forlornness──孤独
彼はそこにいた。
きっと今も独りでいる。
荒れ果てた砂漠。そこに彼はいた。
彼の体からは膨大な魔力があふれでていた。
その魔力によって半径1㎞のものは全て塵になった。
彼は吐き出していた魔力を押し込めて、歩き出した。
憎い。ただただ憎い。
母を殺したあの大きな権力。その権力にただ動かされていた奴ら。無実だと知っていながら見て見ぬふりをし続けていた奴ら。
父を奪ったあの双眸。何も知らないくせに知ったかぶりをして父を傷つけた奴ら。冷たい目をむけ批判し続けてた奴ら。
そして、両親を助けることが出来なかった自分。
俺は、フローネス。一応王族だった。『だった』。今は16歳にして独り身。母は、父の父(一応この国を治める国王様)に殺された。父は心の癒しであった母を失い、周りから冷たい目で見られて自殺した。
残った俺はどこかの森に棄てられたらしい。よく覚えていないのだ。なにせ、俺の怒りが魔力になり、辺り一帯を砂漠になってしまったのだから。
ここに人はいなかったかって?そんなの俺が知ったこっちゃない。もう王族ではない俺が気にすることではない。
それにここにいた人も奴らと同じ。母を殺すことに反対しなかった、父を冷たい目で見ていた、傍観者。
俺は、決めたんだ。
このセカイに人間なんて醜くて汚いものはいらない。
クズしかいないクソのクソみたいなセカイを終わらせると。
あいつらの築いたこのセカイに復讐してやると。
格好いい言い方をしてみると、俺がこのセカイに終止符をうってやる!
きっとこれはとても短いお話になるだろう。
さぁ、壊しにいこう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
彼がいった通り、とても短いお話になると思います。