・閉幕休題 田辺キューヤの憂鬱(後夜祭)
米・本編ではありません。作中の情景を楽しくイメージするための資料です。
ついでに、物語全てにおける長い長いあとがきを含めます。
多くの方には申し訳ないのですが、IFストーリーラインはヒロインの差ではなく、子供ENDと大人ENDの区別なんです。誰とくっつくかよりも、実はもっと重大な分岐点がありました。
作中、大久保さんが口にしていた人命を乗せる心の天秤です。
本編でのENDは、外界から逃げ出して母さんと二人だけの小さな幸せに集約した。
ように見せかけながら、実は田辺京也さんから世界を守るために自分自身を封印したEND。
無垢なZの思考を知り、六十億の人命を弾丸にした銃を抱えてしまった少年が、自分の暴挙から世界を守るために自分自身を封印した。これが本当の顛末なんです。
エリカのENDは、子供という掛け替えの無いものを手にしてしまった。
だから、無垢なZくんを騙し討ちする形で、六十億の人命を弾丸にした銃のトリガーを引いた。
少年には引けなかったトリガー、父親には引かなければならなかったトリガー。
これがIFの顛末なんですね。
高田の人のお気に入りに『運命のボタン』という映画があります。
とある子供を持った夫婦のもとに一つのスイッチが配達されました。
押せば百万ドルを手にすることが出来ます。ただし、貴方の知らない誰かが一人死ぬ。
押しますか? 押しませんか? タイムリミットは24時間です。こんな映画です。
京也くんの手元には一つのスイッチがありました。
押せばZくんを死滅させることが出来ます。ただし、貴方の手の届かない誰かが何十億と死ぬ。
押しますか? 押しませんか? タイムリミットはZくんの気紛れ次第です。
その日は、明日かも、百年後かも、永遠にその日は来ないかもしれません。
人類六十億を生贄にしてでも、知己の誰かを助けるか否か。
それはもう、人間が抱えきれる、抱えて良い選択肢ではありません。
そこで前書き、――――なら、君が神様になればいいよ。と、来る訳です。
まぁ、誰にも気付いて頂けない、高田の人の力不足なんですけどね。あはは。
小難しすぎる話になるので、IFは書かないつもりだったんですが、田の人が書けってさ。
その上で、読者には、最も素敵だと思う最終幻想にひたって貰っておけって囁くんですよ。
小説ではこうだった。作者の解説はこうだった。でも、俺は別の回答もアリだと思うね!! ってさ。
それは本当にサービスなの? サービスを知っているのか田の人?
高田の人は、作中、どんな人であれモブを出したことがありません。主人公と村人A、常に命を等価で計っています。下手をすると野生のゴブリンも。その辺がおそらく妙な高田の塩味が混じる原因になっているのだと……。
常々思っていること。
異世界転生したのに倫理観はヴァイキング並。それって元々来た日本が、かなりやばくない?
なので、コマンドーでは態々、殺せる人格をフルメタル式で勇者に与えたわけだったりします。
いま、ヴィンランド・サガで主人公のトルフィンが直面している倫理の問題を解決するために。
レベルアップのために会話が出来て意思疎通できる相手を殺しまくり、一週間で慣れた。
そんな主人公は、ドルのためにアフリカで黒人相手に銃を乱射しまくれるんじゃないかな?
ほら、同じ人間でも向こうの言葉とか良く解んないし、意思疎通もなかなかできないじゃない?
その辺のゴブリンよりも、実はアフリカの人々の方が遠いという現実。
そんな主人公はやーだー。現代人なんだから会話して妥協点を模索しましょうよー。
無いときは胃潰瘍を増やしながら生きていくだけですね。スマヌ、ゴブリンよ!! スマヌ!!
とりあえず、ホテルルワンダとシューティングドッグ、邦題はルワンダの涙。この二作を高田も田もこよなく愛しております。意外に社会派な二人で一人。こちらは実話ベースの映画なので、人類に絶望できること請け合いです。
高田のファンタジー人々の倫理観は、この二作の登場人物と同レベルに設定されています。
「え? 山向こうの民を殺して何か不味かったの? ほら、一緒に生首でトーテムつくろ♪」……こんなヒロインやーだー。
田の人が、火薬も無いのに人権があるのはおかしいだろ?
その辺の村人が知ってるのは隣町までに決まってるだろ?
ははっ、戦争協定が無い全面戦争に人権も人道もあるわけないだろ?
囁くのです、狼の口が。ヴォルムスフント、楽しいですね。えげつなくて。
火薬も倫理も発明しなきゃ出てこないよ。とくに基本的人権なんか火薬より発明難しいよ!!
高田ワールドのヒロインが大体においてエゲツナイ理由がお分かりいただけたでしょうか?
◆ ◆
少年Zのモチーフ。実はゾンビ映画ではなく仮面ライダーでした。初代です。
仮面ライダーって、ホントは居ないんです。作り物だから居るわけ無いだろ?
仰る通りなんですが、そういう意味ではなく本当に仮面ライダーって存在しないんです。
頭は人間、体はショッカーの怪人が居るだけなんですよ。
なので、仮面ライダーという番組はあっても、そこに出てきているのはショッカーの怪人です。
ショッカーの怪人は、怪人の姿の方を正体って言うじゃないですか?
