33話 『皮袋を探したいのだが……』
「ここがフェアナさんの部屋です。本人にもし依頼を受けてくれた冒険者が来たら入れていいと言われているのでどうぞ入ってください」
「わかりました、失礼します……なにこれ!?」
「……やっぱりそう思います? 私もそう思います……」
「も、もしかしてお金の入った皮袋をなくしたって……ここでですか!?」
俺が寝ていた部屋から出てすぐに右に進むともう一つドアがありソフィーの後に続いて俺も部屋の入り口前から中を覗く。
ここがフェアナ、このポーション屋の店主の部屋……とは信じられないほど部屋には色々なものが散乱していた。
何冊も積み重なった本の山、ポーションの小瓶らしきものが何十本以上、理科の実験などに使うようなフラスコ、びっしりと俺では読めないような字で何かがぎっしり書かれた数枚の紙。
そんなものが部屋のあちらこちらに散らかっており、それは部屋の床が全く見えないほど。
「はい……ここです……」
「えぇ…………」
申し訳なさそうなソフィー。
俺は唖然としてしまう。
この、物が散らかり放題の部屋で一人皮袋を探す……いやいやどれだけ時間がかかるんだ?
というかなにをどうしたら部屋をこんなにぐちゃぐちゃにできるんだ?
部屋には本棚もあれば引き出しのついた机とタンスもあるようなのでただ単にフェアナ、店主が部屋の床が片付けをしていなかったからだけなのだろうか?
……にしてもこれはひどくないか?
地震があったのかと思うレベルひどい。
(これは皮袋……もとい財布を探す前に部屋の片付けしないとダメそうだな……)
部屋の隅々にある物を見ながら軽くため息をつきながら部屋の中に入る。
踏んでいい床のスペースさえ少ない……。
とりあえずはこの部屋の片付けをしないとな……俺は足元に落ちている二冊の分厚い本を手にとって近くの本棚に適当に入れた。
手にとった本の題名は『賢者の知恵』と書いてあるシリーズものの本のようだ。
(よかった……! もしこれでポーションとは一切関係のないような本が散らかっていたら本当にフェアナって人がポーション屋の店主か信じられなくなるところだった……!)
「! モルスさん、もしかして部屋の片付けをするんですか!?」
「片付けしないと見つかるもんも見つからないですよ……多分ですけどこの散らかった本の山の中とかに皮袋とかありそうなので……」
「な、なら私も手伝います! 私のせいでモルスさんには迷惑をおかけしましたし……」
「助かります……!」
「いえいえ、私の台詞ですよ!」
自由依頼、お金の入った皮袋を探す手伝い……だがその前に部屋の片付け、掃除をする必要があるみたいです……。
最後まで読んでいただきありがとうございます!ぜひブクマや評価、感想をくださると嬉しいです!




