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第1話 リクとテル

第一話です。

魔法学校入学する……と思いきやまだ始まらない。詐欺タイトルですね。

2話から学校中心の話になると思います。ネーミングセンスがとことんないです。なんかいい名前思いつかないかなー


 荒れた大地。灼熱の砂漠を旅人の足跡が線のように伸びている。砂埃の巻き上がる中、フードを被り歩く2人の姿があった。


「焼けるぅ。こんがり焼けそうだよ。」


「安心しろ、ちゃんと骨だけ持って帰るからの。」


「俺食われるのかよ!」


「それだけ元気なら問題ないの。」


 出発してどのくらい経ったのだろうか。もう3日は歩きっぱなしだ。疲労も溜まりくだらない話でも盛り上がる。


「あとどのくらいかな?」


「今日中には着くはずじゃ。」


「うわ、それ昨日も聞いたよ。」


 ギクッとして知らんふりしてると地面が揺れ始めた。黒い塊が砂を巻き上げながら近づいてくる。が、10m手前で姿が消えた。


「……下だ!」


 足元の砂を突き上げ、黒い巨大サソリが襲って来た。黒く硬い甲羅に覆われ体よりも大きなハサミを持っている。


「お。今日は、蟹飯じゃな。」


「いやテル、どう見てもサソリだよね??」


「テルと呼ぶな!リク。飛ばせ!」


 手に足を乗せ、師匠と呼ばれている金髪幼女をサソリの真上に投げた。サソリは飛ばした幼女に目も追わず、真っ直ぐ俺に向かってきた。


「俺を喰う気なのか。元神様に対して、いい度胸してるじゃないか。」


 久々の猛者に顔がニヤける。巨大なハサミで首を狙われ、ジャンプして避ける際、フードが破けてしまった。空中に舞うと、もう片方のハサミで首を狙われた。そこを腰にあった刀を鞘を抜かずに受け止める。


「テル今だ!」


 上で待ち構えていた幼女が、太陽の光の中から現れた。気づいた時には、かかと落としをされサソリの甲羅は、粉々に砕け散った。

 テルを高く飛ばし、俺が受け止め、テルがとどめを刺す。これがいつも狩っている手順だ。


「あーあ、フード破けちゃった。」


「未熟者が。」


「無傷だしセーフでしょ。」


「服も体の一部。あの程度の相手に、かすり傷も恥だと思え。」


 この金髪幼女はテル。2年前に助けてくれた恩人で俺の師でもある。とにかく強い。話し方がババァ臭いが説得力はある。何故かわからないが、いつも白いワンピを着ている。わかりやすく例えると女版コ○ンだ。


 ちなみに俺はリク。一応魔導士だ。と言ってもほとんど魔法は使えない。ちょっとだけ剣技には自信はあるつもりだ。しかも僕は元神様だ。強い……と思いたい。


「どさくさに紛れてテルって読んだじゃろ。師匠って呼べって、いつも言っておるじゃろうが。」


「つい癖で。」


「次言ったらぶっ殺す。」


 見た目と言葉のギャップが酷い。


 食事も終え、残ったハサミや甲羅を持ち先に進んだ。これが役に立つらしい。山を超えると巨大な都市があった。鉄の壁に囲まれ中央には分かりやすいぐらい城のような建物がある。あそこが俺たちの目的地だ。街の入口には検問があり止められた。


「失礼ですが、身元の確認ができるものはありますか?近頃盗賊や魔物が増えていましてね。」


 少し離れたところにある見張り台からは、銃口が向けられている。俺らを盗賊か変装した魔物だと思っているのか。しかし、旅を出発したばかりで、ほぼ手ぶらな状態。


「すいません。旅を始めたばかりでして。」


「ならば、お引き取り下さい。身元のわからない者を入れる訳にはいけません。」


 うん。やっぱりこうなるよね。


「拾ったやつ。貸せ。」


 師匠が俺の背中に背負っていた、黒い甲羅の破片を取り、警備員に見せてみた。すると警備員達の態度が一変した。


「魔導士でしたか!申し訳ございません。どうぞお進み下さい。」


すんなり通してくれた。


「ねぇ……」


「ん?」


「師匠。なんでこのサソリの甲羅で検問が通れたの?」


「このサソリは悪魔だからじゃ。この世界で悪魔を倒せるのは魔法しかないからな。まぁ、あの警備はザルじゃな。」


 悪魔は人や動植物を襲い脅かしている。なぜ悪魔がいるのか、なぜ襲うのか、いつから存在しているのかも分かっていない。姿形は決まりは無いが基本黒、目から黒い涙を流す。


「悪魔食べちゃったじゃん!」


「オリジナルの悪魔は食えないが、元々普通のサソリだったやつだし、問題ないじゃろ。」


 腹壊しそうだか。味は悪くなかったし、まぁいいか。


「悪魔倒しただけで通れるの?」


「だから言ったじゃろ。ザルだと。悪魔が街に入り込んでいるかも知れん。気をつけるのじゃぞ。」


 僕らは宿を探すため中心街に向かった。色々な情報は旅に必須である。中央市場には新鮮な魚や野菜、肉が揃い賑わっていた。


「すごい活気だね。」


「ひとまず休憩じゃ。次の船は明日からじゃから、少し観光しみるか。」


「よっしゃー!」


 この街の色々な名所を回ってみた。公園や雑貨屋、見たことの無い空飛ぶ乗り物など見て回り楽しんだ。


 夜食も終え、すっかり暗くなってしまった。ちょっと飲み過ぎた。師匠も真っ赤だ。店の机からベッタリで動けなくなってる。お酒に弱いのにいっつもこれだよ。


「ちょっと飲み過ぎだよ師匠。」


体を揺らすが全く起きない。


「仕方ないか。」


 俺は師匠の軽い体を持ち上げ、お姫様抱っこした。これが一番持ちやすい。


「すいません。お部屋貸していただけますか。」


 カウンターのメイドさんに話しかけてみた。この店の二階は宿屋になっている。


「はい空いてますよ。食事と合わせて1500ベルです。」


 金貨一枚500ベルと数えるので3枚の金貨を出した。


「鍵はこちらになります。ゆっくりお楽しみ下さい。」


 微笑み照れながらこちらを見ている。


「いや、ただ寝るだけですから。」


「あ、失礼しました。」


 部屋に入りベッドに起き、俺も一息した。


「やっと目的地に着いたんだし、今日ぐらいゆっくりしようか。」


 外に月がある。この世界の月は沈まない。何故かはわかっていない。月を見ながらこの2年を軽く振り返ってみた。


 森で倒れていた俺は助けられた。怪我の完治を優先し看病もしてくれた。上界の事も話し力も貸してくれた。これ以上の感謝はない。


「恩は必ず返す。そして上界に戻り、ルシファを殺す。」


 だが今の俺にはそんな力は無い。半身の悪魔の体のせいか、全く神の力を出せなくなってしまった。だから神の対抗手段でもある魔法を学ぶためにきた。第一軍魔法学院。世界四大魔法学校の一つだ。


「明日は必ず入学しないと。寝るか。」


(リク……そんな体にした彼奴を恨むのもわかる。じゃがそれが、彼奴にとって思うツボなのじゃ。きっと彼奴は。)




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