第4話 準備
ーーーーーーーーーーーーー
「…ノートと鉛筆と、タオル、エプロンと三角巾とマスク…よしっ!忘れ物なしっと!」
畳の上に並べたそれらを指差しで確認してからリュックに詰めて背負うと、廊下を歩いて玄関へ向かった。
「美子様、もうお出掛けですか?」
玄関で靴を履いている時に後ろからそんな声が聞こえてきて、振り返ると先生が私を見下ろしながら立っていた。
「はい!今日はわたしの作ったお菓子を初めてお店に並べる予定なので、急いで行かないといけないんです!」
そう言ってから靴紐を結んで立ち上がると、先生が水筒とおにぎりの入った黄色の小さなバッグを差し出した。
「そうですか。怪我などはされませんように気を付けてお勤め下さい。」
…先生がこうしてお勉強しなさいと言うことなくお見送りしてくれるのも、お父様にお昼の分をきちんと夜にお勉強するからおばあちゃんのお店を手伝わせて欲しいと交渉した結果なのであった。
(…眠いのと闘うのは大変だけど、お兄様と一緒にお勉強できると考えればそこまで悪いことじゃないよね。)
差し出された黄色いバッグを見つめながら事の経緯を思い出しては乾いたような笑いを溢した。そして、笑顔を浮かべて先生を見上げた。
「ありがとうございます!それじゃあ行ってきます!」
お弁当とお見送りのお礼を伝えながらその黄色いバッグを受け取り、背中を向けて玄関の扉を開けた。そして、門の扉を少し開けて人がいないのを確認してから外へ出た。
「よしっ、それじゃあお店へ「おーい!美子ぉ!」
門を静かに閉めてそう言った時、聞き馴染みのある元気な声に呼ばれた。それに振り返って見ると、参道の方から走ってくる健の姿が目に入った。
「あれ?健、今日はお昼のお稽古ないの?」
「おう!何かじいちゃん、用事が出来たらしくてさ、しばらくは走り込みとか素振りを終わらせたら遊びに行っていいって!」
近付きながら嬉しそうな笑顔でそう言った健は、私の手を握るとそのまま手を引いて今来た道を走り出した。
「今日もばあちゃんの店に行くんだろ?なら早く行って手伝いしよーぜ!」
「うん!」
健も一緒なことに喜びながらそう元気な返事をして、後を追い掛けるように一緒におばあちゃんのお店まで走って行った。
………
……
…
「おばあちゃん!こんにちは!」
お店の扉を開けて大きな声で挨拶をすると、階段をゆっくり下りていたおばあちゃんがにっこりと笑顔を浮かべた。
「こんにちは、美子ちゃん。今日は健君も一緒なのね、嬉しいわ。」
「よっ!ばあちゃん!オレ、しばらくは手伝いに来られそうだから美子と手伝うかんな!」
健のその言葉に嬉しそうに頷くと、「まずはお掃除をお願いね。」と言って箒と塵取りを階段下の物置から取り出した。
「健、手分けしてお掃除しよう?わたしは拭くのとか座布団を綺麗にするから、健はほうきでお店と外を綺麗にしてね。」
「おう、任せとけ!」
長椅子に荷物を置きながら健にそう言うと、暖簾の奥の調理場へ入って食器棚の引き出しからタオルを一枚取り出して水に濡らした。そして、水が落ちてこなくなるまで絞ってお店に戻り、二人用のテーブルとお品書き、お会計をする机、ガラスのショーケース、窓、そして招き猫の置物の順に拭いていった。
「よしっ、今度は座布団!」
招き猫と一緒にタオルをお会計の机に置いてから、テーブル席の椅子に置かれた座布団を持ってお店の外で軽くポンポンと叩いた。
「ケホっ…よしっ、次はトイレ掃除!」