じゃあ、仮面ライダーの正体は? 答え、本郷猛ではなく、ショッカーの怪人の姿です。
怪人が人間に擬態してるんです。本当の認識は逆なんですよね。
本郷猛はIQが600ですから、その事実にもきっと気付いていることでしょう。
そんな仮面ライダーの本郷猛ですが、実は戦わなくて良いんですよ。
番組の都合上ショッカーの方からやってくることが多かったんですが、逃げても良かったんです。
そんな彼が相手をするのは、同じくショッカーに改造された怪人。怪人と怪人の殺し合いの話。
ショッカーの勧誘ってアレですから、基本的にみんな洗脳された被害者達なんですよね。
実はちゃんと真面目に考えたなら、最初から最後まで救いの無い物語が仮面ライダーでした。
それを小説の形に纏めると、少年Zになりましたとさ。
主人公、田辺京也は改造人間である。
身体を改造するのはちょっと無理だったので、倫理や道徳、良心回路といった人として大事なものを一つ一つ丁寧に鋳潰して不可逆なまでに破壊しつくした改造人間である。ポッカリ空いた穴には映画のヒーロー達の心を詰めこみ、モヒカン族やZを相手に回した時には破壊の権化、田辺京也さんに変身するのだ! 戦え田辺京也!! 負けるな田辺京也!!
仮面ライダーは首から上が人間、首から下が怪人。
田辺京也さんは首から上が怪人、首から下が人間。
それが少年Zというお話の始まりでした。なんでゾンビものになったんでしょうね?
――――我ながら、どんな脳内錬金術を使って小説を書いているんでしょう?
◆ ◆
さて、いきなり話は飛んで京也シェルターですが、本編ではAKIRAのドーム状の亀型をしています。
IFルートでは羽田空港サイズの高さ100mの横倒しモノリスという、建造物に見えない建造物になっています。高さが100mなのは日照権に気を使ったため。エリカにバッカじゃないのと怒られました。水平移動が面倒くさいと。
ブロック状構造体なので、水平移動の度に開け閉めする扉が多いんですね。一つ箱が違えば別世界。
黒い色は全面が太陽光パネル、NBCに対する備えやCDCラボの複製、そして世界で四つ目となるハーゲンダッツ工場が!!
この二つのシェルターの違いは生き残ることから、生き続けることに理由が変化したためです。
双方共に、CIWSや対地対空対艦ミサイル、迎撃用レーザー。最近アメリカが開発を始めたレールガン。20年後の技術で得られる兵器の全て。核兵器以外なら凡そが揃った男の浪漫の不沈空母です。
理由の大半は買えって命令されたから。
『買って軍需産業を支えるんだ、キューヤ』
原子炉はありません。大陸弾道弾もありません。でも何故かアメリカの原潜が複数地下ドッグに眠っています。脱出用ですよ? 脱出用です。核燃料? 核弾頭? あぁ、ロシアさんがお安くしてくれました。
アインシュタイン「第三次世界大戦についてはわかりませんが、第四次大戦ならわかります。石と棍棒でしょう」
田辺京也さん「嫌です!! 石器の野人のモヒカンにもフルメタルジャケットで応戦します!! 知能を持った猿が相手ならウィルス兵器の出番だよ!! NBC兵器の力を舐めるなっ!! 下等な猿どもがっ!! ははは、ウィルスと共に来たれ、ウィルスと共に去れ!!」
こんな具合ですね。過保護なパパはちょっと違う。千年先の子孫まで守る気です。
ゴム製品? 呼ぶわけ無いでしょ? あんな生きた猥褻物。
でも、鳩でも蟻でも平気で食べるので、のほほんと生き残ってますよ奴。
子供? 七掛ける四で二十八? いずれ、奴の子孫との大戦争が待っているのでしょう。
ナチュラルサバイバーVSフルメタルジャケット。相手はターザン、分が悪いか?
もしかすると、自分達しか残らないかもしれない。その時に文明をやり直す準備、工場を作れる工場を用意した訳です。それがZ災害からの教訓です。スマホの設計図があっても、真空管すらなければスマホは作れませんよね?
例え、自分達以外が滅んでも最速で再生できるよう、文明文化の種を残した。
人類に知性化を促す、2010年宇宙の旅に出てきたモノリスそのものです。
京也くんが意図したわけではないのですけどね。作者が意図しただけです。
◆ ◆
さて、割烹に書けと言われそうな事ですが、今の高田の人はフリーダムな蝶々さんです。
高田の人は、ツギクルブックスの、AI賞を全力で狙いに行きます!!
なので、暫くの間、御山から力を頂いてきますね?(割とリアル)
アムネジアの連載版も書きたいのだけど構成を練ってる時間が無い。アイディアを先に書かれたくないから触りだけ書いちゃった。が、今の現状です。ちなみにことの始まりがベルセルクの、「どうして終わったりなくしたりしてから いつもそうだったと気がつくんだ」――――から始まるので、やっぱりこの脳内錬金術は理解不能です。
軍記(国家)、ファンタジー、サバイバル、推理にゾンビパニック、それから恋愛。
あとはローファンタジーと歴史を抑えれば完璧でしょうかね?
歴史分野は突っ込まれどころが多くて書くのが怖いな。
負け戦を装って陽動、負けムードに心理誘導された味方が敗走、主人公惨めに壊滅。――――素敵っ!!
読者は大激怒か大爆笑間違いなし。よし、書けるな。
さて、タイトルはクルブックス家の次期当主。主人公の名前はツギ。というところだけ決まってしまいました。
ストーリー案は二つ、
ご都合ファンタジー世界、異世界転生した主人公が、暖かくも滅茶苦茶すぎる家族のなか、無謀なる当主継承レースに参加させられるライトサイドストーリー。
近世欧州似世界。街の子ツギが、経済界の王であるクルブックス家の庶子であることを認められ、商人、マーチャントの世界に飛び込まされる……が、現代知識が囁きかける亡霊がた異世界転生憑依もののダークサイドストーリー。
どちらにするか、迷った時はどちらとも! そして両方をMFブックスに応募するんだ!
高田の人はそんな自由になりたいお年頃なのでした。まる。