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異世界失敗転生!? 元殺人鬼の青年は異世界で冒険者になるようです  作者: 平凡もやし
二章 二人組の盗賊、孤独な少女
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81話 『武器屋【竜羽】』

「いらっしゃい! ようこそ武器屋【竜羽】へ!」


「は、はい! いらっしゃいました」


 店内に入った瞬間に耳に聞こえたその大声に俺は少し驚きながら店内を見渡した。

 酒場宿屋【ベオ】からは徒歩二十分ほどのところにあり、冒険者組合(ギルド)からなら徒歩十分ほどの場所にある店、武器屋【竜羽】。

 店内を見渡して俺が最初に思ったことはとにかく店内が広いということ。

 今まで行ったときのある店ーールレット夫妻の宿屋やポーション屋【フェア】、酒場宿屋【ベオ】ーーのどれよりも広い店内には様々な種類の武器がこれでもかというほど置かれていた。

 剣、細剣、短剣、盾、槍、斧、手斧、戦斧、鎌、そのほかにも様々な、みた時のないような形をした武器ーー実戦で使えるのか?ーーも多くある。

 これが全て売り物、商品だというのだから驚きだ。

 俺は武器屋にある多くの武器に圧倒されつつまず店内に一人だけ立っている小柄な店員に声をかけた。

 武器の選び方などは分からないのでこういうことはその道の専門家に聞いたほうがいいだろう。


「ちょっといいですか?」


「ん? なんだ?」


「今日初めて武器屋に来たんですけど……武器の選び方とか分からなくて……このナイフと似たような武器が欲しいんですが……」


「初めて? そりゃ何買えばいいか迷うわな。今の時間帯は客が少なくて店はかなり空いてる。ほかに客もいないしそういうことならお安い御用だぜ! その武器ちょっと貸してみろ」


 言われた通りに俺はベルトから武器の錆びたナイフを外して店員に手渡した。


「あーこりゃひどいな……いったいどんだけ無茶な使い方したらこうなるのか……というかこの刃の形状からして武器に向いてないじゃねぇーかこのナイフ」


「(たった数秒見ただけでそんなことがわかるんだ……すごいな……!)……すごいな……」


 専門家ーー武器屋の店員が専門家なのかは不明だがーーのすごさを実感した俺は小声でそう呟く。


「これはもう修理するのは難しいな……新品を買ったほうが安く済むが……どうする? 新品を買うか? それとも何かこの武器に思い入れがあるってんなら無理にでも修理してみるが……」


「いえ、特にこれといってそのナイフに思い入れはないので新しいものを買いたいと思います。何かいい武器……できれば軽めのやつとか見せてもらえますか?」


「そうかい。よし、わかった。軽めの武器だな? ならついてきな。店内のいたるところに武器が置いてあるが短剣(ダガー)手斧ハンドアックスのような軽めの武器ならあっちにまとめて置いてあるぜ」


 店員は俺に錆びたナイフを返し、店内の隅っこの方を指差した。

 そのままそっちに向かって歩いていく店員に俺は慌ててついていく。


(今までありがとう……それなりに助かったよ)


 俺は錆びたナイフをベルトに付けた鞘にしまう。

 このナイフには今まで……といっても数日間の間ではあったが何度も助けられた。

 リトルゴブリン討伐の時にはこのナイフがなければ俺はまともに戦えなかっただろう。

 素手で戦えるほど俺に筋力はない。

 だから武器がなければいくつかの依頼で確実に命を落としていただろう。

 急所の場所がわかっていてもそこを突く武器がなければ意味はない。

 だから何度もお世話になったこのナイフに俺は感謝しかない。


(雑に使ってごめんな。お疲れ様)


 もう使いにものにはならないであろう今にも欠けそうな錆びた刃の武器をしまった鞘を俺は優しく撫でた。





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