよ」

「なんでって…何年一緒にいるんだよ〜」

「それもそっか〜」

 急に小串がニヤニヤし出した。

「どうしたんだよ急に…」

「いや、やっと紅っちが気づいたか〜」

「なにをだよ」

「いや、なにも前準備をせずに告るとかあり得ないということを…」

「へへ、そんなに褒められても〜」

「褒めてない‼︎」

「まぁ、行こう」

「おう」

 まあなんだかんだあったが、学校に着いた。が、SHRが、始まる数分前になっても旭が来ない。

 キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ンキ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

「じゃあ始めるか〜。評議委員よろしく♪」

「起立。礼」

『お願いします。』

「着席」

ガラガラ

 全員の目線が扉に集まった。そこには、息を切らしている旭の姿があった。(か、可愛い。可愛すぎる)

「どうしたま望月。寝坊か?」

「違い…ます。バスが、…目の…前で…通り過ぎて…乗れなくて…」

「そうか今度から気をつけろよ。まあ座れ〜」

 く、息切れしている旭も可愛い。反則すぎるだろ‼︎

「んーとっ。1限目に自己紹介。2限目に係ぎめって流れでする。てことでSHR終了。1限目は8時40分から〜解散」

「…っち。紅っち‼︎」

「な、なんだよおっきい声出して?」

「なんでって、何回呼んでも反応せんかったじゃんこ紅っち」

「そうだったん?ごめんごめん。でなに?」

「そろそろ声かけても大丈夫だと思うよ?」

「ぼ、僕にもタイミングがある‼︎」

「お、ならガンバレ‼︎」

「おう」

小串は後ろ手で手を振りながら去っていった。

           旭   

 あ〜二日目から遅刻しちゃった。なんで悪目立ちするようなことしちゃうんだろう〜

「あ〜さ〜ひ‼︎」

「どうしたの? 理実」

「なんかね〜うちのクラスにめっちゃカッコイイ子がいる〜」

「惚れたの?なんて名前?」

 理実が言うんだったらな間違えないよね〜

 理実は苗字は東郷で可愛くって、強くて色々助けてくれる一番の友達。

「旭‼︎聞いてる?」

「うん聞いてるよ?」

「たまに自分の世界に飛んでるよねー?」

「うん…気をつける。で名前は?」

「え〜とっ仁科怜って子なんだけど…」

「どんな感じの子なの?」

「ん〜と。ボーイッシュでカッコイイと可愛いを持ち合わせている感じ〜」

「えっ女の子なの?」

「うん。あっ、時間やば‼︎また後で〜」

 パタパタと理実はかけていった。


           謙

  キーコーカーコン キーコーカーコン

「起立。礼。」

『お願いします‼︎』

「着席」

 く、旭が可愛い可愛すぎる‼︎

「よ〜し自己紹介始めるぞ〜。え〜と1番の伊具座からよろしく」

「せんせ〜」

「どうした?槇田‼︎」

「せんせ〜はしないんですか?自己紹介」

「おお、ありがとう。まず俺から始めよう。俺は飯嶋昌彦でここに勤め始めてちょうど3年目で教科は化学だ。質問あるやついる?」

「先生何歳?彼女いる?」

「34歳で結婚4年目、他ない?じゃあ仕切り直して伊具座よろしく」

「はい。僕は伊具座圭です。入りたい部活は弓道部です。よろしくお願いします。」

 なんか自己紹介聞くのって暇だよな〜早く終わらないかな〜

「じゃあ次」

 自己紹介って話すことってなくない?旭に話しかけるのってどんなのが違和感ないのかな〜話しかける話題ってなくない?どうしよう

「…‼︎紅林‼︎」

  ガタン

「は、はい」

「次はお前だぞ‼︎」

「はい、僕は紅林謙三郎です。え〜っと入りたい部活は今のところありません。よろしくお願いします」

「次」

「私は堀北時雨です。…よろしくお願いします」

 あと6人で旭の番だ‼︎早く来ないかな〜

「はい次」

「はい。私は望月旭です。文学部に入ろうと思っています。よろしくお願いします」

 か、可愛い。旭の自己紹介も聞けたし、なんていい日なんだろう。

  キーコーンカーコン キーコーンーカーコン

「はい各自休憩。休憩中に係決めておいてね〜」

 壮大な?ことを考えていた僕だが、旭を誘う事ができないまま、2時間目が終了し、撃沈。

 その後、小串にからかわれながら帰路についた。

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