7話
「おはよう女将さーん!」
「おはよう!ライカちゃん!朝できてるよ!」
雷華は朝の眠気を吹き飛ばすように、挨拶をする。そんな明るい雷華につられるように女将も明るく答える。
今日のご飯はサンドイッチだ。
「あ、女将さん。お昼ご飯多めね。サービスサービス」
「ああ、そういえば新人研修の日だったね。わかった。多めにしとくよ」
いつもより多く貰った弁当を、アイテムボックスにしまい、ギルドに向かう。
そう、今日は新人研修の日だった。
ギルドに着いた雷華はギルド地下の訓練場に向かう。
そこには雷華よりも早く来た冒険者たちが数名いた。
雷華は雷華と同じ年だと思われる男の子に話しかけることにした。
「初めまして。名前はー」
「フンッ」
「ツンデレか!ツンデレなのか!」
「ああ、ごめんな。こいつ悪いやつじゃないから。仲良くしてやってくれ。それとツンデレってなんだ?」
男の子の隣にいた体格のいい男が男の子をフォローする。
「ツンデレとは!いつもはツンツンして居るけど、たまにデレっと甘えてくる人のことだ!べ、別にアンタの為のなんかじゃないんだからね。とか言う人のことだ!」
「あははははははは!じゃあレオはツンデレだな。ははははは!」
「だ、誰がツンデレだ!誰が!」
男の子が顔を赤くしながら抗議してくる。それでも笑いを辞めないため、拗ねてしまった。
そんな姿に雷華は萌えながら自己紹介に話を持っていく。
「改めてまして、ライカ・クロイです!よろです!」
「レオ」
「アルだ!よろしくな!ライカ!というかお前、苗字持ちってことは貴族だったのか?全然それっぽくないが」
「フン、どうせ貴族さまの冒険者遊びだろ。研修で挫折して終わりだな」
レオが吐き捨てるように言う。
それを聞いた雷華は二人に誤解されていることに気づく。
「貴族じゃないって。イレギュラーイレギュラー。証拠に貧乏冒険者の泊まる宿に泊まってる。街に来た時無一文だったし」
それを聞いたアルはマジかと言い驚き、レオは口には出さないが雷華の評価を少しだけ上げる。あくまで少しだけなので雷華に対する態度は変わらなかったが。
その後主にアルとたまにレオと話しながら時間を潰していき、そうこうしているうちに研修開始時間となった。
開始時刻になり現れたのはバランスよく筋肉がついた中年の男と何名かの冒険者と思われる者たちだった。男は回りを見回し頷いた後、口を開く。
「全員来ているな。よしこれから新人冒険者検診を始める。俺は今回教官を務めるガンだ」
ガンは今度はただ見回すだけでなく、一人一人見極めるかのように新人達を見る。
「お前達はまだ新人だ。基礎もよく知らない新人だ。今回の研修で冒険者としての基礎を学び、あっけなく死ぬことのない冒険者なってくれ!」
「はいっ!」
ガンの言葉に力強く返事を返すもの、
「…」
無言だが、強くうなづく者、さまざまだったが真剣な顔で返した。