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サン
風呂場からのテンドウのシャワーの音を聞きながら、カリカリとシャーペンを走らせる。
白と黒で統一された彼の部屋は白檀の良い香りがする。落ち着く香りだ。
テーブルに参考書とノート、ワークを広げて次々と問題を解いていく。簡単だ、つまらない。宿題はとっくに終わらせている、これはテンドウが教えてくれる大学の内容だった。
(これも解けると知れば、どんな反応するんだろうな)
褒める?撫でてくれるだろうか、笑顔を向けてくれる?驚くか?それともーーーー怯える?
「っ!」
ばっと顔を上げて天井を見る。
疲れているのかなんなのか、思考はだんだん悪い方へと傾いていく。
落ち着け、テンドウが俺に怯えるなんて、そんなわけ、ない、……とは、言い切れないよな。
「…おれ、なにを、こんな、怯えられるのが恐ろしいなんて」
テンドウに特別思う何かがあるわけでもないだろう。怯えられても嫌われても一向に構わない。構わないんだよ、別に。
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