9話 『ノック』
「疲れたぁ〜……」
冒険者組合から帰ってきた俺はルレット夫妻の宿屋、二階の自分の部屋でベッドに寝っ転がる。
冒険者登録をしにいっただけなのになぜかイケメンに絡まれたりしたせいで余計に疲れた。
窓から外を見ればすでに夜。
時間はだいたい7時ごろといったところだろう。
一階の酒場からは二階にいる俺にも届くぐらいの盛り上がった雰囲気が伝わる笑い声が聞こえる。
「やることも特にないしな……どうするか……」
俺はベッドに寝っ転がった状態から一度上半身だけを起こしてベッドに座った。冒険者組合でもらった身分証明書をポケットから出して見る。
ギルドカードに記載されている情報はそのもののランクとこなした依頼数、実績が書かれていた。
『銅ランク冒険者 モルス
成功依頼数0、実績なし』
さっき冒険者になったばかりだから当たり前だがギルドカードにはそう書いてある。
これから頑張らないとな……。
そう思っていると、
「モルスさん、いらっしゃいますか?」
「? ルールさん? はい、いますよ」
俺のいる部屋の前からコンコン、というノックする音とルールの声が聞こえて、俺はベッドから立ち上がりドアの前まで行き開けた。
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