・閑話休題 木崎まもりの憂鬱(参考データ)
米・本編ではありません。作中の情景を楽しくイメージするための資料です。
作中のアメリカ。一年も経たないうちから百年は先を行っていると豪語してますが、比較対照がむしろ衰退してるので本当です。
そんな百と一年後のアメリカですが、
ゾンビオサエールパッチ式(一週間タイプ)
ゾンビウツサナーイ噴霧式を使えば、むしろ常人よりも健康、強靭、年取らない!!
などという間違った使い方が社会本題になっています。
とくに最後の年取らない!! が、女性たちに……。
Zの男女間で生まれる子供は、Zではない状態で生まれます。
京也くんが、このままじゃ『乗り物』が絶滅しちゃうでしょ!! と、説得した結果です。
最初のころはZくんも『え~、なんで~? 赤ちゃんZ良いじゃん』という顔をしてましたがなんとか納得して貰えました。
理由は、成長しないから。
Zくんが嫌気性な理由も実にアバウトなもので、そこが乗り物の端っこだからです。
こんな出鱈目な子を国際社会の場に出してはなりません。
今回の舞台、広いようで狭い。札幌市内で話が終わってしまいました。
紹介できる場所はススキノと、時計台くらいでしょうか?
ビルとビルの狭間で余所のビルを指差して、少年よ大志を抱けと言われても無理という感想しか出てこない彼。……だから、超高層ビルの上に移築しましょうよ。予算は札幌持ちで。
防衛省で行なわれた後藤さんのお披露目会。――――大久保さんの悪戯です。
いきなり同期の陸将(中将)から始まった、後藤さんイジメです。お可哀想にねぇ。
後藤さんの実家ですが時速60kmという名の120kmで飛ばせば一時間ちょっとの距離です。
土地はあるけど儲からなかった。それが一年の間に食料自給率問題でウハウハ。
後藤の血筋、金が入ればちょっと以上に調子に乗りました。あと、空気読まない。読めない。
基本的に縦割り行政の弊害。
防衛省「いや、今、国防的にやばいのよ」
警視省「知るか!! じゃあ、どうヤバイのか説明しろや!!」
防衛省「は? 国家機密をキミに教えられるわけ無いじゃん? キミら超口軽いし? 腐敗してるし?」
警視省「ウチの人間を兵隊に使っといてなんや!! その態度はっ!!」
こんなやり取りがあったとか無かったとか?
作中は無能に見える政府ですが、法治国家の弊害。歩みが遅く、変化に弱かった。
ゾンビが出たよ、じゃあ明日からゾンビに対応だ! ……予算は? どこの省庁が対応するの?
おいおい、人権守れよ。あの、北海道で格差がね? その問題は来年、特別予算組んでやるから!
累進課税を八割まで上げようか? えー無理でしょそれはー? 予算!! とにかく予算!!
設備投資して赤字決算出してきやがったぞ!! じゃあ、税収無しじゃん!?
じゃあ高利国債発行しようぜ!! ハイパーインフレが起きるでしょ!! すでにインフレなのに!?
無能な議員が議席にしがみついたせいだ!! じゃあ、有能な国会議員の成り手って……居るの?
――――え?
わりと忙しく働いて、それでも全然間に合わなかった。
実は最初の警察署と一緒なんですよ。
助けられる以上のもの、扱える以上のものを抱えてしまった。
本州からの移民問題に注力すれば、別の何処かで破綻したことでしょうな。
処理能力への飽和攻撃。それが主な崩壊の引き金です。
政府「政府だからって何でも出来ると思うなよ!!」……大丈夫、期待してない。
これが日本政府の断末魔でした。死因・優しさ。
最初から、「人権? 病人? 知るか!! 抹殺せよ!!」と、口に出来れば生き残りました。
アメリカでは大統領令で似たような非情な命令が下されて、何とか生き残っていたわけです。
アメリカ、ロシア、中国が生き残ったのは、ある意味で政府が強権的だったから。
切り捨てるものを切り捨てながら生き残りを図っていた。そこにミスターTが一国にだけ加担した。
アメリカ「光の速さで百年後にダッシュさせてもらうぜ!!」
ロシア・中国・ヨーロッパ「おい、まてや、こら!!」
かくしてアメリカは超大国以上の超大国に。
京也くんが執拗に滑走路のシェルター化に拘った理由は、遠くない全面核戦争の可能性です。
アメリカが覇権体制を五年後、十年後まで維持し続けられるとは信じていません。
あるいはZくんと協議して、理性を残したZ化を計画してまで生き残る気です。現在説得中。
愛されることを捨ててまでやり遂げなければならないことが、彼には待っていたんですね。
チョロくなインを抱えた男の末期です。一度、命を助ければ永遠に惚れてくれる女?
――――それは、ゾンビよりも非現実的な存在じゃない?
そう保科くんが言ってたよ。保科くんがね?
あと、山本さんが、なんだか負のオーラを出しながら言ってた。
自衛官だから、恋人と休みの都合あわせてあげられなくて、それでも必死に……必死に……って!!
むしろ、彼女だけは滑走路に住まわせてあげて? 京也くん……。
作中、川上さんと山本さんが後藤の人に気があるような表現がありますが、
『玩具』です。とっても楽しい『玩具』です。京也くんの子供の目では解らなかったのでしょう。
結婚の話を切り出すと二人揃って『ちょっとね~♪』とハモって返します。おそロシア。
次回、
少女A ~はーげんだっつぁー~
羽田空港D滑走路ことVault 001
監督官KTに逆らい伝説のハーゲンダッツを求め、かつて東京と呼ばれた都市、
きゃぴたるうぇいすとらんどを舞台に、さすまたピッケルを手にした少女の物語が始まる……。
かもしれない。
高田の人は、思いました。
タグに、○○賞応募を入れる隙の無さに。
これで、ソフトマイルドハードボイルドSF小説としては読了です。お疲れ様でした。
京也くんが救われるか否か? それは愛と言うものが永遠かどうかでしょう。
作者が決めるこっちゃありません。読者の決めるこっちゃありません。
――――まぁ、なるように、なるんでしょう。自然の成り行きのままになるんでしょうね。
以上でしたとさ、まる。




