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初戦闘!

一行が旧迷いの森に着くとそれをあたかも認識しているかのように木々が葉を揺らしざわめきだす。


旧迷いの森。

今でこそ歴代ベリズリー辺境伯により道が整備され、通行が可能となっているが、初代ベリズリー辺境伯がやってきたときは獣道のようなものしかなかったという。

そして道が通っている現在においても、辺境伯領の四分の一を占めるこの森は魔物が生息しているため移動には護衛が欠かせないものとなっている。


「そういえば、なんでビィがついてきているんだ?」

「リグルたちがゴブリンにやられないか心配できたんだよ!」

「お前なぁ...多分この中で一番戦力にならないのお前だぞ?」

「えっ?でもメサニカの姉ちゃんが...」

「メサニカは魔法が使える。話聞いてなかったのか?」

「えっ」

「使えます」


普段と変わらず無表情で言い切るメサニカ。

なんたって威力は実証済みだからな、と首を縦に振りながら納得するリグル。

自分よりか弱いと思っていた相手が魔法という才を使えることに驚くビィ。


それもそのはず、戦闘で実用性のある魔法を使えるものは10人に1人もいないのであるのだから。


「ちなみにメサニカの姉ちゃんは何術位まで使えるんだ?」

「第六まで」

「またまた〜。嘘言っちゃいけねぇぜ?よくて第三ぐらいだろう?」

「では、実践いたしましょう。〈高位炎槍(ハイフレイムランス)〉」

「ギギっ!?」


そう唱えると近くで彼女の頭上に五本の炎の槍が現れ、近くの茂みでで一同の様子を伺っていたゴブリンたちを貫いた。


「いつのまにゴブリンがこんな近くに!?」

「先ほどから視線が気になっていたもので、申し訳ありませんでした」


ゴブリンの死体は胴体に綺麗な丸い焦げた穴が開いていた。見るものが見れば、先程の術位はよほど繊細なものだったと分かるのだろう。


「ってそういえば、また木々に火魔術使ったな?メサニカ」

「はいすいません。ですがお屋敷に来る前の道中でも同じものを打ち込んだのですが全く燃えなかったので」

「あのなぁ...まあいい。この森の木々や草花は異様に火や炎に耐性がある。だからといって何発も燃やそうと思ってやるなよ」

「承知いたしました」

「ところでさらっと流したけど第六術位魔法まで使えるんだな」

「火魔術は第六まで」

「第六っていうとミスリルや、オリハルコンにいてもおかしくないぞ!?」


この世界では第十術位魔法まで言われている。が一般人が使えるのは第十術位魔法に分類されない生活魔法から第三術位魔法までだ。そして金銀級の冒険者並みのベテランが第四、第五術位魔法それ以上になるとやはり天才と呼ばれるミスリル以上になるわけだが、第七術位魔法を使える者が両手で数えるほど、第八術位魔法を使える者にいたってはなんと1人しかいないのであった。それにより第九術位魔法はまだしも第十術位魔法など本当にあるのかと疑問視されている。


「そんなに凄いものなのでしょうか?」

「すごいってもんじゃない!そんな魔法が使えたらなんでもできるじゃないか!」


ビィは興奮した様子でメサニカに憧れの眼差しを向ける。


「何でもですか」

「そうだよ!金も稼ぎたい放題だし名声も得たい放題だ!」

「それはいいことかもしれませんが...私は今シリウス様に使える身ですので」


そう言うと再び茂みに〈高位炎槍〉を打ち出す。

すると茂みから5体のゴブリンがやはり胸に空洞を開けながらバタバタと倒れていくのだった。


ようやくここまで漕ぎ着けました...

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