全部の座布団を叩いて椅子に戻し、物置からゴム手袋、洗浄液、ブラシの入ったバケツとトイレクリーナーを取り出して今度は階段横のトイレへ向かった。そして、トイレの蓋と便座を上げて、ゴム手袋を着けた後に洗浄液をかけてブラシで便器の中を隅々まで磨いていった。磨き終わってバケツに道具を戻すと、今度はクリーナーでトイレの窓と流すところのレバー、トイレの蓋と便座、床を拭いた。使い終わったそれをトイレに流して最後にトイレットペーパーの先を三角形に折って流れる汗を拭いて息を吐いた。
「…ふぅ、こんなもんかな?」
綺麗になったトイレを誇らしげに眺めながらそう言い、バケツを持ってトイレから出た。
「けーん!お掃除終わったー?」
大声でそう尋ねると、ちょうど玄関マットを置き終えた健が箒と塵取りを拾って頷いた。
「オレは終わったぜ!美子もか?」
「うん!ピカピカにしたよ!」
二人で物置に掃除用具を片付けながらどれくらい綺麗にしたかを言い合っていると、先に調理場で作業していたおばあちゃんに名前を呼ばれた。
「綺麗にお掃除してくれてありがとう。それじゃあ次はお菓子を作りますから、手をよく洗って準備をして頂戴ね。」
「はーい!」
「おう!」
おばあちゃんのその言葉に元気な返事をしてから、調理場へ行って丁寧に手を洗った。そして、タオルで手を拭き終えると自分の荷物の元まで走って行き、リュックからエプロン、三角巾、布のマスクを取り出して素早く身に着けた。
「…ふぅ、作り方確認しておこう。」
掃除で誤魔化していた緊張に深呼吸をしながら、例の「おりょうりノート」に書き込んだ黒糖饅頭のレシピを簡単に確認した。それから急いで調理場へ戻ると、エプロンと三角巾を着けた健と割烹着姿のおばあちゃんが待っていた。
「あれ?健、エプロン持ってきてたの?」
確か木刀以外何も持ってなかったような…?と疑問に思いつつそう尋ねると、健は首を横に振った。
「いや、ばあちゃんが貸してくれたんだ。」
「おばあちゃんが?」
ビニールの手袋を着けながらそう繰り返しておばあちゃんを見上げると、私の視線に気が付いたのかクスリと小さく笑って頷いた。
「ええ。娘が小さい頃に使っていたものだけど、お洋服が汚れるよりはと思ってね。」
そう言われて健のエプロンと三角巾を見ると、レースや小さなリボン、ウサギのアップリケが付いていて可愛らしかった。
「わぁ〜!ウサギのエプロンいいなぁ!でも健に似合ってるね!」
「そうか?美子の方が似合いそうだけど、ありがとな!」
はにかんでお礼を言う健に笑顔を返してから、気合いを入れるように拳を握っておばあちゃんを見上げた。
「おばあちゃん!今日はいつもより綺麗に美味しく作れるように頑張ります!」
誓いの言葉でも述べるかのようにはっきりとした声でそう言うと、おばあちゃんは柔らかく笑って頷いた。
「ええ、美子ちゃんならきっと作れますよ。楽しみにしてますね。」
「はい!」
元気に返事をしてから流し台の下に置かれている大きなボウル二つと小さなお鍋、冷やす用の容器と粉ふるいを取り出して容器はコンロの隣に、それ以外の器具は調理台の上に載せた。そして、冷蔵庫横の食品棚から薄力粉と粉の黒糖、重曹のタッパーを取って同じように調理台の上に載せた。
「えっと、まずは黒糖を煮詰めなきゃ。」
用意した器具や食材を眺めながらお菓子のレシピを思い浮かべ、黒糖の蓋を開けて作る分の量を丁寧に量って小鍋に入れていった。そして、冷蔵庫から北上山で汲んだ水を取り出して計量カップで量り同じ小鍋に注いだ。それを落とさないように慎重にコンロまで運んで火を着けた。
