67話 『捜索』
「一階探索班の人たちとランスさんを探そうとは言いましたけど……」
俺は洋館の右廊下を歩きながら廊下から見える部屋の扉の数を数えて驚愕と面倒臭さでため息をついた。
多いのだ部屋の数が。
絶対にこんなに部屋いらないだろうと思うぐらい。
「見えるだけでも部屋の数は五つ以上……一つ一つ部屋の確認してちゃどれだけ時間がかかるか……」
「五つ以上? ランタンの灯りで見える範囲には三つほどのドアしか見えないんだが……?」
「あー、その俺、暗いところとかには目がかなり慣れてて普通の人よりちょっとだけ暗いところがよく見えるんです」
「そうなのか」
そう口にしながら歩く俺は先頭に立ち歩くゴーグが『それスキルなんじゃ……?』と小言で口にしていることには気付かなかった。
俺、モルスは多くの人に命を狙われ襲われた経験がある。
指名手配されていたから当たり前のことではあるが襲われる頻度は異常だった……と今思い出しても自分で思うほど……。
一日に絶対、一回以上は誰かしらに襲われる。
朝、昼、夜と時間帯は毎度ばらつきがあったが特に襲われることが多かったのは夜。
夜、真っ暗闇の中、銃の発砲などの攻撃を避けながら走って逃げる日々を送っていたものだからいつからか真っ暗闇の中に目がかなり慣れて夜でも昼の時と同じぐらいにはあたりがよく見えるようになった。ある意味暗視と呼べるかもしれない。
そんな目で廊下から見える部屋をまた探していた時、俺はふと足を止めた。
「……ん? ゴーグさんちょっと止まってください。ここ。ここの部屋のドアだけなんでか開いたままです」
「なに? ちょっと待てランタンで照らす」
ゴーグが手に持っていたランタンを俺の指差した方向に向ける。
そこには俺が見えた通り、他の部屋のドアとは違いなぜか開けっ放し、開いたままのドアがあった。
一つだけ空いている部屋のドアには草原の中にある洋館並の違和感があった。
「もしかしてランスさんが入っていった……とか?」
「……その可能性は十分にあるな……入ってみてまずいと思ったらすぐに洋館から出る。いいな?」
「はい!」
俺とゴーグは真っ暗な部屋ーー普通の人からはそう見えるーーに足を踏み入れた。
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