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選択の余地

いきなり大きなことを言うけど。


今あなたの人生に選択の余地はあるだろうか?


と聞かれたらどう答えるだろう?


現代日本で今ここを読めているような方々ならだいたいは「ある」と答えてくれるものと思う。一部「ない」とされる方もおられると思うが、実際のところ、これは本人がどう考えるか次第で、どっちでもOKな問いだ。


「ある」と答えてくれた方々は、例えば私には結婚するしないの自由はあるし、転職するかしないかの自由もある。今晩何を食べようかと考えを巡らす自由もあるし、余暇にゲームでもしようか、という自由がある、と考え「選択の余地はある」と思ったのだと思う。


「ない」と答えた方は、例えば家の存続のため長男かつ一人っ子だから結婚しないとなぁ、とか、今転職なんてする余裕はこれっぽっちもないよかもしれないし、自宅に帰ったら夕飯が待っているのかもしれないし、そもそも余暇がない、少なくとも自分自身が満足できるほどの時間はない、のかもしれない。


「ない」方は本当に余地はないのだろうか? 逆に「ある」方は本当にあるのだろうか?


結婚するしないの自由はあるけど、そもそも相手がいないかもしれない。この場合自由はあるのだろうか? それともないのだろうか?


転職できるけど、今辞めたら採用してくれるところなどこにもないかもしれない、そもそも今辞めたら会社が混乱するかもしれない。


今晩は何にしようかと考えるが、そもそも通勤ルートには食事を取れる場所も少なく、また時間が遅く、選ぶ余地はコンビニ飯ぐらいかもしれないし、給料前で懐が寒くて贅沢はできないかもしれない。


これらは「選択の余地」があるのだろうか?


結婚しないといけないけど、別に家の存続とかどうでも良かった、という価値観を持っているかもしれない。


ブラックだから転職させてくれないかもしれないけど、やめて転職する方法はあるかもしれない。もしかすると転職時期だけ実家が助けてくれるかもしれない。


自宅に帰れば夕食が待っているが、今日はどうしてもハンバーガーが食べたかったので少し帰りに寄って軽く食べていってもいい。たまになら許してもらえるだろう。あるいは事前に連絡を入れて今日は夕飯を用意してくれなくてもいいと伝えてもいい。


余暇が少なすぎるのなら、転職を考えてもいい。余暇を取るか、給料を取るか? の選択で給料を取ったことを後悔しているのかもしれない。


このような、考えれば選択の余地などあるようでない、ないようであるようなものだ。すなわち人による。だから余地があるだのないだの、余人に言うことではない、ということだ。


例えばの話。


死刑囚を処す仕掛けを作動させるスイッチを押す係は誰がするのだろうか? 死刑囚とはいえ人である、その人を殺すのは多くの人は嫌がるだろう。だから偽のスイッチが2つあり、その3つを同時に押す3人がいるという話だ。


死刑を執行しなければならない職種だと分かっていながらその務めについたのに「甘えるな!」というのだろうか? 大体の人は「すまんな」と思っている。だからその3人には特別報酬があるとの話。


ここでその特別報酬目当てに、あるいは殺しを合法的にしたいなどの理由により、俺にやらせてくれ、という意見があるのも見たことがある。彼らこそ「選択の余地」を存分に使っているのだろう。それは自らの生活の安定のために見知らぬ人を虐殺するスイッチを押すのとどう違うのだろうか? 彼らは非難されるべきなのだろうか? ならばその線引はどこに?


話が重くなった。もっと軽めの話をしよう。


あるRPGで、攻撃力+50の武器と、ダメージが1.5倍になる武器のどちらかをゲットできることになったとしたら、どっちを選ぶのがいいのだろうか?


答え:ゲームによる


攻撃力+50がいったいどういった効果なのかはそれこそゲームによるし、時期にもよる。序盤だったら50は嬉しいかもしれないが最終盤なら50は誤差レベルかも知れない。

1.5倍は果たしてどこにかかるのだろうか? 最終ダメージならそれなりに有能かもしれないが、そのゲームは硬い敵が多く、武器では存分にダメージを与えられないゲームかもしれない。ゲームによっては攻撃力+50のほうが最終ダメージは大きいかもしれない。


同じ、全く同じなのよ。人によるのと、ゲームによるのは。


ゲームでくそげとされるものは、この選択の余地がない、場合が多い。全部はずれの選択肢しかなかったりするものだ。

例えば攻撃力しか能力値がない武器で、25と50の武器があり、25は40ゴールド、50は50ゴールドで売ってたりするようなゲームだ(ゴールドは比較的容易に手に入るものとする)。

要するに選択肢そのものはあるはあるけど、低いものを選ぶ理由がない、という設計のものだ。

ここまであからさまなものは流石に少ないが、多かれ少なかれこういったものも多い。そしてこういうやつほど選択肢が多いと数を誇るのだ。


選択の余地は人によるので、あまり、例えフィクションの話であっても、選択の余地はあった! その選択をしなかったこいつは悪! とかそういう話はやめておこう。

人殺しはことごとく相応の報いを与えるべき、みたいな意見を見かけて、それはそうかもしれないが、「選択の余地」がなかった者にまで適応するの? と考えたが、そもそもの「選択の余地」を分解できていないのでは? と思ったので30分程度で勢いで書いたもの

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