霊媒師 2
素晴らしい守護霊様がついておられますね。ここまでの方はなかなかおられませんよ。とても強い力を持ってあなたを守っておられます。
えらくご不満そうですね。
でも他の皆さんも同じように言われてきたのではないですか? そうでしょう?
あなた、よほど自分に悪霊が憑いていると思いたいのですね。これだけ自分が不幸なのは何かがおかしいと。それは少し傲慢と言えるのではないでしょうか。
幸運ばかり続く人生などあり得ませんよ。誰しもが辛く悲しい経験をするものです。確かにその配分は人によって異なります。故に理不尽に感じる事もあるでしょう。では何故そう感じるか。
人と比べるからですよ。他人の幸福量と比較するから自分がより不幸に感じられるのです。
腑に落ちないですか。
でも形はどうあれ、あなたは自分の意思で良くない土地に踏み入ったのでしょう? 若気の至りというやつですか。それから人生がおかしくなった。だから自分には良くないモノが憑いている。
占いの結果が最下位と言われたら、その日起きた幸福よりも不幸ばかりに目がいってしまう。その幸福すら不幸の伏線とすら思ってしまう。それと一緒ですよ。
いいから祓ってって……出来るわけないじゃないですか。
違いますよ。良いものだから祓わない方がいいというわけではありません。
言ったでしょ。そちらの方はとてもとても強い力を持っておられるのです。
そもそも無理なのですよ、そんな事は。
悪い事は言いません。そのままにしておきなさい。
あなたにとっては今の状態が最善です。余計な事をするべきではありません。