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儚い夢

「よーしじゃあいっちょ始めるか!」

「はい、よろしくお願いします」


リグルの陽気な声とは裏腹にメサニカの無機質な返答が返される。

リグルがふとまわりを見渡すとベリズリー邸の巨大な庭に植えられた少し伸びた木々が揺れていた。あたりには木々以外にはレンガで出来たら小さな小屋と存在感を放つ巨大な噴水以外には物干し竿しかなく、まさに自然を感じさせるものとなっていた。風は心地よさを肌に感じさせ、日は適度に照っている。まさに晴天としか言えない天気であった。    





時は数刻前。

一通りの挨拶を終えたベリズリーは今後の契約取引のためセバスチャンとに屋敷の応接室に入るとともに、リグルとメアリーにこの屋敷の使用人としての基礎をメサニカに教えるように命じた。

しかしながらメアリーは食器運びを実演しようとして10皿割り、その分の皿の買い出しに行かされたのであった。

そんなこんなでメサニカと1対1になったリグルだが、内心はとても喜んでいた。


(よっしゃぁ!こんな美人ちゃんと2人だからとか最高すぎるぞ!ここはうまく先輩として立ち回って、

「ほら、これはこうやってやるとすぐに終わるんだよ」

「やだ......!リグル先輩そんなこともできるんですか!素敵!抱いて!」

なーんて......!)


「リグル先輩どうされましたか?」


ニヤケ顔で俯いていたリグルの顔を下からメサニカが覗き込む。


「いやいやいやいやいやいや!なんでもないなんでもない!それより洗濯の仕方から説明するぞ!」


リグルは勢い良くメサニカと距離を取ると人差し指をピンとたて、講師顔で語り始めた。


「まずは洗濯物の入ったカゴを屋敷からそこのレンガの小屋まで運んできて中にある魔道具流水機(りゅうすいき)に入れる」


そういうとあらかじめ持ってきていた洗濯物を、成人男性の肩ぐらいはあろうか、中央に蓋がついた中が空洞の箱に詰め込んだ。


「流水機ですか。お初にお目にかかるものです。どう使うのですか?」

「簡単簡単!こうやって洗濯物を入れてふたをしめてっ...と、んでこの丸いボタンを押してあげるだけ!」

「なるほど、ほかに空いている穴は?」


メサニカは魔道具の右上に空いた穴に目をやる。


「そう!注意しなきゃならないのは、右上の紫色のゲージがなくならないよう適度に魔石を投入するか、魔力の入ったボトルを注入しなければならないってことかな」


そう言うと、リグルは紫色に光るゲージの横に空いた穴に、これまた紫色に光る筒を挿入した。


「これでよし...!これで3分もしたら洗濯されてるはずだ!」

「流水機、記録しました。これでもう大丈夫です。次にいきましょう」


そう言うとメサニカはスタスタとリグルを置いて歩き出した。


「えっ、まって!まだ洗い終わってないって!きいてる!?メサニカちゃぁぁん!」


リグルはこけそうになりながらもメサニカを追いかけるのであった。




「よしじゃあ、次は庭の手入れだ。」


やっとのことで洗濯を終えたリグルたちは次の仕事に取り掛かる。

ベリズリー邸の庭は広大であるため、定期的なメンテナンスを行わないと邸宅が木々で生まれてしまうのだ。


「俺の場合は風の第二術位魔法 <風の刃(ウィンドカッター)>が使えるから楽なんだけど。メサニカちゃんはどう?ない場合は中庭の掃除をしてもらおうと思うんだけど...」


リグルはそう言いちらりとメサニカの方を見る。


「私も魔法を使えます」


「お!じゃあこっちの木々をやってもらおっかな!俺が今から削るから見ててくれ。<風の刃(ウィンドカッター)>!」


リグルがそういうとリグルの手からかまいたちのような風が発生し木々の葉を同じ大きさに切り裂き、切った葉を運んでいく。


「最初は失敗してもいいから、丁寧に。切ったやつはおいといていいからね。」


「はい、わかりました」


そういうとメサニカもリグルと同じように片手を掲げ




「<火球(ファイアーボール)>」



と言い放った。

だんだん涼しくなってきましたね。作者はこんな気候が一番好きです。


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