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プロローグ
「―――誰かに愛される、って……むずかしいよね」
まだ少し暗い朝の空。
雲1つない真っ青な昼の空や、雲がたくさんある昼の空。
カラスがなく赤い夕方の空。
星空が輝く夜の空。
どの空も好きだよ、
と、お前は笑って言っていた。
―――そう、俺たちは、お前の見たことのない空を見たかったんだ―――
見たことのない空が見たくて、
見えることのない空が見たくて、
そして、お前の笑顔が見たかった。
―――――どこか儚げな美少女、”赤羽 若葉”(あかばね わかば)。
いつも元気で天真爛漫な少女、”霜田 千草”(しもだ ちぐさ)。
男より男前なボーイッシュな少女、”大崎 千代”(おおさき ちよ)。
人を寄せ付けない少年、”山城 宗太”(やましろ そうた)。
サッカーに生きるサッカーが大好きなサッカー少年、”紀田 玲汰”(きだ れいた)。
―――俺たちの見上げる空は、どこまでも綺麗だった―――。