・閑話休題 戸部アザミの憂鬱(参考データ)
米・本編ではありません。作中の情景を楽しくイメージするための参考資料です。
この物語はフィクションです。実在の土地や建造物とは関係ありませんが、参考にしています。オマージュです。インスパイアザネクスト日立です。パクリではありません。
物語の中心となるコーポ田辺こと京也要塞は、小田原線の成城学園前と祖師谷大蔵の中間あたりに存在します。そう、彼は世田谷っ子。大都会民なのです。
(ネットを使い、航空写真を見られる人はここで参照のこと)
作中で手に入れた96式装輪装甲車。長さ7m、横幅2.5m、高さ1.8mの装甲車ですが、こんなもので世田谷の細道を走行させられる彼女の苦悩はいかばかりなものでしょう?
さらに、その視界は極端に悪く、7mの長さの生み出す内輪差はちょっとしたトラック。いえ、まんま大型トラックそのものです。大型トラックよりも、さらに横幅が太いんですよね。
大型免許を持っていても、あの視界の中で走らせるのは困難でしょう。少なくとも私なら逃げます。母は強しですねぇ。
次に、可能なら航空写真を最大に拡大して世田谷の住宅事情を見てみましょう。
猫の額のような庭と言う慣用句がありますが、猫の額のようなお家が立ち並んでいるのが解ると思います。(おっと、ここで注意。世田谷区民の皆様、貴方のご自慢の家のことではありません。俺の家は大邸宅さ! 隣の家は猫の額だがな! と、口にしておきましょう)
これで京也がどれだけの建材Zを積み上げたか解る事でしょう。
径100mの中に家がミッチリ詰まってて、一周しなくても笑える。ぶはははははは。
次、世田谷区の人口ですが、89万人です。えぇ、89万人なんですよ。この面積に。
Z密度高すぎ。ンドゥバくんには奥多摩に逃げろと説明した京也の論説。おわかりいただけたでしょうか?
こんな人口密度と道路事情ですから、車は死亡フラグです。
車両に荷物を積んで逃げたばかりに、詰んでしまうこと大うけあい。一台でも止まれば、復旧すらままなりませんから。
警察の方々が日頃から口を酸っぱくして、災害時に車で逃げるんじゃねぇよハゲ!! と、言っている意味が解ると思います。
後日、緊急車両が通れなくなりますからね。復旧も困難になります。
こんなところで車が詰まったなら、戦車でも通れんわ。そもそも道幅が足りんわ。
もともと戦車がアスファルト上を走っちゃ駄目なんですけどね。のっとアスファルト、いえすコンクリート。北海道は戦車が走れるよう主要道路はコンクリートで造られています。
96式装輪装甲車はタイヤ仕様なので、なんとか自走して運んでこられたんですね。
かわりに不整地。つまり土の道路上ではすぐにスタック(はまる)して、動けなくなるそうですが。
ほぼ日本国内専用車なんですよ、これ。幅2.5mも、道路交通法上、走らせるのに特別な届出をしなくても良いギリギリの最大幅なんです。
戦闘の舞台となったロケーション。元自衛隊と元警察官の合同強盗団の根城ですが、成城警察署です。あくまでモデルです。現実の(以下略
最近はストリートビューで見られますから、どんな戦闘要塞になっていたのか想像してワクワクできますね。
環八沿いなので、放置車両の撤去も簡単ですし、良い立地です。
一目見たとき、おぉ、この建物カッケー、城ッペーと思ったので、友情出演していただきました。
道の裏側や横から覗いたとき、うわぁ、攻め落としやすそうとも思いましたとさ、まる。
成城警察署さん(擬人化)、ありがとうございます。デザイナーの人、ごめんなさい。この高田の脳天を撃ち抜いて下さって構いません。
この壁面をゆっくりと、ジワジワと、多数のゾンビが這い登ってくる様子は恐怖でしょうなぁ。
ワールドウォーZは楽しいゾンビ映画ですけど、ゾンビ組み体操はやりすぎだったと思います。下の段のゾンビさんが可哀想。
イケメン葉山誠司が立て篭もっていたデパートは二子玉のイメージです。
セレブな奥様方に大人気のデパ地下スポットですから、生き残りに女性比率が高いのも納得です(そうか?)。読者のツッコミを代弁しておくこの高田の優しさ、褒めて良いですよ?
