プロローグ 2
説明成分多めです。
「…きろ」
(ん、声…?)
「起きろってんだよ!」
(うるさいなぁ)
「ふぅ、しょうがない」
(…?)
「お き ろぉぉぉぉおぉお。!」
雷華の腹部に激しい痛みが走った。
「いだあぁぁぁぁあああ!」
「やっと起きたか」
「やっと起きたか。じゃないよ!起こすんならもっと優しく起こしてよ!
腹パンはないよ!腹パンは!」
「お前がさっさと起きないのが悪い。アタシは30秒も起こした」
「30秒ってどんだけ我慢できないんだよ!というか、あんた誰だよ!」
「アタシは魔龍神ロキアンだ。簡単にいうと神様ってやつだ。どうだ、驚いただろ」
「…………………………」
「な、何だよその目は」
「中二病なんだ…」
「中二病じゃねーよ!…やっぱりこのファンタジー成分が足りない姿が悪いのか?やっぱり元の姿に戻るか」
そういうと同時に金髪に緑色の目、ワンピース姿だったロキアンの姿が赤黒い髪と目、角そして黒鱗に覆われた尾と3対6枚の羽根が生えた姿になった。
「これで信じてもらえたか?」
「龍神ていうか邪神っぽい」
「ほっとけ。んで、まぁここからが本題なんだが、お前も色々聞きたいことがあると思う。今から説明すっから後で質問してくれ」
「なるだけ簡単によろしくお願いしまーす」
「おう、そのつもりだ。まずお前がいた世界…とりあえず地球と呼ばせてもらう。地球には、お前達のいうところの魔素、魔力とかがねぇ。代わりに科学が発達した世界だ。ここまでは知ってるよな」
「うんうん」
「ところが魔力が無いはずの地球に魔力を持った異分子がいたんだよ。それがお前だ。だから色々問題が出てくるからアタシが呼び出した」
ちなみに、ロキアンいう問題とは雷華のもつ魔力がに影響を及ぼし世界に亀裂が入り、最終的に崩壊する。雷華が見た歪みは世界に亀裂が入る前兆とも言うべき現象だ。はっきり言って色々で済ますことの出来ない問題だ。
「マジですか」
「大マジだ」
「続けるぞ。本当は呼び出さずに存在を消したほうが楽なんだがアタシは慈悲深いからな、お前をエーテル世界、要するに異世界に転移させることにしたんだよ。で、今に至るわけだ。理解できたか?とりあえず今から質問タイムにはいるぞ」
「…………」
「まぁ、色々ありすぎて大変だろ「リアル異世界キタ───‼︎」うが」
「異世界っ異世界っ楽しい異世界っ」
「とりあえず落ち着いてくれ…」
「これが興奮せずにいられるかっつーの!だって異世界だよ、異世界。何たって異世界なんだよ!」
「お、おう。ゴホン、とりあえず説明を続けるぞ。お前にはエーテル世界にいってもらう。いわゆる剣と魔法の世界ってやつだ」
「魔法っ魔法っ楽しい魔法っ」
「だがお前みたいな奴じゃあ転移して1日も、もたない。そこでだ」
「チートっチートっ素敵なチートっ」
「ちょ、お前先に言うなよ。で、おまえにやる能力は、まず定番のステータス」
「異世界の定番だもんねー」
「ステータスは念じれば表示、操作出来るからな。次はアイテムボックス、これも定番だな、某青狸みたいにいくらでも入る。ただし生き物は入らねぇからな」
「生き物が入らないのも定番だね」
「で、最後のは…」
(ワクワク)
「魔獣化 だ」
「魔獣化?」
「ステータスに細かい説明は書いてある。要するに、後のお楽しみだ」
「いやいや絶対面倒臭くなっただけだよね」
「イヤイヤソンナコトナイゾ」
「やっぱり面倒臭くなったんですか…」
「そ、それはさておきだ。異世界に転移させる前にお前の髪と目の色をかえる」
「なんで?」
「昔、教会の奴らが「アクマダートウバツスルンダー」とかいって異世界人が死にかけたからだ」
「教会って馬鹿?」
「いや、あくまで昔の話だから、念のためだ。で何色にするんだ?」
雷華は知ってのとうりゲーマーだ。アバターのキャラメイクに、2日費やしたこともある。しかも今回はアバターではなく自分自身だ。
2時間ほど悩みに悩みぬき最終的に、白銀の髪に右目が金、左目が銀のオッドアイにした。
「本当にいいんだな?」
「当たり前だよ」
「分かった。じゃあ今からエーテル世界に転移させる。ちょっと目を瞑っててくれ」
雷華は軽く頷いたあとゆっくり目を閉じた。