forlornness──孤独
サテと。これからどうしよう?
俺は一応棄てられた身だからもちろん金もないし、食料もない。
今の俺の力ではすぐにセカイを壊すことも出来ない。。。となると。
とりあえず、SFじゃあよく設定上にいる魔物でも倒してどっかの商人に売ろう。
いやぁ、こういう時魔物ってモノは使い勝手がいいよな。だって、SFじゃあ当たり前の存在だしな。
そんなことを考えながら独学の風魔法でバッサバッサと魔物を狩っていく。30体を超えた頃。東の方から太陽が上ってきたから、商人を探すことにした。
最近は、上位魔法を使う人が少ないらしく、30体の魔物は1体約6050ゴールドほどで売れた。つまり、計18万ゴールドの収穫だ。だいぶ多い方だと思うのだが。
まぁ、数週間150体ほど魔物狩りを繰り返していると、生活費を抜いてもだいたい400万は集まるわけで……
なんだ、チョロいな社会。
まだまだ足りないと思い、そこから1年間ほど魔物狩りをしまくった結果。3億ゴールドほど集まった。
集まった3億ゴールドを使い、食料と魔力を蓄積できる武器を数千本買い、山奥でそれらの武器に自分の魔力を最大限に詰め込んだ。(意外とこの作業に時間がかかったんだよな。約1年6ヶ月も。)
そして、その1年6ヶ月分の疲労がもろに身体にきたのが1年7か月目。それから死んだように眠り続け、起きたときには寝てから早8ヶ月が経っていた。
我ながら身体に悪い生活だと思う。いや、ちゃんと睡眠や食事もとったんだよ?時々。時々。
そこからの俺の行動は早かった。
またまた風魔法で自分を飛ばし、世界各国に等間隔に武器を埋めた。
もちろん、人間のいるところに。
このセカイは、すでに数兆人以上─否、もっと多くもの人が魔物に殺されてきたから、魔物が多く住むところに人は近づかないようにしているのだ。
それを良いように使う。
そして俺は、父の父が治める国へ向かう。
有言実行ができるなんて、俺はなんて偉いんだww
さぁ、始めよう。
ゴーンゴーンと街の時計台が鳴り始めた。
俺は、あのとき押さえていた怒りを再び放出させた。
周りのものは吹き飛び、自分で何を考えているのかも分からない。
ただ、人が「第一王子の息子だ!王様に連絡を!」と言っているのが微かに聞こえた。
大正解。よく俺のことを覚えていたね。もう忘れていると思っていたよ。
まぁ、てめぇもすぐに消えるんだけどな。
右手の指を鳴らす。
パチンっ。1つ目の大陸が。
左手に火の魔力を溜め、放出。放出。放出。
パチンっ。2つ目の大陸が。
バコバコ壊れていく建物。そして、俺の近くに来ると塵になる。
パチンっ。3つ目の大陸が。
「フローネスなのか!」
誰かの声。
あぁ。祖父かぁ。
パチンっ。4つ目の大陸が。
「このセカイ中の騒動は全てお前のしたことなのか?!」
「騒動って大陸を壊していること?」
パチンっ。5つ目の大陸が。
「!!!!やっぱりお前が!
すまなかった!確かに我が醜かったのかもしれん、だがお前の両親は────!」
「永遠にさようなら。」
パチンっ。────────。
そして、このセカイに人間はいなくなった。
フローネス以外の。
「?!
なぜだ!計算では俺も一緒に死ぬことができたはずなのに!」
目の前に広がっていたのは荒れ果てた砂漠だった。
「は、はははは。
振り出しに戻ってるじゃねーかよ。
なんだよそれ。しかも、今回は目的も作れないんだけど。最悪じゃん。俺、これからどうやって生きればいんだよ。」
彼は1人で嘆いていた。
我ながら展開が早すぎると感じた…