47話 『全て事実の噂話』
困惑する俺を見て男たちはさらに笑い声を上げる。
だが簡単にではあるが俺がなぜ有名なのかについて教えてくれた。
「あの金ランク冒険者のランスに組合でわざと足をかけた新人冒険者としてあんたはこの街にいる冒険者の間ではそれなりの有名人なんだぜ? 知らなかったのか?」
「…………知らなかった」
自分の噂話がこの街でされていたなんて知らなかった俺は驚きで口を開けたまま固まってしまう。
しかも噂話というの普通人から人に伝わっていくほどに内容がどんどん変わっていくはずだがなぜか俺の噂話はまだ噂されてからあまり日が経っていない(二日しか経っていない)ためか全て事実だった。
「いやぁ〜本当にあれを見たときはスカッとしたぜ! なぁお前ら!」
丸椅子に座る男たちの一人がジョッキに入った酒を勢いよく飲んでから楽しそうに言った。
どうやら彼は実際に俺が冒険者登録をしていた時に組合にいたようだ。
「まさかそんなあんたに会えるとはな! いやぁ〜会えてよかった! そういえばあんた新人冒険者なんだろう? 知りたいことがあったら遠慮なく聞いてくれよ」
「まぁ魔法とかそういう難しい話に関しては俺たちも全く詳しく知らないけどな!」
「だな! 魔法以外の話ならどんとこい!」
そう言って男たちはまた大声で笑う。
(よかった俺が有名っていうのは悪い意味でじゃなかったんだな……!)
ランス……今日ポーション屋であった冒険者のことをちょっと思い出しながら俺はそう思う。
悪い意味での『有名』だったらどうしようと心配していた俺は安心して吐息をついた。
元いた世界、俺が住む街中で俺は悪い意味で『有名』で俺の噂話は街中に広まっていた。
もちろん全て悪い噂だ。
「皆さんもここに宿泊してるんですよね? えっと、そのときはよろしくお願いします!」
案外いい人そうな男たちに俺は頭を下げる。
もし何か気になることや知りたいことがあったら教えてもらおうと思う。
俺は男たちに「その服はなんだ?」「どこの街出身?」「冒険者なのに武器はどうした?」と質問責めにあってしばらくしてから俺は宿屋の階段を上がって宿泊する部屋に向かった。
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