表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命のカードと、偽りのハーブティー  作者: 星狼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/2

健康運と特製ハーブティー

「占いいかがですか? 1000円で貴方の運命がわかりますよ〜」


律の声が、甘く響いた。健一は軽く会釈し、席に腰を下ろす。


「こんにちは〜」


「あら、いらっしゃいませ! 今日はあなたの運命を占わせていただきますわ。恋愛運が気になりますか?」


健一は首を振り、淡々と返す。


「恋愛運は別にいいや。他どんな占いあるん?」


律の目が一瞬輝き、カードを素早く並べ始める。商機を逃すまいと、声に熱を込めて。


「あら、もったいない! 仕事運、金運、健康運...でも、私の占いは全部繋がってるの。特に結婚運が素敵よ♪」


「健康にします!」


健一の言葉に、律は少し肩を落とすが、すぐに持ち直す。意味深な笑みを浮かべる。


「あら、健康運ね♪ でも実は……あなたの運命の相手は私なのよ。結婚運も出てるわ!」


健一の眉がピクリと動く。面倒くさそうに、声を低くする。


「もうそんなんいいから健康運教えて下さい」


律は小さくため息をつき、不満げに唇を尖らせる。


「はぁ……健康運ね。最近睡眠不足みたいね。私の特製ハーブティーを飲むと改善するわ。差し上げましょうか?」


「睡眠しっかり取れてるけどな? あのさ? 一個聞いていい?」


律の顔がぱっと明るくなり、前のめりに身を乗り出す。チャンス到来とばかりに。


「もちろん! なんでも聞いてくださいな! 運命の相手からの質問ですもの♪」


「僕、乾燥肌で薬飲んでるねんな。その事は何か占い結果に出てないの?」


律は一瞬たじろぎ、カードをじっくり見つめ直す。慌ててフォローする。


「あら……そうね、確かに『肌の乾燥に注意』って出てるわ。私特製の保湿クリームを作りましょうか?」


「ちゃうちゃう。それいつまで続くかが聞きたいんよ」


「ああ、そうね……『改善の兆し』のカードが出てるわ。あと2週間もすれば落ち着くはずよ。でも私のクリームも使ってね?」


健一の声に、疑念が混じる。


「2週間で治らんと思うで?」


律は不安げにカードを睨み、言葉を探す。


「うーん、そうね……『長期的な問題』のカードも出てるわ。医者に相談した方がいいかもね。私の占いは外れないんだけど……」


「んじゃな? 次な? 僕、最近どんどん視力落ちてるんよ。それ健康のヤツに出てない?」


律の表情が慌てふためき、カードを急いで並べ直す。


「あら……これは大変! 『視力低下の危険』のカードが……私の特製目の健康ドリンクを毎日飲まないと!」


「それ、占い結果ではなんて書いてんの?」


律は焦って別のカードを引っ張り出し、声を上ずらせる。


「あ、えっと……『深刻な眼疾の予兆』……ごめんなさい、実はあまり良くない未来が見えるわ……」


健一の目が鋭くなる。


「え? 何、視力なくなるの?」


律の手が震え、カードを並べ直す。必死に取り繕う。


「い、いいえ! そんなことないわ! でも……眼鏡なしでは生活できないレベルまで……私の特製目薬で改善できるはず!」


「それは占い結果に特性目薬飲めばいいよって書いてるん?」


「そ、そうよ! 『目の健康を守る秘薬』のカードが出てるわ。私の目薬なら絶対に効くはず...買ってくださる?」


「それ、どのカードなん? 教えて」


律の顔が困り果て、言葉に詰まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