役割分担
会話の説明回が続きます
「緊急依頼かぁ、調査はしなくちゃなぁいけないよなぁ」
リグルはポリポリと頭を掻き毟る。面倒だ、と思っていることが表情からはっきりと読み取れる。
「お屋敷の仕事はよろしいのでしょうか?」
「あぁ、そのことか。屋敷の仕事は正直言って俺らはあんまり必要ない。なんせメイド長一人であの屋敷は回ってるようなものだしな」
「凄いお方なのですね」
「色々と大きな人だ。まぁあとは性格が穏やかであればなぁ...」
そういうと後ろを振り返る。そしてカウンターの裏や机の裏など一通りみるとリグルはようやく戻ってきた。
「なぁこのギルド内に俺ら以外の人はいるか?」
「私たち以外誰もいません!断言できます!」
「そうか?明らかな視線を感じたんだがなぁ...」
そう言い、もう一度念入りにカウンター裏など調べるリグル。エリーは誰もいないですばー、と言っているがそれでも疑いを捨て切れないらしい。
「それでお屋敷のことはよろしいとして私が呼ばれた理由はなんでしょうか?」
メサニカに呼ばれリグルはようやく話に戻る。
「おっと、そうだな、シリウスの考えてることはよくわからないが、おそらくは屋敷の人員を増やしメイド長の負担を減らすか、俺と共に外回りかな」
「屋敷にはメアリー様がいるのでは?」
「あいつは下手に働くと損害を生み出すから基本は今日みたいな買い物や魔道具にたいしての魔力の補充など簡単な仕事担当だ。...多分俺といるとき以外はメサニカもそうなるだろう」
「了解いたしました」
「ついでに言っとくと料理担当は背の高い黒い長髪のスズムさんという男の人の担当だ。あの人は基本調理時間以外は自分の部屋にいるから興味があったら行ってみるといい。まぁ少し言い回しが独特だがな」
「大丈夫です。私には全ての言語が習得されています」
「それは凄いな!もしかしたらそっちの方面で働くことになるかもしれないな!あとは、まぁ俺のことだな。俺は主に領内の安全を守るために戦っている...といえば聞こえはいいが単なる魔獣の間引きや魔獣に関する情報集め、あとは運良くボア系の魔物の肉を手に入れることぐらいだな。メサニカが攻撃系の魔法が使えるなら俺と共周りすることになると思っていたが...今日のを見る限り使えるらしいな。」
「はい。幾らかは」
「じゃあほとんど共周りで決まりだと思う。戦える人が増えて助かるよ。ある程度以上戦闘ができるのは他にシリウスとメイド長しかいなかったし...。だからこそ今回のような緊急クエストは調査しなければいけない。危険の芽を摘むためにもな。まぁ冒険者になるのはそこら辺をスムーズにするためだと思ってもらっていい」
そう言ってエリーにクエストを受けるというと3人は旧迷いの森は向かった。
少しだけ裏話を。リグルのいうある程度の実力というのは単独でオーガを倒せる人物のことを指しています。
村人はどうなの?と思う方もいるかもしれませんが彼らは一対二でゴブリンに勝てる程度でしかありません。それでも凄いですが。
図にすると
リグル≧オーガ単体=銀等級パーティー>>>>>ハンカ村人=ゴブリン2体>一般村人=ゴブリン単体
という感じです