「中火、中火ー…あ、へらがない!」
火の調整をしている時に大事な物を忘れていることに気が付き、慌てて食器棚から木製のへらを取り出して小鍋の前へ戻った。
「お、落ち着いて…煮詰める時は、黒糖の塊がないようにするのと、焦がさないようにする…。」
バクバクする胸を落ち着かせながら、おばあちゃんから教えてもらった美味しくなるコツを唱えて木べらで黒糖を混ぜていった。
「…よしっ!火を止めて冷やす…あっ!冷やす用のお水用意してないっ!」
煮詰めた黒糖を小鍋から容器に移している時にまた大変な忘れ物に気が付いてしまい、急いでさっき調理台に置いた大きいボウル一つを取って氷と水道水を入れ、煮詰めた黒糖が溢れたり水が入ったりしないように気を付けながら移し替えたばかりの容器をボウルに入れた。
「…ふぅー…つ、次!えっと、重曹だ!」
度重なる忘れ物に落ち込みそうになるのを堪えて次の作業に取り掛かるべく用意した器具や材料が待つ調理台へと向かった。黒糖の時と同じくタッパーから作る分の重曹を量って粉ふるいにかけ、北上山の水を少量入れて溶かした。
「黒糖は…もうちょっとかな。」
まだ少し温かい黒糖にそう呟いてから使い終わった食材や器具を素早く片付けた。その間にすっかり冷めた黒糖に笑顔を浮かべて、さっき作った重曹水に加えてもう一度混ぜた。そして、そこに薄力粉をふるいにかけて入れ、白い粉が残らないように気を付けながら混ぜ合わせた。
「よ、よしっ!できたぁ…!」
なんだかんだで理想の形になった黒糖饅頭の生地に安堵の息を吐いてから、それにラップをして冷蔵庫にしまった。その時に、昨日おばあちゃんが作ったこし餡を取り出して調理台へ持って行った。
「これを30個に分けて丸める…ん?健、何作ってるの?」
一段落して余裕が出来たからなのか、同じ調理台で健が作業していることに今更ながら気が付いてそう尋ねた。
「ん?これか?確か月見大福ってばあちゃんは言ってたぞ。」
「月見大福?」
普通の白い大福と何が違うんだろうと首を傾げながら眺めていると、さつまいもを茹でていたおばあちゃんが手を止めて調理台に来てくれた。
「この月見大福はね、中に餡と栗を入れて作る大福なの。ほら、こうして割って見ると中の栗がお月様みたいでしょう?だから月見大福って言うの。十五夜から十三夜までの間だけに作るから少し特別な大福なのよ。」
「十三夜?」
聞いたことのない言葉を繰り返すと、おばあちゃんはこくんと頷いた。
「十三夜はね、十五夜の時に月の神様に願った収穫を感謝するためにお月見することを言うのよ。十五夜と十三夜、どちらか片方だけしか見ないと「片月見」といって縁起が悪いとも言われているの。」
「へぇ〜!お月見が一回だけじゃなかったなんて、知らなかったです!」
初めて教えてもらったことに興奮気味にそう言うと、おばあちゃんは「健君は大福を作るのとってもお上手なのね。」と言ってさっき割ってしまったお詫びかのように、求肥で餡と栗を包んであっという間に月見大福を一つ作ってしまった。
「さぁさ、お話はこのくらいにしてお菓子作りに戻りましょうかね。美子ちゃんは引き続きお饅頭をお願い。健君はそれを全部包み終わったら声を掛けて頂戴ね。」
「「はーい!」」
おばあちゃんの言葉に二人とも返事をしてから、「また後でね!」と言って冷蔵庫から取り出したこし餡をスプーンですくって丸め始めた。
「…28、29、30っと!よしっ!30個できた!」
