after the simulation
11.after the simulation
ログアウトするとまた目の前が真っ暗になりそして2、3秒して明るくなった。
「どうだった?」
現実に戻るとまず梨花さんが笑顔で聞いてきた。
「こんなのゲームじゃないですよ!!ロボットで戦うなら痛みなんて必要ないですよね?!」
「それは......。まぁいつか必要になるかも知れないから一応ね。」
――――そんな痛みなんて俺たち自身が戦うことさえなければ必要なんて......。まさか......まさかね......。
まだ心にもやもやしたものが残っていたが無理やり納得して落ち着いた。
「とにかく明日から1個は必ずmissionクリアしてよ?」
「マジですか?!今日あんなにダメダメだったじゃないですか?」
平然な顔で言ってくる梨花さんへの驚きが隠せなかった。
「まぁ慣れれば簡単よ!じゃあ今日はもう帰っていいわよ。」
「......はい。」
帰ろうとしたとき剛士さんがいないことに気がついた。
「あ、そう言えば剛士さんはどこですか?」
「言ってなかったっけ?剛士は科学者兼戦闘員指導者なのよ。今もたまに戦闘員として戦うことはあるらしいけど。」
「そうだったんですか!?」
だからあんなに安心感があったのかもしれないと思った。
「うん。だからあんたはちょーラッキーだって言ってんの!」
「じゃあ剛士さんの能力とか教えて下さいよ。」
「......う~ん、それはちょっとな~。またこんどでもいい?」
「なんか今日隠し事多くないっすか?」
「え~別に~?」
こうして俺の戦闘訓練が始まった。