mission①
9.mission①
tutorialを終え、目の前がまたしても真っ暗になり、パネルには「ロード中」と書かれていた。
再び明るくなると、「あなたの特殊能力を確認します。」と書いてあり、パネルをさわると「あなたの特殊能力は......【コピー】です。」とでてきた。
「凄いじゃない、伝説の能力よ。」
棒読みの梨花さんの声が頭に響く。
「あの~これ、絶対仕組みましたよね?」
「あ、ばれた?まぁけどあなただから特別にその凄い能力を渡したのよ。」
「俺だから......?」
「そう!この能力、現実の体にも相当な負担がかかるの。だから、あなたの体だったらいくらでも替えが聞くの。あ、けどあなたがやりたくないなら別にいいんだけど......」
――――ロボットでも負担はかかるのか......?
「......そうですか。初心者の俺にやらせるくらいなんだからこの能力が不足してるんですね?」
「うん......。負担が大きくてみんなこの能力を拒否するの。」
最近けっこうみんなの言葉がきつい気がするが、まぁしょうがない。それに世話になっている身なので断る訳にもいかない。
「わかりました。少し嫌ですけどやってもいいですよ。」
「本当!?ありがとう!!じゃあパネルに触れて確定を押して。」
「はい。」
梨花さんの指示に従って能力を確定させた。
すると画面には、「mission」(ミッション)「online」(オンライン)「equipment」(装備)の3つがでてきた。
「どう?楽しそうにできてるでしょ?」
「はい、ゲームみたいです。」
「でしょでしょ!まぁまずやってみて!あ、初心者だから「mission」からね」
「mission」を押すと「stage1」が一番上にでてきた。まだその下は真っ黒だったが、「stage1」をクリアすれば「stage2、3、4......」と続くことはなんとなくわかった。
「stage1」を押すと「1‐1」〜「1‐10」まででてきた。
――――まぁまずは「1‐1」からだろ。
そう思い、「1‐1」を押すと最初の草原の風景になった。パネルにはクリア条件が書かれている。クリア条件は「敵1体の撃破」だった。確認したら邪魔なので、パネルをしまった。
しかし、見る限り敵はいない。立ち止まって油断していると、次の瞬間どこからか乾いた音が聞こえた。「ヒュン」と風の音がしたので真横を通ったのだろう。
俺は硬直していて全く動けそうになかった。現実じゃないことはわかっているがリアルすぎて「本当に当たったら死ぬんじゃないか」と思えてしまうほどだ。
「梨花さん、僕無理かもしれないです......」
心の声がポロッとこぼれてしまった。