並べたこし餡の玉がちゃんと30個なのか数えて確認すると、今度は流し台の近くに立ててあったまな板を一枚取って来ては粉を塗した。そして、冷蔵庫で休ませていた生地を取り出してその上に載せ、こし餡と同じように30個に分けて丸めていった。
「ふぅ、あとはこれを包むだけだけど、苦手なんだよなぁ…。」
おばあちゃんにこの黒糖饅頭の作り方を教えてもらってから早二週間経ったが、道具の使い方や食材の分量はすぐ覚えられたものの生まれつきの不器用さのせいでいつもこの餡を生地で包む作業だけが上手くいかなかった。
「…大丈夫!いっぱい練習してきたから!」
だからずっと、お店のお手伝いが終わった後に余った材料で練習したり、お家に帰った後に買ってもらった粘土で練習を続けて、昨日漸くおばあちゃんに合格をもらったのだ。その合格を自信の糧にして、指で軽く伸ばした生地の上にこし餡の玉を載せて包み始めた。
(…餡を溢さないように、でも生地を千切らないように…あと指の跡が残らないように、強く握り過ぎない…)
数々の失敗を思い出しながら同じことをしないように慎重に餡を押し込み生地を押し上げて、最後にお饅頭のお腹を摘んでひっくり返した。
「よ、よしっ!綺麗にできた!」
お手本と同じまん丸なお顔に感動するのもそこそこに、今の感触を忘れないうちにと生地と餡を取って黙々とお饅頭を包んでいった。
「…これで最後!全部包み終わったぁ!」
粉で白くなったまな板の上に最後の一個を載せて思わず万歳をすると、蒸し器の準備をしていたおばあちゃんが振り返ってクスリと笑った。
「それじゃあそれを蒸しちゃいましょうか。こっちまでお願いできるかしら?」
「はい!」
笑顔で頷いて自信作のお饅頭を載せたまな板を緊張しながらおばあちゃんの元まで運ぶと、おばあちゃんは蒸し器の一番上のお鍋と真ん中のお鍋にお饅頭を入れて霧吹きで水を掛けた。そして、お鍋を元の形に重ねるとその上に手拭いを巻いた蓋を被せた。
「後は蒸し上がるのを待つだけね。いつもよりお顔の綺麗なお饅頭だったから、きっと綺麗で美味しいお饅頭になるわ。ありがとう。そしてお疲れ様でした、美子ちゃん。」
そう言ってビニールの手袋を外したおばあちゃんはその手で私の頭を優しく撫でてくれた。黒糖饅頭の合格を貰った時と同じ温もりに、嬉しさと誇らしさを感じて「ありがとうございます!」と胸を張って答えた。
………
……
…
「…粗熱を取ったら後は冷蔵庫で冷やしてお終いよ。」
「なるほど…。」
「なんか栗が入ってねー栗きんとんみてーだな。」
芋羊羹の作り方を健と一緒に教えてもらいながら必死にそれをノートに書き込んでいると、不意にキッチンタイマーが調理場に鳴り響いた。その音に驚いて持っていた鉛筆を落としてしまったけど、拾うよりも先にタイマーが置いてある蒸し器の所へ急いで走って行った。
「お、おばあちゃん!鳴りました!おまんじゅうできました!」
ほら!と言うようにタイマーをおばあちゃんに向けると、芋羊羹を冷蔵庫に閉まったおばあちゃんがゆっくりと歩いて来てはコンロの火を消した。
「美子ちゃん、蓋を開けてみる?」
「…えっ?いいんですか?!」
いつもは水蒸気で火傷するかもしれないからとやらせて貰えない大役の申し出に驚きつつそう聞き返すと、おばあちゃんは「ええ」と言って頷いた。
「蓋を持ち上げる時に向こう側から先に水蒸気を逃して開ければ大丈夫よ。ただ、念のために袖は下ろしてね。」
「は、はい!」
そう言われて急いで捲っていた袖を下ろし、木の踏み台を一段、二段と上って蓋の持ち手を掴んで持ち上げた。
「っ…」
