75話 『転生神は仕事をサボる』
「ふっふふ〜ん♪」
「……上機嫌ですね……?」
「あ、わかる? やっぱりわかる?」
「理由を聞いてもいいでしょうか?」
「どうしようかなぁ〜? 教えてあげようか? 教えてほしい? ならしょうがないーー」
「チッ……やっぱり結構です。私は書類仕事に戻ります」
「ごめん! 調子に乗ってごめんなさい! お願いだから聞いて! 聞いてください!」
「……わかりました。ではなんでそんなに上機嫌なのですか?」
舌打ちをして仕事に戻ろうとする女神パターを慌てて止めた仕事をサボっている転生神アマス。
二人はいつもの真っ白な空間にいた。
いつもと違うところは空間内に机と椅子が置いてあり、机の上に大量の書類があること。
いつまでたっても仕事を始めないアマスが非常に楽しそう、上機嫌ーー仕事をサボっているくせにーーなのでパターは気になったのだ。
「えっと、また彼の話になるんだけど」
「彼? あーあなたが転生させた人間、モルスでしたか……? ……アマス様、あなたまだあの人間の人生を閲覧してるんですか? 気味が悪いですよ……」
「ぐはっ! 秘書の君に言われるとすごいショック! き、気味悪いって! 僕だってずっと彼の人生を見てるわけじゃないよ? なんかこの後面白い展開になりそうだなぁ〜ってところだけ見てるよ!」
「そんなこと言って彼が酒場宿屋というところで食事をとっていたところも見ていたじゃないですか……。『あのステーキ美味しそう! こっちの料理より美味そう!』とか『店主の人間優しいなぁ! うちの料理長より優しい!』って料理長のビューテさんに失礼なこと言ってませんでしたっけ?」
「ち、違う! あれはビューテの料理をディスってるわけじゃないんだ! ほ、本当だよ!」
必死になってパターの服の裾を掴んで何か他に言いたいことがありそうに涙目になるアマス。
「……何が言いたいのかはっきり言ってくれませんか?」
「お願いだからビューテにこのことは言わないでください! こんなこと言ってたのがバレたらビューテ絶対に拗ねて僕に一年ぐらい料理作ってくれなくなるのは間違いない! ……いや前もこんなことがあった時は十年だったっけ……? まぁとりあえずやばい!」
「そうですか、それは大変ですね。お疲れ様です」
「え……あのパターさん? ど、どちらに行かれるんでございましょうか!?」
「キッチンです。ビューテさんに伝えてきます」
「ちょっ!? 僕の話聞いてた!? ねぇ僕の話聞いてた!?」
「はい、聞きました。自業自得ですね。あと神であるあなたなら一年程度食事を取らないでも生きることは可能ですよ……十年は知りませんが……」
「ま、待って! パター!? おーい!」
魂の檻は今日も騒がしい。
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