1話
雷華は地面の感触が土に変わったのを感じて目を開けた。
「うわぁ……」
地平線までまで続いている終わりのなさそうな舗装されていない道、かなり大きな森、そして雷華はその森のすぐ前に立っていた。
「来ちゃったよ、マジで異世界きちゃったよ」
雷華はそうつぶやきながら空を見上げる。大きな太陽とそれに寄り添うかのよな青い小さな太陽が浮かんでいる。それを見ながら改めて異世界に来たのだと実感した。
「あ、そうだ、ステータス。あの邪神が説明ほうりだしたとこ確認しないと」
ライカ・クロイ
LV 1
HP 27
MP 60
STR 21
DEF 14
DEX 11
AGI 13
INT 10
HIT 12
[魔法属性] 雷 特殊
[特殊魔法] 魔獣化
[称号] 異世界人
「おぉ、すごいマジででたよステータス。っと、魔獣化の説明読むんだった」
[魔獣化] 倒した魔獣に変身する。変身する魔獣のランクが高ければ高いほど消費MPが増える。変身部位を絞ることでによって消費MPを減らすことができる。他の魔獣同士を合わせた姿にも変身できるが、消費MPは合わせた魔獣の数だけ増える。あくまで魔獣にしか変身できないので、スライム、虫系モンスターのような物には変身できない。
「お、変身系か。めちゃくちゃカッコイイじゃ…ん?」
突然、雷華の前に例の赤黒い玉が現れ、禍々しいオーラを放っている手紙を置いてすぐに消えた。
「手紙…?ああ、邪神からか…。っ!」
手紙から出ていたオーラが雷華の中に入っていき、雷華はその気持ち悪さにうずくまる。しばらくすると気持ち悪さは消えた。
「何これ気持ち悪る!でも、まぁ…とりあえず読んでみよ」
〈今お前の中に入っていった物は、お前がモンスターや人間を殺した時に、精神的ショックを少なくし、容赦なく殺せるようにするものだ。まぁ、アタシからの加護とかそんなもんだと思ってくれればい。他にも色々弄っといたから感謝すれ。街は道をたどって行けば着くから、まぁ、頑張れ。
それと、アイテムボックスに2日分の食料と新米冒険者がよくつかうショートソードを入れといたから、街に着くまではそれでしのいどけ〉
「物凄くいい加減なんだけど、とりあえず、ありがとうと言うべきかな?と、ショートソード装備したほうがいいよね。まぁ、モンスターなんてそうそう出てこないだろうけど…ってやばい、フラグを立ててしま…」
「グルルルルル」
「ほらやっぱり来たよ!っと」
喉を狙って飛びかかってきた狼を難なくかわし、狼が着地した瞬間に容赦なく首を落とす。噴出す血に顔をしかめる。
「う、補正あっても結構くるね、補正無かったらどうなってたんだろ」
そのあと血でモンスターがよってくることに気づき、アイテムボックスに狼の死体を入れた。ステータスを確認して見るとレベルが2に上がり、魔獣化にレッサーウルフ化が追加されていた。
「んー、どれとれ」
魔獣化を発動させるとそこに1匹の狼が現れた。白銀の毛並みをもち、金と銀の宝石のような瞳。
見たもの全てが魅了されるような美しい狼の姿に雷華はなっていた。
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