顔を覆う白い湯気の熱に耐えながら蒸し器の中を覗き込むと、ふっくらと蒸し上がったお饅頭たちがツヤツヤした顔で白い布巾の上に並んでいた。
「わぁ!綺麗に出来てる!やったぁ!」
上手に出来たのをとにかく見て欲しくて後ろにいた健の手を引っ張って台の上に上らせた。
「健、見て見て!綺麗でしょ?わたしが作ったんだよ!」
「おおー本当だな!ばあちゃんが作ったみてーにツルツルしてんな!」
私の作ったお饅頭を見て笑う健に嬉しさと誇らしさが膨らんでもう一度綺麗に出来たお饅頭を見つめると、おばあちゃんが蒸し器からお饅頭を二つ取って小皿に載せた。
「味見もしっかりしないとよ?火傷しないように気を付けてね。」
そう言って渡されたお饅頭を食べようとマスクを下げた時、おばあちゃんの分がないことに気が付いて慌てて自分のお饅頭を二つに割った。
「味見なら!ちゃんとおばあちゃんと同じで美味しいか、おばあちゃんも味見してください!」
半分のお饅頭をおばあちゃんに差し出すと、今まさに食べようとしていた健もお饅頭を割っておばあちゃんに差し出した。
「オレのもばあちゃんにやるよ!オレよりばあちゃんの方が味見になるしな!」
おばあちゃんは差し出された二つのお饅頭に少し驚いたような顔をしてから、小さく笑ってマスクを顎まで下ろしお饅頭を受け取った。
「…それじゃあお言葉に甘えて、いただきます。」
「いただきまーす!」
そう言って半分のお饅頭を食べたおばあちゃんと健を固唾を呑んで見つめていると、お饅頭を飲み込んだ健がにかっと笑った。
「うめーぞ!美子のまんじゅう!ばあちゃんのみてーだ!」
「ほ、本当っ?!本当に美味しい?!」
待ち望んでいた言葉をもう一度言って欲しくて健に詰め寄ると、二つ目を食べ終えたおばあちゃんが私の頭をポンポンと撫でた。
「とっても美味しいわ。甘くて優しくて、美子ちゃんの作ったお饅頭って感じね。」
「…おいしい…」
噛み締めるようにその言葉を呟くと、おばあちゃんがお皿の上に載せていた半分のお饅頭を取って私の口に押し当てた。強くなった黒糖の香りに堪らずそれを一口齧ると、おばあちゃんのお饅頭と同じようにちゃんと甘くて優しくて美味しくて、気が付いた時には大粒の涙を流していた。健は私の手を繋ぎながら心配そうに何度も私の名前を呼んでいたけど、込み上げる安堵の涙にただ頷いて答えることしかできなかった。
………
……
…
「健、お茶もっと飲む?」
「んーもういいや。」
今日売る分のお菓子を全て作り終えてお昼のおにぎりを食べた頃に健とそんなやり取りをしていると、二階に上がっていたおばあちゃんが下りてきて持っていた花の模様の羽織を一つずつ私と健に渡した。
「昨日漸く娘が使っていたうちのお仕事着を見つけたの。今日からはこの羽織を着てお手伝いして頂戴ね。」
「わぁ!お仕事着!ピンクのお花可愛い!健は青いお花でカッコいいね!」
羽織をまとって見せびらかすように腕を広げてクルクル回ると、健は「すげー似合ってる!」と褒めてくれた。おばあちゃんはと言うと、まるで眩しいものでも見つめているかのように目を細めて穏やかな笑みで私達を眺めていた。
「よしっ!今日も頑張るぞ!」
お花の羽織に気合いを入れ直して電気のスイッチの下に立て掛けてある「商い中」の木の看板を取って、外に置いてある四つ足の木の台の上にそれを立てた。そして、おばあちゃんが「はなのえん」と書かれた暖簾を店先に飾るのを見届けてから健と「せーの」と言って息を吸った。
「「はなのえん、開店でーす!!」」
続く…




