表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

居酒屋の男

 さっさと消えろよ。

 あんただよ、あんた。自分でも分かってんだろ。

 そうだ。あんたしかいねぇだろ。


 一発で分かるよ。あんたがどんな目にあってきたのか。全部うまくいかねぇんだろ。変な廃墟に行ってから。


 分かるのかって? 分からない奴の方がおかしいだろ。

 姉ちゃん。ちょっとだけ時間くれるか。

 

 あんた、ずいぶん苦労してきたな。


 行きたくて行ったわけじゃなかったんだろ。

 でも若いから判断を誤っちまった。興味を惹かれる自分もいた。魔が差したって感じに近いんだろうな。


 いやだから分かるって。その時の姉ちゃんの感覚や感情まで全部分かるとはさすがに言わねえが。


 そんなわけねぇだろ。でもそれも理解出来る。誰だって面倒事は避けたいからな。

 だってよ。ずっとそこで話聞かれてるわけだろ? そりゃ下手な事言えねえよ。

 あんたは見えねえから簡単に悪口垂れ流せるんだよ。好き放題言えるのはある意味自覚がねぇからだ。


 よく考えて見てくれよ。

 電車で奇声を発してる人間に、やめてくださいよなんて声掛けれるか?

 包丁持った明らかにやべぇ奴に、面と向かってやめなさいって言えるか?


 俺が言いてぇ事は分かったろ。

 あんたの後ろにいるのは、とんでもなくヤバイ奴だよ。


 俺はな、もういいんだよ。

 だから言ってんだよ、お前に。

 さっさと消えろって。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