表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界失敗転生!? 元殺人鬼の青年は異世界で冒険者になるようです  作者: 平凡もやし
一章 新たな宿屋と金《ゴールド》ランク冒険者
42/277

40話 『記録水晶《レコードクリスタル》』

「それで……話ってなんですか?」


 ポーション屋にある客室のソファーに座る俺は同じようにもう一つのソファーに腰掛けているランスに聞く。


「話といっても大したものじゃないんだが……」


「……そうなんですか」


(大したことないなら帰れよ)


 皮袋を見つけたことをソフィーに伝えようとした直前に来たランスに少しだけではあるが苛立ちを覚える。

 ランスは少し間を空けてから再び口を開いた。


「君は何者だ? モルス・ディアス」


「……何者っていうのはどういう意味ですか?」


 ランスが何を俺に聞きたいのかさっぱりわからない。

 何者かと問われても俺はただの新人冒険者モルスだ。


「そのままの意味……とは少し違うか……。君は最近アフォレスト大森林に行ったな?」


「アフォレスト大森林……はい。たしかにゴーグさんと一緒に行きました」


 リトルゴブリン討伐とビギナル草の採取のためにアフォレスト大森林には昨日行ったばかりだ。

 だけどなんでそんなことをランスが知っているのかが俺には不思議でしょうがなかった。


「なんで知っているのかって聞きたそうな顔だな……僕がそんなことを知っている理由はこれだよ」


 ソファーに腰掛けたままランスは身につけていたポーチの中から一つの白い布袋を出し俺とランスの間にあるテーブルの上に置いた。

 中にはなにかが入っているようだがなにが入っているかまではわからない。

 そして置いた布袋の口を緩めて中に入っていたものを取り出す。

 それはーー、


「? これなんですか?」


「これは記録水晶(レコードクリスタル)記憶水晶(メモリークリスタル)の中にあった魔力を移すために使うアイテム……といえばわかるか?」


 ガラスのように透明な色をした小さな水晶玉だった。


 記憶水晶(メモリークリスタル)

 その単語の意味はゴーグと一緒にアフォレスト大森林に行った時にも聞き知っているし実際に実物、リトルゴブリンの記憶水晶(メモリークリスタル)を見た時があるので知っている。

 魔物(モンスター)を倒せば必ず落ちるものであり、中に含まれる魔力には魔物(モンスター)が倒される瞬間の映像……記憶がある。

 そして記憶水晶(メモリークリスタル)を魔法で鑑定する事によりその記憶を閲覧でき、それを見て依頼達成かを判断。

 冒険者ならば誰もが絶対に覚えておかないとならない知識だとゴーグは言っていた。


 だけど記録水晶(レコードクリスタル)という単語は初めて耳にした。

 中にあった魔力を移す……つまりは魔物の記憶を移したものということだろうか?


「なるほど……まぁなんとなくわかりました」


「そうか……なら……見てもらったほうが早いな」


 そう言ってまたポーチに手を伸ばし何かを取り出すランス。

 取り出したのはなんの変哲も無いベルのようなもの。


「?」


「これは鑑定魔法が込められているアイテムだ。一日一回だけではあるが誰でも鑑定魔法が使える」


 簡単にベルについて説明したランスは軽くベルを鳴らす。

 するとベルの音が鳴ったと同時にいきなり記録水晶(レコードクリスタル)が青く光り出した。


 青く光り出した水晶からは映像が見えた。

 その映像が魔物(モンスター)の記憶だということがすぐにわかった俺は黙って映像に目をやる。


 映像にはーー、


「これって……! アフォレスト大森林でハイウルフと遭遇した時の……!」


「その通りだ」


 俺がゴーグに肩を貸し、ハイウルフを睨んでいる姿があった。





最後まで読んでいただきありがとうございます!ぜひブクマや評価、感想をくださると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