東京という地方に明るくない方、つまり田舎者に説明しておきますと、東京の街は割と狭いんです。
ちなみに都会とは京都のことなので、田舎者扱いされた方は京都の人に文句を言ってください。
京都以外は全て田舎ですから。文句はどうぞ京美人に。
では、本筋の説明ですが、みんなが大好き渋谷の街。そして新宿。
実は3.5kmしか離れていません。徒歩で一時間かからない距離でしょう。
新宿と池袋、これ、4.5kmしか離れてないんですね。
毎日10kmウォーキングする方なら、二時間程度で楽勝です。
イメージとしては……10kmほど巨大なイオンモール(屋根なし)が続いてる感じ、でしょうか?
わりとコピペされた風景で、二度行けば、三度目は行きたくなくなる程度の風情の無い……おっと、これは京都人の感想ですよ。高田は東京の街を愛しています。
ついでに口にしておくと、アニメ大好き秋葉原と皇居、実は2kmしか離れていません。東京駅も同じです。なにせ皇居とほぼ同じ場所ですから。
憧れの銀座も東京駅から500mの範囲内にあります。
なにかと有名な自衛隊市ヶ谷駐屯地ですが、防衛省も隣接しているのでここがジャパンのペンタゴンです。これが皇居から2km。川を挟むのでどうしても展開が遅くなってしまうのですが、強引に展開するのなら自衛官の足で10分もかかりません。
銀座から1kmほどしか離れていない皇居ですが、陛下がご無事だったのは、こういう理由があったんですね。とにかく抱えられる武器を抱えて死ぬ気で走れと命令された方々が居た事でしょう。
他所様の話はさておき、皇居の南西には堀を挟んで国会議事堂が存在しており、善人の巣窟、永田町も御近所です。やっぱりここにも走らされたことでしょう。
まぁ、そんなつまらない場所はどうでも良いのですが、国会議事堂から道を挟んで建っている建物。こここそが日本人最大の敵、東京の特許庁です。
東京特許許可局。そんな局は実在しないのですが、該当する建造物といえばココになるはずです。
さて、そんな東京特許許可局。秋葉原から3.5km。渋谷からなら4.5km。ナウなヤングにバカうけの原宿なら4kmしか離れていません。
結局、東京という街は様々なものが皇居を中心にして5km圏内に収まる具合なんですよ。
仕事場まで一日に車を20kmやら50kmを走らせる人ならば、その異常な密度がご理解いただけるかと思います。
なんだか、1/10スケールのプラモデルみたいな忙しない田舎です。(脳内京都人談)
作中で俺TUEEEEを見せてくださった機動隊ですが、その所在地、わりと新宿区に集中しています。やっぱり市ヶ谷駐屯地に隣接する形ですね。
彼等の最強装備は盾。作中ではアクリルの盾と表現していますが、正確にはポリカーボネイト製の盾です。受けてよし、殴ってよしの暴徒相手には最適の盾でライオットシールドと呼ばれます。
直訳は暴徒盾。
相手の攻撃を防ぎながら、ウッカリ足の甲を潰したり出来ますから、貴方が暴徒になった際には迂闊に近寄らない方が良いでしょう。
機動隊さまの御気分が優れないと足の甲がグチャリといきますよ?
もちろん事故です。あくまでも不慮の事故です。透明の盾だからって舐めちゃいけません。あなたの足の甲よりはずっと硬いんです。機動隊さまは貴方に押されてバランスを崩しちゃっただけなんです。
この盾、9mmパラベラム弾、普通の拳銃程度なら防ぎます。ライフル弾は無理です。SAKURAちゃんは鼻で笑われる始末です。
とりあえず、暴動するなら最低限アサルトライフルを用意しましょう。拳銃弾を流用した短機関銃程度で調子に乗ってはいけません。全弾防がれて泣きを見ますよ?
ゾンビ相手には大人気のショットガンですが、一発一発の弾が丸く、さらに分散するので、これも防げるそうですね。あれは貫徹力に優れた弾ではありませんから。
鉛玉による環境汚染に気を配った、エコロジーなステンレスの弾丸だとちょっと危ないかもしれません。そこまでして銃を撃ちたいか? 撃ちたいよね、男の子だもん。
さて、話は戻って道路の話。
作中、3kmや5kmなど非常に短い距離が出てきますが、東京の道路事情、放置車両を計算に入れた上での数字となっております。
親亀こければ子亀もこける。前自動車止まれば後ろ自動車止まる。大渋滞。その後ろからはZの群れが怒りに狂い、地を埋めつくす大波となって押し寄せて来た。……そう大ババさまは語りました。
自殺ですよ自殺。いくら優秀な機動隊さまや自衛隊さまが居ても、民間人が邪魔をしたせいですよ。アイツら、Zのためのバリケードを自ら作りやがったんだぜ?
そんな世田谷の細道を、大型トラックよりも大きい車なのに運転させられるアザミさん、超可哀想。
そんな閑話休題でありましたとさ、まる。




