56話 『闇ギルド【魔石】』
「闇ギルド【魔石】とは何か……だと?」
「モルス、本当に知らないのか?」
「すいません、全然知りません」
緊急依頼に参加することを決めた冒険者たちが外に用意された馬車に向かって行く中俺はゴーグとランスの二人に闇ギルド【魔石】とは何かを聞いた。
二人の反応からして闇ギルド【魔石】というのは知ってて当然のことのようだ。
「闇ギルド【魔石】のことさえ知らないとは……無知どころの話じゃないぞ? なんだ、君は世間知らずの貴族か何かなのかい?」
「ランス、それはないだろ。お前さんに聞くが普通貴族が冒険者になんてなるか?」
「無知ですいません……ヤミギルド? マセキ? について教えてくれると嬉しいです! というか教えてください!」
無知な自分を恥じて俺は二人に頭を下げて頼んだ。
☆☆
闇ギルド【魔石】。
多くの街の裏に存在するいくつかの大規模な犯罪組織の一つ。
闇ギルドという名の通り不正な取引などを行なっている組織。
そんな犯罪組織の中でも【魔石】はかなり有名な組織であり多くの街で犯罪を起こしている。
特に問題になっているのは闇ギルド【魔石】が行う不正取引するもの、記憶水晶だ。
記憶水晶は基本あらゆる街、国で売買を禁止されており、冒険者が依頼達成の証拠品として持ってきたものは厳重に組合が保管する。
それ以外、狩りなどで魔物を倒した際に落とす記憶水晶は街に必ず一つはある冒険者組合に持っていき譲渡しなければならない。
記憶水晶の中にある魔力を人間が身体に取り込めばその魔力に飲み込まれ50パーセントの確率で死亡。
もう40パーセントの確率で死亡せず、魔力に飲み込まれ変異する。
変異した人間は精神が壊れ魔力が暴走しているために非常に危険だ。
もう10パーセントの確率で取り込んだ魔力が身体に適応し、強大な魔力を手に入れる。
これらのどれもが危険だと考えられ、多くの街や国では記憶水晶の売買、取引、摂取は禁止されている。
闇ギルド【魔石】はそんな記憶水晶を不正に売買、取引しており、それを手に入れたものが記憶水晶を摂取することが原因で多くの問題が発生しているのだ。
闇ギルド【魔石】がどういった方法で記憶水晶を入手しているかは不明。
謎が多いこの組織について分かっていることはリーダーの名前と本拠地がアフォレスト街から少し離れたアフォレスト草原の近辺にあるということだけ。
アフォレスト近辺にある……と明確な本拠地までは分からなかったが今日、闇ギルド本拠地の捜索中に【魔石】のシンボルマークが書かれた塔を見つけたらしい。
「つまりは悪いやつってことか……」
元殺人鬼は話を聞きながらそう口にする。
話を聞いても危険性を全く理解していない様子のモルスにゴーグとランスはため息をついた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!ぜひブクマや評価、感想をくださると嬉しいです!




