Best friend
6.Best friend
寮に戻ったあとも、まだ気持ちの整理ができていなかった。
「おい、どうしたんだよ?」
ずっと黙って座っていると、同い年くらいの男性が話しかけてきた。この男性は武田 吉宗といい、寮の人たちの中で一番仲が良かった。
「いや、別に......」
「遠慮すんなよ。こっちの世界のことは俺の方が詳しいし、人に話せば楽になるっていうだろ?」
「そう......だな」
そうしてさっき梨花さんに言われたことを話してみた。
「自分が自分でない気がしてならない??そりゃそうだろ?人格以外おまえのじゃないんだし。」
「まぁそうだけど。なんか変な感じなんだよ......。」
「そうか......。けど、なんか深く考えすぎな気がするぞ。今まで普通に生活してきただろ?それに元から違う人の体をかりてるのはわかってたことだろ?もし梨花さんが違う答えをいっていたらお前は悩まなかったのか?」
「......いや。」
「結局悩むんなら、もう今まで通りでいいんじゃないか?そんなに考え込むなよ。」
「ああ、そうだな。ありがとう、スッキリしたよ。」
そう言うと吉宗はニコっと笑い去っていった。