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ショート×ショート インスタントヒーロー

作者: NATA

 僕のスーパーにはインスタントヒーローが売られている。

 簡単な事から専門的なことまでなんでもしてくれる。缶を開けると人間や動物などが現れて手伝ってくれる。

 例えば荷物運びからITの仕事まで様々だ。もちろん内容によって値段が高額になる。しかもたった1時間しか効果がない。

 だが、臨時の助っ人としてこれは使えると思った。言った事はなんでも叶えてくれる。

 ある時、画期的なアプリシステムを思いついた。これさえあれば大金持ちになれると考え、ウキウキしていた。

 しかし、人を雇うほどお金はない。そこでインスタントヒーローだ。これにアプリ開発をさせれば一気に稼げる。人を雇うより安い。今の時代、人工AIにコードを作ってもらえる。原理はそれとおんなじだ。

 早速、数缶使ってみてやらしたところ。見事にアプリが出来た。特に異常がなく、アプリは人気が出ていた。

 宣伝をたくさんし、口コミから僕が作ったアプリは誰もが使うようになり、一気にお金が舞い込んできた。

 さらに改修なども行い、ユーザーの満足度を上げていた。いつしか誰もが使うアプリとなり、ITのインフラとなっていた。僕は何億も稼いだ。そのお金はインスタントヒーローを使っていた。

 ところが改修したことにより、重大なバグが発生した。このままではユーザーを怒らせ、一気に人気がなくなる。僕は冷や汗を少し掻いたが、焦らなかった。何せインスタントヒーローがある。早速僕は「バグを取り除いてほしい」とお願いした。

 ヒーローは「分かりました」と言い、僕は安心した。しかしそれは大きな間違いだった。

 しかし、バグは取り除けなかった。いや、正確には違う。バグを取り除いたら新しいバグが発生した。

 僕はさらにヒーローを使った。

「お願いだ。このままだと会社に大きな損失が出てしまうどうにかしてくれ。」

「分かりました。任せてください」

 とヒーローは答え、その頼もしさに今度こそ大丈夫だろうと願った。

 するとバグは消えたが、今度はアプリの根幹を消してしまい、動かなくなってしまった。

 ああそうか、言った事はなんでも叶えてくれるからこそ。きちんと範囲指定しないといけない。プログラマーの友達が言っていた。「プログラムは指示した通りにしか動かない」極端な話、アプリそのものを消してしまえばバグが消えるんだとヒーローは考えてしまったのだ。

 僕は絶望の淵に立たされた。SNSでは僕のアプリは非難され、毎日眠れない夜を過ごした。

 ついには損害賠償を求められ、会社のお金を一気に失って目の前が真っ暗になった。

 安物買いの銭失いとはこの事なんだろう。僕の会社がなくなってまた貧乏な生活に逆戻りだ。

語彙力と表現力の訓練です。

感想頂けると幸いです。


お題

時計×ヒーロー

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